ハセガワ 1/72 F/A-18A ホーネット

F/A-18A  Hornet   Hasegawa 1/72


ハ セガワの1/72F/A-18Aです。80年代〜2000年代にかけての米海軍の主力機ですね。同時期の米軍機ではイーグルやファルコン、トム猫あたりが 綺羅星の如くひしめいている中で、いまいちパッとしない(失礼)の感じのある機体です。とはいえ発展型のF/A-18E、Fと共に現在の米空母の甲板を埋 めるつくしているのだか ら、結果的には優秀な機体なのでしょう。

マニアの方ならご存知の通り、F/A-18系の機体の中でもA〜D型はレガシー・ホーネットと呼ばれています。すでにA/B型は米軍では退役していて、残 るC/D型も後継のE/F型スーパー・ホーネットへと更新が進んでいます。ガキの頃は最新鋭機だった本機も過去の機体となりつつあります。


さて、ハセガワの1/72F/A-18Aは 1980年初頭に発売された「F-18」試作一号機のキットをベースに、1985年頃に金型改修でリニューアルしたものらしい。この改修においては凸モー ルドだったのを凹モールドに変更したのだとか(違う?)。凸モールドのキットを金型の改修で凹モールドにした例は非常に珍しく、他に はイタレリの1/72F-15が凹モールドに変身してます。

キットは基本的に古いのでディテールはそれなり。特に脚回りが評判が悪いようです。確かに脚庫が浅いですねぇ。脚柱も試作機のままだとか。でも見た感じは 複雑な形 状を少ないパーツで良くまとめていると思います。1/72の中ではタミヤWB(イタレリ)と並んでビギナー向きでおススメ。これで練習してから同社の 1/48やフジミの1/72に挑んでも良いとお もいます。

ちなみに今回製作した版のA型は現在ではカタログ落ちしていて、ブルーエンジェルスのA型とC/D型が現行版です。模型誌だと、MA誌85年12月号で製作 レビューされています。古いけど良い記事で、参考になります。



〜製作〜




今 回製作するキット(個体)です。昔買った物。ガキの頃はホーネットのプラモといえばコレでした。かなり初期のタイプをモデライズしていて、ストレーキ上の LEXフェンスとよばれる整流板がパーツ化されていません。これはのちにC/D型で追加されています。現在ではこのパッケージの商品はカタログ落ちしてい ています。

パーツ構成です。シンプルに仕上がっていて、「飛 行機のハセガワ」の手慣れた仕事ぶりが良く判ります。実機は複雑な形状をしていて、後発の同社1/48やフジミ1/72があれだけバラバラにな る位だから、かなり手際が良いと思います。多少ディティールが甘いけどそれも愛嬌。細かい所では、胴体背中のブレードアンテナはこの版では一体化モールド だけど、後に別パーツになってます。

デ カールは米海軍VFA-113と米海兵隊VMFA-531、それとカナダ国防軍のCF-18です。インストの米軍機の配色はちょっと変わっていて、上面ラ イトゴーストグレイで下面FS36495(クレオスC338)。F-20タイガーシャーク2号機も同じ配色です。本機もノースロップ系だからなぁ。実機の方は後 にゴーストグレイのツートン迷彩に直されたようです。


〜問題発生しました〜
今回も古キットだったので、 デカールに黄ばみが発生していていて、いつものようにデカールを天日干ししました。ところがその日がたまたま強風で、デカールがどこか に飛ばされてしまいました(爆)。部品請求でハセガワに問い合わせたところ、欠番のためデカールが出ないとの回答。
様々な解決策を検討した結果、タミヤWBシリーズのホーネットのデカールを取り寄せる事にしました。有難い事にこのデカールにもカナダのCF-18が有るんですね。 そんな事情だから「タイトルのF/A-18Aと違うやんけ。CF-18やん。」て な類のツッコミは勘弁下さい。









※左写真2枚はタミヤ/イタレリキット付属のデカールです。
タミヤから来たF/A-18のデカールです。計器盤のプリントは無い です。まあ贅沢いってもしょうがない。なにしろ格安¥170です。
ここで気付いたのが、手持ちのタミヤキット付属のデカールと違い、今回取り寄せたものは、VFA-82マローダーズ(左下)のマークがフィンランド空軍?のものに 差し替えられていました。





気を取り直し製作にかかります。まずはコクピット。フロアをエアクラ フトグレー、計器盤とサイドコンソールを艶消し黒で塗装。シートはカーキグリーンとエアクラフトグレー。最後に操縦桿を付けて、ハイ終了。
※本来は計器盤とサイドコンソールにはデカールを貼ります。

コ クピットを挟んで胴体を組みます。胴体は上下分割方式(横割り)。なので機首側面のモールドは甘いです。まあどうせ擦り合わせるから気にしない。合いを 確認したところ、機首部分は下のパーツの幅が、上パーツと比較して少し狭いようです。この寸法誤差に因る段差が生じます。

機首の下パーツに「つっかえ棒」を入れて少しだけ広げ(赤矢印)、機首の接合面をツライチにします。これで上記問題は解決。段差修正のパテ盛り、切削はなるべく行いたくないです。




成型の都合で、ストレーキ上にエクボ(ヒケ)があります。全然可愛くない。特に左側の赤丸箇所が顕著です。これはMA誌レビュー記事でも指摘されている本キットの問題?箇所です。今さらハセガワさんも直す気も無さそうだし、ポリパテで埋めま す。

胴体側面パーツ(A4とB10)の接着は、本キット組立のヤマ場です。一度に接 着しようとするとスキマや段差の原因になるので、ここは前後で分けて接着します。具体的には始めに後部@をなるべくツライチに接着し固定します。次にエア インテーク部Aを接着します。

主翼を取りつけます。ここの合いは良いです。後はいつものようにスキ マを溶きパテで埋めたり段差をスポンジヤスリで均したりすれば塗装準備終わり。組立ての段階で段差は最小限にしているから、擦り合わせはすぐ終わります。 これで土の字です。それとエアブレーキですがこれは胴体との合いは悪いようです。ここは十分な擦り合わせが必要。閉じたかったけど、今回は手っ取り早く「開」にしました。





脚カバーを塗りました。先に裏 のC1ホワイトを塗ってから表の C308グレーを塗ります。インストでは足回りはC1ホワイト、脚カバーのフチはH13艶消し赤(水性カラーのみ)の指定になっています。あれ??米海軍 機の足回りはC316イン シグニアホワイトとC327インシグニアレッドじゃないのかい?結構いい加減だな〜。脚庫のフチはタミヤペイントマーカーの赤で塗ります。

機体と小物類を塗りました。機体上面はC337グレイッシュブルー、 下面はC308ライトゴーストグレイです。塗り分けは少しボカせば良かったかもしれません。ノーズコーンはC306とC318クリーム色。あまり細かい塗 り分けは無いので作業は楽な方です。

デカールを貼り付けてから、半ツヤのクリアーを吹きました。最後に小物類を取り付けて完成。今回使用したタミヤ/イタレリのデカールは、細かいステンシル 類は最小限だったから貼り付け作業は短時間で終了しました。フィルムも薄くて良い感じ。マークソフターも効くし非常に貼り易いデカールです。イタレリのデ カールは硬くて貼り難いイメージだったから、これは嬉しい意外でした。




〜完成〜






完成したハセガワの1/72ホーネット。ストレーキの微妙なカーブと か、ホーネットの「怪しげな感じ」が出ていて、雰囲気は悪くない。Sta.2とSta.8のパイロンはラックのみなのが少々さみしい気がしますが、作業的 には爆弾を作る手間が省けました。個人的には出来が悪くても良いからMk82を4個位入れて欲しかったかな・・・

キット自体は、胴体側面パーツの取りつけに少々がクセがあるものの、全体的にはイージーな好キットだと思います。ブルーエンジェルスなどで数を作るとかに 向いているかも知れません。足回りが気にならない人、サッと作りたい人にはまだまだおススメできるキットだと思います。

完成して気が付いた点としては、キャノピー後端の塗り 分けが何か変。実際はもう少し角ばっているようです。もはや塗り直すのもめんどくさいので、これはこれで終了。このキットは限定版とかC型版が何個かある から次製作するときの反省点にします。

製作日数は一週間程度。キットの出来が良いから意外に早く進みました。塗り分けの部分で細かしいマスキング作業が無かったこと、イタレリのデカールのシンプルさにも助けられました。も し元のハセガワのデカールを使用した場合、細かなステンシル貼りでもう少し日数は掛かっていたと思います。

ストレスなく組めて、良いキットでした。

今回の反省点
@デカールの紛失
Aキャノピー後部のマスキングが変
B塗り分けボカシ塗装すれば良かった


2013年5月25日完成。


プラモコーナーへ戻る


TOP


               Copyright  2012 KOZY-Syouten ALL Rights Reserved