ハセガワ 1/72 ミラージュ F.1C

Mirage F.1C  Hasegawa 1/72


ハセガワの1/72 ミラージュF.1Cです。おフランスはダッソー社の小型戦闘機ですね。空自の三菱F-1もかなりカッコ良いですが、こちらのF.1もナカナカ優美なスタイルをしております。実機市場ではF-16という競合が存在したため大ヒットとまではいきせんでしたが、 それでも数か国に輸出されておりまして、エレガントな佇まいとは裏腹にかなりの実戦をかいくぐったタフな機体です。空自F-Xの候補に2度もあがったほどの優れモノで、昔、ある模型誌で「イーグ ル200機も要らん。空自はコレを買え」ってなライター氏も居た位です。

さてフランス・ダッソー社のミラージュ戦闘機といえば名機ミラージュVやその派生型のミラージュX、ミラージュ2000とか爆撃機ミラージュWなどデルタ翼機が 主流で、その一族にあってデルタではない本機は異端の存在といわれています。しかしキットには比較恵まれていて、ハセガワの他、イタレリ(旧 エッシー)の48やエアフィックス、エレール(エアフィックスと一緒か??)の72があります。

一方、デルタ翼のミラージュっていうとやはり国産キットは少なく、昔フジミとタミヤが出した位で
こちらも舶来品が主流です。欧州機やロシア機のキットは売れないから、というのは全く理由に無らない。せめて6日戦争で大戦果をあげたミラージュVだけでも国内メーカーから出して欲しいところですが、産油国に遠慮でもしているんですかねぇ?クフィールなんかよりよほど売れると思うけど・・・。

さてハセガワのキットです。これも発売年は良く判りせんが恐らくは80年代初頭の金型ではないでしょうか。繊細でカッチリした凸モールドでハセガワの手慣 れた仕事ぶりが良く判ります。このキットは私が子供の頃から既にあって、玩具店や模型店でもふんだんに売られていた馴染みの箱絵なのです。いつかは 作ってみたいキットの一つだったんですよねぇ。

あれから30年経ってしまいましたが、ひとつやってみましょう。


〜製作開始〜




今 回製作するキット(個体)です。むかーし、ひなびた模型店の片隅にあったデッドストックです。いきなり旧箱タイプで80年代前期の体裁です。これを買った頃はまだ” お宝ゲッター”や”荒らしコレクター”がそれほど居なかったので、こうした旧箱でもあんがい普通に店頭で買えたんですよねぇ。箱絵はいつもの小池絵師によるもの。 これはもう30年以上使われてる絵ですね。

パーツ構成です。
プラの成型色はちょい濃い目のグレーです。シ ンプルかつ的確なパーツ割りで纏まっています。今の時代に新金型で出したらまず超絶ディテールにバラバラ割りで出してくるでしょう。どちらが良いかは人それぞれですが、ユーザーフレンドリー さでは昔のキットの方に軍配が上がることの方が多い気がします。パパっとカタチに出来る点は現在でも見直されて良いと思いませんか?

デ カールです。これも30年以上変わっていません。台紙は水色ではなくて白だけど・・・。使えるかどうか心配だったのでハセガワロゴの部分でテストしたとこ ろ、まあ普通に使えました。良かった良かった。これが使えないといきなりけつまづくんですね。もし別売りデカールを使う場合でも、何だかんだでで純正デカールは必要になってきますからねぇ。




インストです。昔の横折式から現在の縦折り式に移行する過渡的なもので、カラーはグンゼ(クレオス)で指定されています。この時代のインストって結構好き。日本語と英語の2か国表記のみ。昨今では省略されている部品番号とその名称も記載されていてなかなか親切です。これは復活させてほしいかも。まあ、細部については少し抜けていて、これは現行版に一歩譲りますが。

「おとうさま、おかあさまへ」も健在。例のフレーズ「指先を動かすことにより大脳の発達をも促します。」はサプリ的な名文句、優れた効能書きです。ここは
是非とも本キットを完成せしめ、知能指数レベルを多少なりともアップ、という副次的効果を期待せざるをえません。なお個人の感想であり効果を実証するものではありません(笑)。

と、ここでのっけからトラブル発生です。胴体部品・右(B部品)の垂直尾翼上端部(赤丸部分)が湯回り不良でダレています。なんてこったぃ・・・。早速ハセガワさんに事情を説明したところ、速攻で
代品を送ってくれました。ハセガワさんの素早い対応に感謝!です。





コクピットを作ります。シンプルに計4パーツ。フロアをエアクラフトグレーで塗ってデカールをペタッと貼ってお終い。小型機らしくコクピットは狭そうです。

コクピットを挟んで胴体左右を貼り合わせます。ここの合いはバッチリです。次に主翼を取り付けます。ここの合いも良いです。あとは胴体左右の継ぎ目を軽く スポンジヤスリで均したり、主翼と胴体の隙間に溶きパテを擦り込んでしまえば組み立てほぼ完了。何という簡単さでしょうか。エアインテークは塗装との兼ね 合いで迷ったけど、合いが良さそうだから別に塗装して後付けします。D17とD18のパーツはインストでは左右逆の指示です。しかしパーツ内 側にL、Rの刻印が有るのでそれに従えばOKです。

ちなみに胴体右のパーツはハセガワさんが送ってくれた代品のため、成型色の色調が少し異なります。パーツとしては恐らくは20年以上、時間軸にギャップが あると思うんだけど・・・これがバリ取りや面取り処理もしてないのに、ピッタリと合ってくれたのですよ。オオオ・・・・やる なぁハセガワさん・・・。





機体塗装です。インスト指定の色は上面ブルーグレー、下面シルバーグレー、機首ダークグレーといずれも混色指示です。めんどくさいから自分なりのイメージ 合った近似色で対応します。上面C72ミディアムブルー、下面C8シルバー、機首C301グレー。下面色の銀は隠ぺい力強いから先に上面色で塗ってしまい、後は細部を塗っていきます。塗装後にエアインテークのパーツをMrセメントSで取りつけます。

ミサイルやタイヤ等の小物類も塗装してしまいます。この辺はパーツ点数少ないので比較的楽ちんです。

デカールを貼ります。ミディアムブルーは艶消しのためか、少々シルバリングが出てしまいました。いつも通りシャブシャブのクリアー吹きで修正します。



最後に半ツヤのクリアーを吹いて小物類を取り付ければ完成です。



〜完成〜






完 成したミラージュF.1C。C72ミディアムブルーはインスト指定のブルーグレーに比べちょっと青みが強く誇張表現です。でも箱絵や手持ちの雑誌写真だと結構鮮やかなブ ルーに見えるから、あながちこんなものかも知れません。シンプルでシャープなスタイルはいかにもジェット戦闘機らしく、個人的には現用機の中では最もカッ コ良いかもしれないと思っています。

キットについてはエアブレーキを閉じた時にちょっと合いが悪い以外、 特に問題になるような箇所も無く、普通にパチピタで組めると思います。サイズも小さく大戦機並みのシンプルさですので凝る人は凹線化するのも悪くないで しょうか。あと、エアインテークのパーツが左右逆の指示だったので、これは今のインストでは直されているかもしれませんが、一応注意した方が良いです。

完成後、比較のために同スケールのイーグル、ファルコンと並べてみま した。さすがはイーグル、双発機らしく貫禄のデカさです。こうして見比べてしまうと、「お国事情」によってはイーグ ルは持て余すな・・・。一方のファルコンとの比較では、ミラージュはやや線の細い感じ。それにしてもこのエンジンノズル径の違いはどうでしょう。こりゃ あ・・・見た目でパワーに差が有りそうです・・・。

マルヨン後継機の選定をしたNATO4か国も、こんな風に模型を手にしてあれこれ議論したのかも知れませんね。

では。


2016年3月17日完
成。

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