イタレリ 1/72 F-15Cイーグル

F-15C  Eagle 
Italeri 1/72 (Old Ver.)


イタレリの1/72 F-15C イーグルです。単座型です。これも旧版(凸版)です。「ほぅ、凸版と来たか」と思った方は鋭い御仁。というのも、同社の72イーグルはもともと凸モールドだったものを後 年に金型改修して凹モールドに変身した、少し変わったキットなのですハセガワ1/72レガホもそうらしい)。今回作るのは改修前の凸版。特にレア物ではないけど、どちらかというとコレクター向けでしょうか。

さて、本キットの初出ですが、詳細は判りません。とりあえす箱絵の絵師のサインに'88と ありますのでその頃でしょうか。海外のプラモサイト (https://www.scalemates.com/)のデータベースによると、はじめにF-15E(Kit No.166)が1988年に、次いで
F-15C(Kit No.169)が1989年に出たようです。両者は実際に日本の店頭でも販売されており、20数年前に買った事が有ります。

しかしタイミングの悪い事にこの時期(1988年)ってのは、現在でも決定版の一つとされてい るハセガワ新版に加え、同じイタリアのエッシー社からも繊細なスジボリのキットが出たもんだから、イタレリの方は大して話題にも ならず、過去の文献でも製作報告例ってのは見た記憶がありません。(バックナンバーを良く洗えばあるかもしれんけど)。

ハセガワ新版と、エッシーの72イーグル→

もっとも商業模型誌としても、このようなマイナーキット を紹介したところで宣伝効果、経済効果は薄く、取り上げにくいのでしょう。

要するに、 世に出るタイミングを間違ったばかりに、大して注目もされなかった、ちょっと不遇なキットなのだ。



と、このまま絶版に思われた本キットですが、2007年頃?に凹モールドにリニューアルされて再デビューします。だから少しややこしいんだけど、「イタ レリの72イーグル」はC型/E型で改修前/後で少なくとも4パターンが存在します。この内、もっとも日本で目にし易いのがタミヤ・ウォーバードシ リーズのF-15Eです(C型も出してタミヤさん)。では改修前は一体どんな風なのでしょ う?

・・・お任せ下さい。そんな時こそ当KOZY商店の出番です。

これまで実態不明(?)とされてきたイタレリの凸版のイーグル、今回の製作でその内容、価値を検証してみたいと思います。
っていうか、その前にマトモに完成するのでしょうか・・・コレ???


〜製作開始〜



今回製作するキット(個体)で す。ヤフオクで落札した当時モノです。箱絵はお見事。中身はともかく箱絵に関していうならイタレリは一目置かれるところであり、購買意欲を刺激します。た だし中身を見て 「たわばッ!」ってパターンが多いです。このあたりは箱絵はイマイチだけど中身は秀逸?なエッシーと対照的。箱はキャラメル箱(B式)で買って開けてから でないとパーツ確認は出 来ません。

箱の裏側には塗装図がカラー印刷。ただしこれは国産キットなどに比べたらかなり大雑把で、参考程度にしかなりません。正直、イタレリのインストってあまり 当てになんない部分が多いので、今回はハセガワのキットを参考にします。

説明は10ヶ国語くらいで対応していて、一応日本語もあります。これは親切ですね。





パー ツです。計5枠。こじんまりと収まっています。ハセ旧版と同じような割りでしょうか。モールドは全体的にもっさりの感じ。けど少ないパーツで良く纏まって い て、これは国産キットも見習って良いですね。胴体、主翼のなどの大枠(2枠)はE型と共通でNo.166の刻印があります。その関係でコンフォーマルタン ク (CFT)が付属します。しかしこれ不要パーツではありません。その理由はデ カールです。

デカールは1stTFW「FF」と57FIS「IS」の2種類。
古いイタレリの キットでお馴染みの艶消しデカール。いちおうカルトグラフ製。これの 「57FIS」はC型でもコンフォーマルタンクを運用したちょっと珍しい飛行隊で、従って余計なパーツではないんですね。気になる人は「F-15C  57FIS」で画像ググってみて下さい。まあ「FF」の場合は不要みたいですが。

ちなみにリニューアル版の箱はこうなっています。ボーイングのロゴが入っていますね。凸→凹に変身した以外は中身はほぼ一緒です。





ここでモールド新旧を比較して みましょう。今回作る旧版(左)は・・・うひゃぁぁ・・・・なんちゅうゴツい凸モールドですか。70年代の国産キットでも ここまで太いのはめったに見ません。モノグラムの48イーグルよりゴツいぞ・・・。こりゃあ、ハセやエッシーに負けるわ・・・。つい彫り直したくなります ね。

ところが新版(右)ではシャープな凹に改修されていて、今更わざわざ彫り直す意義は希薄なわけです。それにしても、どのように金型改修したんでしょ う???うん、素直に新版を作れば良かったか も・・・いや、あえて凸を選んだのには理由があって・・・それは後述します。それにいまどき、凸モールドの飛行機プラモを作るなど酔狂ぢゃねぇっす かぁ。

エンジンノズルはカバー無しのムキ身タイプ。おお〜、これはやる なぁ。エッシーみたく、殻付きとムキ身2タイプあればもっと良かったですね。





ってわけで始めに台所用洗剤を溶いた水に付けて脱脂します。最近の国産キットではほとんどする必要ないけ ど、舶来キットは何があるか判らんから、念のためやった方が良いでしょう。

機体の主要パーツを切り出します。
基本的なパーツ割りはハセガワ旧版のイーグル とほぼ一緒ですね。簡単そう?な印象です。

で、どんなもんか仮組してみたのですが、主翼の隙間ガタガタっす〜 (涙)。これはパーツのバリとかそういう問題以前に、そもそもの寸法精度がかなりテキトーみた い。細かい事は気にしないイタリア人気質でしょうか。うーん、これは主翼の継ぎ目ならびに機首の継ぎ目の処理が攻略の要所になってくるかなぁ・・・。





コクピットはハセガワ凹版のインストを参考に塗装します。フロア内はエアクラフトグレーで塗り、計器盤を 黒で塗りました。計器のデカールは無く、ここはモールド表現です。ACESUは3pcsのパーツで構成されまあまあの出来。後部の機器室はキャノピー閉で作るから無視しま した。シートベルトやバックルは気になる人は追加したら良いでしょう。

フロアを挟んで胴体上下を接着します。
この辺はハセガワ旧版のイーグルとまるで ソックリです。

で、
胴体Assyと主翼Assyを接着したのですが・・・やはりスキマがでかい です(涙)。しかも凸モールド。やっべぇ〜、少しマズったかも(汗)・・・やっ ぱり事前に摺り合わせしておけば良 かったかなぁ・・・。





上 から見るとこんな感じ。目測で0.8o位のでかっかいスキマ。しまったぁ・・・・うーん、凹ならポリパテ擦り込んで処理すんだけ ど・・・いや、それならはじめから金型修正版とかハセ新版を作れば良いわけで、ゴツい凸モールドがこのキットの「持ち味」なのだからこれを潰さずなん とかするのが今回の主旨です。この程度でいちいち放り出すなら、プラモ以外の他の趣味を見つけた方がいいよね。

という訳で、
主翼と胴体の大きな隙間にドロ〜っとエポキシ接着剤を流し込んで大 まかに埋めてから、さらに溶きパテを擦り込んで目止めしました。。。この上から塗ってしまえば大して目立たんハズ・・・たぶん。

機首はこんな感じです。ん〜・・・凸モールドがパーツの合わせ目に思いっきり掛ってます。これもキビシ〜(涙)。同じ凸でもハセ旧版はモールドが繊細だか ら消えてもほとんど気にならないのだ けど、ここまでゴツい凸線は消すと反って変になりそうです。凸線のキットって、凹線のキットよりある意味難しいかも知れません。




とボヤいても先に進みません。 機首の継ぎ目消しは、以前モノグラムのF-8Eを作った時と同じやり方で、凸モール ドを削がないよう注意しながらデザインナイフで少しづつ「カンナ掛け」 して段差を均し、次に目の細かいメーパーで少しずつ整えていくという方法です。ちょっと写真がボケてしまい判り辛いですが・・・まあ何とかなったみたい? です。

背面のブレードアンテナがなぜか省略されているので、プラ板で適当にデッチ上げます(赤丸参照)。下面のエンジン付近の2個のアンテナ状の突起(燃料排出口らしい)も省略されています が、目立たないので追加しませんでした。

そんな感じで組み立て終了。これから塗装です。ハセ旧版より少しだけ手間かかってしまいました。





ここから先は、他のイーグルのキットとほぼ一緒だと思います。まずは機体をTACゴーストグレイ迷彩で塗 ります。今回はエアインテークとコンフォーマルタンクは別々に塗装。本当は接着してから塗りたいのはヤマヤマなんだけど、 エアインテークと機首の隙間とか迷彩掛って塗りにくい部分もあるので別々に塗りました。単色のF-15Eなら接着してから塗るんですが。

で、 エアインテークとコンフォーマルタンクを装着しました。コンフォーマルタンクの合いは良い方です。が、パチピタではないので、輪ゴムで密着させて流し込み 接着剤で固定します。ここは一度に接着するのではなく、前部と後部に分けて接着した方が確実に決まります。接着後の隙間はエポキシ接着剤で目止めして、軽 く上か ら塗装すると「後付け感」が無くなります。

脚庫や翼端灯など細部をチマチマと塗ります(また写真ピンボケしてしまいました・・・)。これはビギナーでもプラモ名人でもやる事はたぶん、ほぼ一緒で しょうか。





デカールを貼ります。昔のイタレリキットに付属していたカルトグラフデカールはフィルムが硬く、マーク セッターどころか蒸しタオルも通用しません。頑丈 で破けにくいことは破けにくいのだけど・・・。現在のカルトグラフとは使用感は異なります。ここはタミヤのデカール糊を使い、強引に貼り込みました。シル バリングしまくり、凸 モールドが掛る部分は少し浮きますが、やむをえません。

半ツヤのクリアーを吹き、全体を整えます。その他、小物類のパーツも機体と並行して塗っておきます。ありゃ・・・ピトー管のパーツを写真に収めるの忘れて いました。

最後に小物類をGクリヤーで取り付けて、完成です。出来た〜。




〜完成〜

完成したイタレリ1/72F-15C。コンフォーマルタンクを装着したC型ってのもなかなかカッコイイですね。これはハセガワのキットでも作ってみたいか も。なるほど・・・これがイタレリの72イーグルなんですかぁかァ〜。少しキャノピー頂部が尖ってるでしょうか
。パーツ段階ではかなりグダグ ダの印象でしたが、こうして出来上がるとそれなりに引き締まるイタレリのマジック。じつに不思議です。

いちおう、2017年3月現在、1/72イーグルのプ ラモといえば、同じ時期にリリースされたハセガワ凹版がベンチマークです。けど、イタレリは時代遅れのゴツい凸。同社は凹線化が遅かったメーカー の一つで、同国のライバル企業、ESCI(エッシー)がいち早く凹を採用したのとは対照的。でも精密なエッシーが消えて、ヌルいイタレリが生き残ったって のはやや皮肉な話です。

プラモの世界では、最新のキット=決定版のような所が あって、新金型が出ると従来キットは「お役御免」だなんて風潮があります。しかし一方で、こういう古いキットって誰も作らんし、過 去の作例、文献が少ない分、「作りがい」は有るのではないでしょうか?メジャーなキットとはまた違った良さが有るのだと思います。

それにしてもこのキット、凸モールドがゴツすぎて完成するとは思っていませんでした。いや、正直言いますと、もうかれこれ27年ほど前にこのキットの製作 に一度失敗してるんです。当時の製作技術でこの凸モールドと合いの悪さは手に負えるシロモノではなかったんですね。だからリベンジするなら金型改修後の凹 ではな く、改修前の凸で無ければ、と思っていました。

今回の製作では彫り直しもせず、手を加えた点は背面のブレードアンテナ一枚のみ。修正工作や追加工作って 否定はしないけど、あくまで完成させることが第一であって、「修正のための修正」みたいなことはしたってしょうがないんだな。だからこれが ほぼイタレリ72イーグルの元々の姿です。とりあえず完成して目出度しとします。

古人曰く、
「模型という ものは完成させる気があれば完成するものだ。完成しない模型があるのではなく、完成させない人がいるだけなのである。」

そうかも新米〜



2017年3月22日完成。

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