なんちゃってキット列伝

模型という物は「実物の形に似せて作った物」、つまりは実物を正確にスケールダウンしたミニチュア、というのがタテマエ(銃器関係は1/1だが)。ただし、実物を忠実正確にスケールダウンすると複雑になりすぎたり、あるいは華奢になるって理由で適度な細部省略やディフォルメがされていたりして、この「サジ加減」が各模型メーカーの腕の見せ所でもあったりするわけです。

 ところが、一部プラモデルのキットなどでは、旧バー ジョンをモデルアップしたキットに新型のデカールを同梱し(いわゆるデカール変えってやつ)、取り敢えず最新型にしたお手軽キットが出てくるから面白い。 まあ最近では模型マニアもうるさくなったのでそうしたキットは少なくなりましたが…。「メーカーの怠慢」だとか、「ここが違うあそこが違う」などと目くじ らたてず、すっトボけて作るのも模型の楽しみ方かもしれません。

今回は、そんな愛すべき?「なんちゃってキット」達を2点ほど紹介します。あなたのストックの中にもきっと・・・あるかも??



@ハセガワ 1/48 F-16C (限定V104 1996年発売)


言わずとしれたハセガワ傑作1/48F-16のキットに、三沢基地に展開されている35FW隊長機のデカールをセットしたものです。箱の写真の機体のキットということで、非常に参考になります。

箱絵写真のこの機体、シリアルナンバーAF92-3901は俗にF-16CJと呼ばれるブロック50の機体で、同梱されているデカールもこの機体のものなんだが、キットパーツ自体はハセガワが1988年頃に発売したF-16Cブロック30の前期型。つまり説明書通りに作るとフィクション満点の完成品が仕上がるというわけです。ブロック3050との外見上の違いはマニアの人は知っての通りで、さしものハセガワの傑作キットも実機のアップグレードにはついて行けなかったのでしょう。何しろ、サードパーティからF-16CJにするためのレジンパーツが有ったくらいです。

事実1998年のモデルアート誌3月号臨時増刊では、本キットをベースとして各ライターの皆さんが拡大型エアインテイクやら膨らみのついた主脚扉など四苦八苦?して自作していましたねぇ。

ようやくハセガワが重い腰をあげ、新規パーツを追加したF-16CJを発売したのが2000年頃。実機F-16CJの配備から実に10年近く経ってのことでした。その後タミヤもF-16CJを発売し、マニアの溜飲を下げた事でしょう。んで、取り残されたこのキット、どう料理しますかね??


Aフジミ 1/24 フェラーリF40 モンテシェル (1994年発売)











1990年代にイタリアで開催されていた、スーパーカー選手権出場のF40のキットです。同選手権はあまり詳しくないので良く判りませんが、日本のスーパーGTみたいなもんでしょうか?

キット内容は、フジミの1/24F40のキットに、追加パーツとデカールにて実車を再現したものです。他のレーシングチームや1/16でも同様のキットが沢山リリースされていたので模型店で案外目にする機会が多いです。

フジミのF40はタミヤよりも比較的プロポーションは良いし、組みやすくて個人的に非常に好きなキットなんだけど、1/241/16F40F40でもプロトタイプをモデライズしてるから困ったもんです。箱写真の実車はというと量産車ベースなんで、どうにもチグハグなんですよねぇ。まあこのへんの修正は難しい事ではないにはしろ、フジミさんに何とかして欲しいかな。

ちなみにタミヤも同じクルマをモデル化していて、こちらはディテール面では良くリサーチが行き届いていて一見良さげだけど、ボディ形状がディフォルメし過ぎで変なんですよねぇ(笑)。

 



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