LS 1/72 彗星 12型

Judy  MK.12  LS 1/72


私:おはよーございまーす。KOZY商店でーす。センセー居ますか〜。ごめんくださいごめんなさいごめんくださーい!!
先輩:なんです、君ですか。アポなしで日曜の朝から騒々しいですね。僕は今、大変に忙しいのですよ。

私:定年退職して、日曜もヤボ用 も関係ないでしょ?いい年こいて朝からお子様番組観ているなんて・・・ウププププ!
先輩:たった今、一度倒された怪人が復活・巨大化したところです。続いて戦隊ヒーローがそれぞれのメカに乗りこみました。これから合体してロボになります。毎週日曜の朝7時52分、予定通りの展開で す。

私:年寄りが戦隊ヒーロー番組見るって、シュールすぎる・・・!せめて時代劇にして下さいョ。「必殺コロシ人」とか。
先輩:君 にしては良い指摘です。時間通りの勧善懲悪は両者の共通項です。・・・ところで君、何の用ですか?

私:懐かしいキットをゲットで す! LSの彗星12型っす。これをやろうと思うのですが、先生のご指導を賜りたく。
先輩:僕 のことを”先生”と呼ぶのはお止めなさい、このおろか者!趣味の世界に先生だの師匠だの「人の上下」を持ち込むとは何事です!そんなかび臭い考えだから君 の作風はアヤフヤなのです。おしり拭いて出直してきなさ〜い(# ゚Д゚)!!

私:それ言うなら「顔洗って出直せ」でしょ?朝から品のねぇこと口にして・・・。じゃあウキョーさんとでも呼びましょうか?
先輩:僕はキミと刑事コンビを組んだ覚えはありません!全く・・・君のようなダメ・モデラーと関わってしまった事が、我が「プラモ人生」最大の汚点という ものです。これは南米の岩塩です。一つあげるからとっとと消えなさい!

私:これ岩塩じゃなくただの石こ ろでしょ?「ミルク寒天・山吹色」お土産に買ってきましたから、これで何卒よしなに・・・
先輩:袖の下を繰り出すとは相変わらずのワル ですね。ほんらいならば八ツ裂きですが、キットに罪はありません。「山吹色」に免じて一度だけチャンスを与えます。僕の目にかなう作品をこさえたら命だけ は助けましょう。

私:いや、ここじゃ死ねませんって。だいたいこんな小汚ねぇ家じゃ、天使や阿弥陀聖衆が迎えに来てくんねぇっスよ。
先輩:君が極楽往生出来るとでも!つべこべ言 わず、ととっと手を動かしなさい。どうせ君の手などプラモつくる以外に、非生産的な存在です。それともサメの餌にしてあげましょうか??

私:ひょえええぇ 〜(´・ω・ `)

注)この製作記にはフィクションが含まれています。


〜製作開始〜

私:今回のキットっす。ヤフオク で安かったから落札しました。コレコレ。子供の頃、文具店で買って作ったっけ・・・。
先輩:君 の世代からすると昭和末期ですね。キット個体もその頃のようですね。あの時代はLSもまだイケイケでした。

私:あの頃は定 価¥200だったんすよ。ニョホホホ。今話題のエ〇トイズ零戦フルアクションなんて目ぢゃねえっすョ!
先輩:さらに昔は¥100でした。しかし貨 幣価値は時代とともに変わるものです。驚くほどの事はありません。江戸時代はかけそば一杯16文でした。
私:へっ・・・?? な、何ですって?
先輩:つまり銭形平次の投げ銭4発分、ジャイアント馬場のキック一発分がかけそば一杯の価値に相当したということです。
私:逆に判り難い「たとえ」ですよ(´ω`)。

私:箱サイズは200×120×30・・・小せえ〜。しかも中身スッカスカ。どうりで駄菓子屋や文具店で売るハズですね。
先輩:器が小さく、頭空っぽの君が言えた義理です か。どうせ君など 1/700空母プラモに付いてくる艦載機1機分ほどの脳でしょうに。これは失敬。アハハハ。
私:は・・・腹立 つなぁ〜!(#^ω^)


私:お〜この中身、懐かしいなぁ〜これ昔、なけなしの小遣いで筆塗り したんですよー。指紋ベタベタで失敗したなぁ。
先輩:い にしえの名キットも君のような者の手に掛ったとあってはさぞや無念だったでしょ うねぇ・・・。
私:いいんですよ!その時はそれ なりに楽しめたんだから!

私:うげげげげ・・・・、これデカールが日の丸しか無いっすよ?尾翼の部隊マークが入ってねえス。(;´д`)トホホ。
先輩:尾 翼のマークなどジャンクデカールで十分です。僕のをあげましょう。遠慮せずどしどし使いなさい。
私:ありがとうご ざいます!・・・ってこれ、全部「現用米海軍機」のデカールじゃねえすか(# ゚Д゚)。

私:インストは・・・200×150の小サイズ。おや・・・?これ、 塗装図が無いっす。どうしよ(Σ(゚д゚lll)ガーン)・・・。
先輩:そんなもの箱絵で十分ではないですか。足りない部分は想像力とフィクションで補ない なさい。
私:資料とか有りませんか?セン セーなら「世界の傑作機」とか蔵書あるかもと。
先輩:一 応ありますが、良著すぎて君の知能では解読不能です。だいたい君、漢字読めますか?
私:・・・ホントは持ってないでしょ?センセの作品って考証テキトーですもんね。ケッ、エラそうにしやがっ て・・・
先輩:何か言いましたか?!


私:よぉ〜し作るぜぇ〜、作っちゃうぜぇ〜?おっ、凹モールド!さす がは「技術のエルエス」だぜ〜けど日の丸モールド、こいつだけはいただけねぇ。自慢の工作力で、彫 り直すぅ〜う、ぜえ〜ええええええぇ〜?
先輩:自 慢する工作力など無いくせに。この見栄ッ張りが。慣れないことはおよしなさい。どうせ失敗しますよ?
私:自分、不器用 な男っスから(ぼそっ)。
先輩:高倉健さんを気取ってもダメです。君の場合は「実直な男」ではなく、正真正銘の「不器用な男」、です。
私:く・・・くそぅ〜。覚えてや がれ〜。

先輩:日 の丸モールドはLSの「親切設計」の証ですよ?ほら水平尾翼を見なさい。ベロが右と左で異なるのが判りますか?これは現在のタミヤ・キットなどでもみられ る工夫です。じつによく考えられた設計とは思いませんか?
私: FOOOO!! オレさまただいまチョー感動♪ ボロ屋の中でチョー感動♪ 左の尾翼は二枚舌♪、右の尾翼がインディアン♪ 主翼と合わせて5枚舌〜♪ エビバディOh、Yeah!
先輩:そのまま逆立ちしてクルクル回っていな さい。目を回して倒れたところで、舌を抜いてあげます。
私:インディアンウソつかな〜い!

私:はじめに主要 パーツを切り出して・・・と。ゲート処理も完了。へっへっへ・・・楽勝だぜ、とっつぁん・・・。
先輩: ジョー、パーツのエッジがバリだらけぢゃねぇか。そん なんでベルトが獲れるか、このばかやろー(棒読み)。
私:あーコレです ね。よしよし・・・。終わりました!
先輩:ま だです。主翼のうら側を見なさい。押しピン跡にバリが残っているではないですか。ここも丁寧に削ぐのです。それと主翼付け根のベロの部分、ここの面取りも 忘れてはいけません。横 着すると後で痛い目遭いますよ!
私:(う〜る〜せぇ〜なぁ!!このジーさん・・・


私:ではコクピットから・・・。えーと、まずは座席とフロア、胴体内 側を青竹色で吹いて・・・終わりました。
先輩:ほ う、君にしてはなかなか手早いですね。キットに感謝するのですよ。いつも君は細かい部品を無くしますからねぇ。

私:次はコクピッ トを挟んで胴体左右を接着と・・・あれ?ゲロゲロ!フロア後部が幅広でピッタリ収まりまんねぇ・・・。
先輩:ほ れ見なさい。仮組で確認しないからそうなるのです。フロア幅を少し削って調整しなさい。
私:後は・・・カ ウリングと主翼を張り合わせて・・・ひとまず完了っす。
先輩:十分に乾いたら継 ぎ目を#1200ペーパーで丁寧に均すのです。粗い番手より時間は掛りますが「削り過ぎ」よりマシでしょう。

私:ふう、なんとか継ぎ目は消せたかな。意外と手こずっちたな・・・。
先輩:接 着面の細かいバリなどを入念に除去しておけばもっとスムーズにいくハズですよ。いそがばまわれです。
私:いや、急いで ないけど自然と回り道になりました。寄り道性なんですかね。アハハハハ。
先輩:も はやこの程度では驚きませんよ。


私:胴体に主翼、カウリング、空気取り入れ口をつけて・・・。これで 組み立て完了!いよいよ塗るぜぇ〜?
先輩:キャノピーのマスキングはしましたか?
私:あ、ど忘れ こいてた。

私:LSのキットってキャノピー のフレームが一段浮いているんですよね。ここはテープで全面覆って切り出しかなァ?
先輩:ブキッチョな君はそのやり方だと確実に傷を入れます。地道に細切れテープを貼っていきなさい。
私:うげげげ げ・・・・めんどくせ〜。

先輩:塗装に入る前に、キットの全長と全幅をモ ノサシで測り、スケール換算してみなさい。
私:え?何でですか?まあ良いけ ど。ええっ〜と、スピンナーを含む全長は 141o、全幅は160oですね。えと、電卓電卓・・・全長で72.5、全幅で71.9。う ん、ほぼナナニイっすね。何か問題でも?
先輩:こ のキットはもともと60年代に1/75可動キットとして起こされた金型です。当時の国内のスケール規格は10進法が主流だったからです。しかし海外の12進 法の台頭により金型改修を受け、プロポーションキットとしてリニューアルしました。改修後のスケールが1/72になっているかどうかそれを確認し たのです。


私:じゃ早速塗っちゃうぜぇ〜。オレ様自慢の筆塗りで、一世一代の超前衛・芸術的 な大傑作に仕上げてやるぜぇ〜。
先輩:君 こないだヘリで筆塗りしくじったでしょ?変な奇声がウチまで聞こえてきましたよ?
私:バレちまったらしょ〜がね〜。エアブラシで シュウウッ〜と・・・・。基本塗装はこんなものかな・・・。
先輩:無 難な仕上がりですね。君に芸術的なセンスは有りません。こんなもんでしょう。

私:で、識別帯や排気管、翼端灯などの細部塗装を・・・っと、ああぁ〜、めんど〜くせ〜!!!ヤニ入れてぇ〜!!
先輩: ブー垂れてないで手を動かしなさい!少しずつ進んでるではないですか。

私:ええ〜と、小 物類も・・・と。脚庫や脚カバー内側は何色が良いっすかね?調べたら諸説乱立なんすよ。
先輩:旧日本軍機など、機体内部で判らないところは、全部「青竹色」でデッチ上げればそれらしくなりますよ。零戦のカウリングだって昔はみんな黒で塗っていたのです。90年代の大戦機ブーム以前は皆そうしていたでしょう?


私:おお〜〜っ!!! デカール貼るとプラモはビシッと締まりますねぇ!よしよし、だんだん完成が近づいてきたぜぇ〜。
先輩:僕のあげたデカールは使わないのですか?
私:(無視)・・・・・・いや〜多少シルバリングするけど貼り易いデカールだな〜。スジ彫りしなくても十分十分

私:後はクリアーでツヤを整えてっと・・・。う〜ん、ちょっと小奇麗でオモチャっぽいかな?汚し塗装しようかな・・・?
先輩:君がやると「真に汚ない作品」になるからおやめない。模型誌など指南本を読んだだけではいきなりあのように出来ませんよ?ライターさんと自己の技量差、「身の丈」と弁えるのです。”生兵法は大怪我の基”ですよ?
私:(違いますぅ〜、向上心も必要なんですぅ〜、と反論したいところだけど殺されそうだから言わないでおこう)。

私:ぶげごげッ!!ふ・・・ふげ!!
先輩:どうしました? シーカー(拳王偵察隊)の断末魔のような奇声を発して?
私:うげげげげ・・・・、キャノピーにクラック入ってました(涙)。どーしよ?これ・・・
先輩:この程度なら枠が多いから大して目立ちませんよ。いっそ「被弾を再現した」と開き直ったらどうです?
私:おおっ〜!!その手があったか!! 今日一番の金言っスよ。やっぱ来て良かった〜(*´ω`*)
先輩:ドジをこくのが君の「個性」です。今回もやはり盛り込んでくれましたね。期待を裏切らない男です君は。プッ。
私:あ、笑った!いま笑ったでしょ!? ぜってー笑った(#^ω^)!!ホントは内心「ざまぁみろ」とか思ってんでしょ!??
先輩:クッ・・・そ・・それより・・・早く完成・・・・させな、さい・・プッ・・・。




私:くっ・・・くっそ〜! もうヤケッパチ(´・ω・`) 後は小物類をパカパカ付けて・・・と。

ハイッ!完成! これで、どうだ!!




〜完成〜







私:ふぅ〜、疲れた〜。

先輩: (シャカシャカシャカ・・・)できたようですね。ご苦労様です。今、茶を立てました。まあ一服なさい。
私:頂きま〜す (ゴクゴク)。・・・ブッ!!あちゃちゃちゃちゃ!ギャー舌やけどした!水!水下さい!ひへーひへぇぇ・・・。
先輩:味 わいもせず一気飲みとは粗忽な人です。どれ、良く見せない・・・ふむ。まあまあですね。

私:おお〜。なんと珍しい。ひょほほほ。今夜は雷雨かな?
先輩:天狗になってはいけません。不満な箇所も沢山あります。
私:ああ〜、やっぱりキャノピーのクラックは痛かったですねぇ(´・ω・`)・・・
先輩:そこではありません。最大の不満は、僕 があげたVFA−82「マローダーズ」のデカールを使わなかった事です。
私:いやいやいや!そりゃダメで しょ!架空戦記小説じゃあるまいし!そもそもサイズが合いませんって!
先輩:君もあそびごごろのない男ですねぇ。

私:しかしこれ、プロポーションとか再現度は大丈夫ですかね?熱心なマニアから色々突っ込まれませんかね?

先輩:時代錯誤な原作厨もとい「実物厨」など放っておけば良いのです。実物への偏愛の果てに厨房化したら痛いだけですよ。これは「LSの彗星」なのです。だいいち、考証ミスに気付いたとして、修正する技量が君にあるのですか?
私:ねえっス。(即答)
先輩:キットのミスはメーカー側の責任です。 ある意味「他人の尻ぬぐい」です。修正工作はそれが好きな人がやれば良いもので、「セネバナラヌ」ではないと思いますがねぇ・・・。さて、ここからが本題です。作った感想はどうでしたか?

私:すげ―ッす。マジすげーっす。正直、お子様向けの簡易キットだと思ってナメめてたけど、ちゃんとカタチになっちゃった・・・いや、精密正確さは別として、「プラモデル・キット」としての完成度でいえば、下手なイマドキのものより、ずーっと洗練されているかも。
「昭和レトロ」や「懐古主義」なんて安直な一言で片付けらんない「何か」がありますね。これ。
先輩:今時のキットに慣れた、君ならではの意見です。解散から20年以上、なぜLSが未だ多くのファンに愛されているか?その理由のカケラくらいは掴んだようですね。飛竜やP-3Cもおススメです。今度見つけたらぜひ作りなさい。

私:まったく、テンション・アゲアゲっすよ〜!ノってきたぜぇ。よぉ〜し・・・いくぜ!!! 「LSの彗星と飛竜に捧げる歌」!!
タ〇ヤより〜普通に〜LSが好ッき〜♪
レべ〇より〜普通に〜LSが好ッき〜♪
先輩:歌わんで宜しいッ!!ふむ。前言撤回。これが君の「遺作」のよ うですね。これからチェーンソーで切り刻んであげましょう。それがプラモ界のためというものです。
私:あ、今、窓の外に・・・UFOが!UFOが飛んでますよセンセー!!。
先輩:な んと! どこですか?・・・。見えませんね・・・?あっ!こらっ、待ちなさい。おのれ〜、次は逃がしませんよ〜!
私:お邪魔しました〜。



注)この製作記にはフィクションが含まれています。

2017年6月10日完成。


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