Skyline GT-R R34type Aoshima
1/24
ア
オシマの1/24 R34GT-Rです。プリペイントモデルシリーズ。年末年始にくだらねーテレビでも見ながら何かテキトーに、手軽に作れそうなプラモでも・・・と思ったところ、目についたのがコレ。内外装・塗装済みキットってことで、窓際で寒さにガタガタ震えながら塗装作業しなくて済みそう。こりゃあ有難いです。
プラモデルは本来は一般大衆的なもので、きちんと色塗って作る本格モデラーや、一部の自称「〇〇フリーク」なんて人たちだけのものではないんだから、こういうキットは大歓迎、いや、スケールモデル低迷の今だからこそこういうキットが必要でしょう。会社も利益を出さなければ存続出来ないの
だから、もっと裾野を広げようという試みはドシドシすべきなんだな。
さて、アオシマのプリペイントモデルシリーズは2006年ころから展開されているカーモデルシリーズの1つですね。同社HPによると、「組み立てるだけでとても素敵な完成品が作れる夢のようなプラモデル」だそうで、まあ童友社の翼コレクションやタカラトミーの技MIXみたいな感じのキットです。2016年12月のランエボで45作目?だから結構支持を得ているのではないでしょうか?
このような彩色済みキットの歴史は意外と古く、バンダイのガンプラでは旧キットに部分塗装を施した「フルカラーモデル」というのを1990年頃
に出しています。アオシマがまだY31セドグロのモーターライズをリリースしていた時代に、ガンプラはコレですよ。まあス
ケール物でも90年代にロッソやハセガワなどでボディ塗装済みとかキャノピー塗装済みのキットが散発的に出ていたのですが。
「こんなキットは邪道だ。自分で手間ひま掛けて作るから模型は楽しいのだ」ってな意見は、プラモデラーが言える筋合いではありません。大体にして、プラモデル
はその手軽さをもって全くの手作り品(ソリッドモデル)に取って代わり勢力を拡大してきたという歴史があるのだから、本来はもっとお手軽に楽しめるよう進化
していって良いと思うんです。
しかるにガンプラや完成品ミニカーがあれだけ進化してるってのに、スケールモデルときたらユーザーもメーカーも「塗装ありき」の考えにしがみついていて、昔
と比べて良くなった事と言えば「合いが良くなった」「モールドと外形の精密正確さ」「貼り易いデカール」程度のお話ですよ。未だに新キットが発売されるたびに「ここが違うあそこが違う」論で諤々など、30年前と大して変わらんぞぇ・・・。
あれっ?話が変な方向に逸れてしまいました(汗)。
では、一風変わったこのお手軽キット、どんなもんだか一つ作ってみますかね。
ではでは、共にこのキットを楽しみましょう・・・。
〜製作開始〜
今
回製作するキット(個体)です。
プリペイントシリーズNo.6。CDショップ兼プラモ屋みたいなお店で購入しました。いや、正しくはCDやレコードの専門店なので
すが、店主のカーモデル好きが高じて商材にしてしまった・・・なんて感じのお店です。残念ながら今では閉店してしまっています。ちなみに当時の定価は税抜
き¥2900でした。およそ¥1000弱が「プリペイント加工費」ですかね。
パーツ構成です。ベースになったキットは同社ベストカーシリーズNo51で、これのボディと内装、窓、ホイールに彩色がされています。従来品の転用で、プリペイント専用設計キットではありません。
デカールはプリペイント版専用のもので、サイドのリフレクター用のデカールが追加されていなどベストカーシリーズNo51のものとは異なるようですね。ただしV-specとかM-specのエンブレムは不要だっていう指示は入れた方が良いですね。
いちおう誤解無きよう説明しますと、本キットは「塗装済み」を謳っておりますが、細部については自分で塗るよう指示がされており、いわゆるオールフリーでは有
りません。メーカーさんとしては「9割方はこちらで塗ったのだから細かい部分はユーザーさんで塗ってちょ」ということでしょうか。それと接着剤は使います。塗装面を汚さないボンドGクリアーを使います。
こ〜んな感じで、キャリパーだとかエンジンは塗装指示されています(汗)。これを真に受けてきちんと塗るなんて、めんどくさくてやってられません。そこで妥協して目立つ部分だけ軽く塗ることにしました。エンジン等は塗装を端折ってしまいます。大丈夫です。ひっくり返さなければ判りゃしません。
塗った箇所はこの程度です。キャリパー(金)とグリルの内部(艶消し黒)といった程度。あと写真には写っていませんがエキパイを銀で塗りました。
その他の下ごしらえです。インスト手順と異なりますが、クリアーパーツとボディは始めに切り出してゲート処理します。いや、デザインナイフの切れ味の良い内にやっておきたいので・・・。
切り出したゲート跡は白っぽくなっているので、Mr.カラーのC5青でチョコチョコっとタッチアップです。小さい範囲なのでベイサイドブルーとの色味の違いは、大して判りません。
では実際の組み立てです。はじめにシャシー裏側です。サスはスプリングを仕込むので、ちょっと取り付けづらいです。テープか何かで仮固定した方がよいのかもしれません。
次にフロアです。ここは塗り分けされているので楽ちんです。カーモデルって、ここの塗り分けめんどくさいんですよねぇ。完成したらほとんど注目してもらねない箇所なのにね。
ドアの内側の室内灯?らしき箇所で塗装指示(青丸箇所)がありますが、ここは完成したらほとんど見えない箇所だから無視でOKでしょう。シールとかデカールにしても良かったんじゃないかなぁ?
ボディを組みます。前後のバンパーは少しチリ合いが悪かったので裏からステンレステープで固定しました。それでも後から剥がれて浮いてきたので、これには難儀しました。
ここなんか(赤丸箇所)も・・・、シールとかにした方が良いんぢゃないすかぁ?という訳で㊹と㊺の内側にはアルミテープを貼りました。
そうこうボヤいている内にボディが組みあがりました。おおぅ、なかなか良い感じぢゃねえっすか・・・。素材がプラスチックだから焼き付け塗装ではないのでしょうが、なかなかのツヤです。
シャシーにフロアを載せ、ボディをカパッと嵌めてみます。これは何と言うか・・・うーん。ウイングを付けないR34の貴重なショットです。これが味わえるのはプラモならではでしょうか。
最後に、小物類を取り付けて細かいデカールをペタペタ貼れば完成!です。うっ〜、やるなぁ、アオシマさん!
〜完成〜
作っ
てみた感想としては・・・、既存のキットを流用した塗装済みキットとしては概ね良く出来ており、ベテランのカーモデラーさんの作品や精密ミニカーほど
ではないにしろ、かなり綺麗な完成品が机上に再現します。自分で塗ってここまでの仕上がりが得られるかと言うと・・・あんまり自信が有りません(汗)。
工程日数は3日ほど、実は昨年末に完成していました。といっても慎重にパーツ切り離ししていたり、部分塗装したり、グズグズしてたら3日掛ってしまっただけで、普通のモ
デラーさんが組んだらたぶん休日の一日あれば出来てしまうでしょう。このメリットはなかなか大きいですね。普通に塗って作っていたら・・・よほどの名人とかじゃなければ一日じゃ無理だよねぇ。
気が付いた点としては、上記赤丸、青丸の個所くらいで、あの辺りはもう少しブラシュアップかけても良いような気がします。どうなんでしょう?「形状が変」とか「〇〇が再現出来ていない」など偏屈で狭量なマニアみたいな”重箱の隅をつつくようなアラ探し”はしないけど、こういう素人でも誰でも気付くような所ってちょっと気になるんだよねぇ。
あともう一点気になるのは、プリペイント(外注による彩色)を海外に依存していることで、ああいう手法って、一過性の食玩や完成品模型には向いているかも
しれないけど、長期に渡り販売されるプラモにはどうなの?って気がします。あの手の模型ってコストや供給面で細かい融通が利かないんですよねぇ。
とはいえ、こうして専門のカーモデラーさんでなくとも気軽に楽しめる車プラモを出してくれたアオシマさんにはまずは感謝したい所でしょうか。次はフジミを作りますョ。
でわでわ。
2016年12月27日完成。
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