Zephyr Aoshima 1/12
極上ゼファーC型入荷!バリバリ君ブルーベリー味、当たりが
出たらもう一本!
年式:1989年
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車検:検無し
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色:キャンディア
トランティックブルー
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製造国:日本 |
社外品:無し、フ
ルノーマル
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走行距離:不明
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排気量:400
t?
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修復歴:不明
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スケール:
1/12 |
価格:ASK |
アオシマの1/12カワサキ・ゼファーです。90年代にスマッシュヒットを飛ば
した中型バイク。ネイキッドバイクブームの火
付け役でもあります。当初人気が有り過ぎて生産が追い付かず、中古が新車より高
値を付けたほど。慌てた競合各社は直ちにジェイド、ジール、バンディット等の即席バイク新鋭機を繰り出しこれを迎撃しますがまるで
歯が立たず、しばらくゼファーの時代が続いたと思いま
す。
バ
イク実車の世界は面白く、「こんなの売れんのかよ?(変態機種)」とか「こんな危ねぇバイク売って良いの?(凶暴マシン)」てなのがコロコ
ロ出現
し、そして消えていきます。ひとつ時流の読みを外すとロクに売れず製造中止となり、これらは「珍車、迷車」だのと呼ばれ、そ
れらを紹介した専門サイトまであります。
しかしゼファーは非常に強運でした。何しろ当時の風潮は速さこそが絶対正義と
され、カラフルな外装を身に纏い高性能を謳い文句にするレーサーレプリカがもてはやされ、実際に良く売れていていました。そうした
中、カワサキはあえて真逆のキャラクターを当時のバイク・ファンに提案し、これが
大ヒットしたのです。
このバイクを語る上で必ずといっていいほど引き合いに出されるのが名車750SR(通称Z2)の存在。ゼ
ファーは良
い意味でも悪い意味でもZ2の影響を受けていて、よく火の玉カラーやZ2仕様なんてオマージュ作品を目にすけれども、これはファンの間でも賛否両論
あるみたい。個人的には両車はあくまで別の車であるのだから、無理似せする
必要はないかな、と思いますが・・・。
さて、アオシマのゼファーです。キットの来歴については良く判りませんが、実車登場からしてが89年以降
であることは確実でしょう。一口にゼファー400と言っても、初期の2バルブモ
デル(C型)と後期の4バルブモデル(ゼファーχ G型)が有って、しかも年
式により随時細部変更されているので、GooBikeやバイクブロス等で形式を確認したところ、メーターの造形からモデル化されたの
は恐らく極初期のC1(89年)かC2(90年)ではないかと推測されます。
こ
のキットも、親しくして頂いている知人から以前にお譲り頂いたものです。バイクプラモの製作ノウハウも少し蓄積しておきたいので、今回有難く製作することに
しました。この場を借りて御礼申し上げる次第です。
〜製作開始〜
頂
いたキットです。昔のヤンキー漫画とのタイアップ商品です。この作品もほとんど読んだことないのだけど・・・。どうやら主人公の乗るバイクのようですな。
昔はパンチパーマの学生さんがノーヘルでバイク通学するのが日常風景、ということでしょうかね。通常パーツの他に改パーツが一枠追加されています。
パーツ構成です。フルノーマル仕様と違い、漫画に沿った改造パーツが差し替えで入っています。実車もカスタムパーツを装着し
ている例が多く、中古車市場でフルノーマル車両は極端に少ないです。ゼファーは沢山売れた車種だから、オーナーさんはカスタムパーツで個性を競ったのでしょう。きっと駐輪場もゼファーだらけで自分のバイクを見つけるのに苦労したことでしょうね。
デカールです。基本、上の小さいシートしか使いませ
ん。下のシートはオマケのようなものでしょう(今回は使いません)。企業ロゴが多数あって、バイクプラモには何かと重宝しそうです。
いつも通りインストを良く見て各パーツの塗装色を確認しておきます。このキットも一部塗装指
示が
抜けていますので、ネット上の実車画像や当時のバイク雑誌を参考にします。やはり黒系と銀系がほとんどですね。実際のブレーキディスクの塗り分けはもう少
し複雑なようですが、非常に面倒なのでインストのパターンに従います。
今回も古法に則り、切り出したパーツはバリやゲート
を処理してから塗装する色ごとに纏めておきます。キット自体は比較的新しい?せ
いか、バリは少ないようです。またマフラーとタンクは左右接着しておきます。
接着したタンクとマフラーは継
ぎ目を処理します。タンクはプラ用接着剤のみだと後から抑えた時に割れそうだったから、裏からエポキシ接着剤で補強しました。マフラーは
表面が少し荒れています。このまま塗装しても傷が浮出てきそうなので、目の細かいヤスリで均してコンパウンドを掛けておきます。
今回の塗装は紺(キャンディア
トランティックブルー)
としました。クレオスのサンダーバーズカラーC326(FS15044)が近いようです。塗装後にデカールを貼り、さらにクリアーを何層も吹いておきま
す。デカールはシルバリングしますが、クリアー吹きで消えます。なお意外な事にゼファー初期のカラバリは赤と紺の2色しかありませんでした。カワサキも大ヒットするとは
思っていなかったのでしょうか?
タ
イヤ回りを塗装しました。ホイールの塗り分けはZ400FXの時と同様、ラッカーの銀とエナメルの艶消し黒で仕上げました。ブレーキディスクの穴は0.5
oのドリルで開口。今回手を入れたのはそれだけです。タイヤはダンロップのラジアルタイヤRideen(ライディーン)。こりゃあ懐かしい。テレビCMも
やっていた
んですよね、このタイヤ。
その他のパーツも指定の色で塗装をします。複数色で指定のパーツはチマチマとマスキングして塗装します。この工程が一番手間が掛りますが、それさえ済
めば後は楽しい組み立て作業です。なお今回はマフラーとライト回りとミラー、フロントフォーク上部はクレオスのメッキシルバーNEXTを試してみました。
さて組み立てです。身長20mの巨
人になったつもりでパカパカ、という訳にはいきません。インストでは簡単そうに見えて実際そうはいかないのがアオシマのキットです(失礼!)。
それと塗装後だから接着剤で汚わけにはいきません。はやる気持ちを抑えて、ゆっ
くり確実に組んでいきます。まずは前輪部と後輪部、サスを組みます。ここまでは問題無しです。
エンジンを組みます。ゆっくり慎重に。なお今回のエンジン腰上のフィン部パーツは、銀を塗ってから薄く溶
いたエナメルの艶消し黒でウォッシングして仕上げました。実車バイクの世界ではエンジンは長期に渡り多車種で使い回すことが多く、この空冷4発も元々はGPz400Fの物だそうです。
フレームにエンジンを載せました。フレームは左右割りなので、きちんと接着剤が固まるまで輪ゴムなどで固定しておきます。ここで一休みします。
フレームにリアフェンダーと後
輪ASSYを取り付けます。バッテリーはシートを被せたら見えなくなるから細かい塗り分けは無視して良いかもしれません。今回は真面目に塗り分けてしまい
ました・・・。
次に外装パーツの合いを確認します。サイドカバー→テールカウル→タンク→シートの順で仮組みします。案の定、タンクとシートの間に隙間が出来ます。アオ
シマさん期待?を裏切りませんねぇ(笑)。なのでリアフェンダーのダボ穴を少し前に削ってやり、テールカウルとシートを少し前にずらすことで調整しまし
た。ステップ類もここで取り付けます。
フロントASSYを取り付けます。ここはネジ止め。強度的には問題ないのだけど、だんだん「持ち手」が少なくなってくるのは気のせいでしょうか?仕方ない
のでサイドスタンドを仮止めしました。
マフラーを取り付けます。これ
は結構合いは良いです。接着せずはめ込みでもOKです。いよいよ完成が近づいてきました。
最後に、ハンドルと外装小物類、パイピングを施して完
成!となります。ふ〜っ、最後まで神経つかいますな。
〜完成〜
完成したゼファー。スタイルから各部にいたるまで非常に洗練されたバイクであることが判ります。普通の中のカッコ良さといったところですね。
私自身はレーサーレプリカ世代なので、ゼファーに対する心情は正直ちょっと複雑なのだけど、今では何となくこのバイクの良さが分かるような気がします。
実車が出たのが89年、たしか
その頃のネイキッドと言えば、まるでカウル盗難もしくは峠でコケたかのような印象のウルフ、コブラ、FX400Rとか、中途半端なCB-1、意味不明な
BROS等、どうしても地味というか、今では「不人気車」として後世にその名を伝えられる車種が多かったと記憶しています(各車のオーナーさんごめん
なさいね)。それらに比べゼファーは断然カッコ良い思います。
バイク雑
誌のテストライダーも模型誌のライターと一緒で、たとえ魅力的に欠ける車種でも一生懸命「提灯記事」書くのだけど、やはり消費者は正直だ
から売れないバイクは売れないのですね。当時多くのバイクファンが買い求めたゼファーはやはり名車と言わざるを得ないでしょう。まあ、GS1200SSみ
たいに大ゴケしてから後年再評価され、中古市場で高騰する例もたまにありますが。
20年の長きに渡り生産されたゼファーもG型が2008年に製造終了して久しく、今では中古市場で高騰して
いるようです。いずれこれも名車として博物館に展示されるのでしょう。程度の良い個体を手に入れるなら今の内かもしれません。なお私自身、後年、実車を借りて乗る機会があって、乗り心地の良さと素直な操縦特性には「なるほど」と
思ったものです。これ良いバイクです。
さて、実車の話が長くなりましたが、今
回のキットではメッキ処理されたパーツが無かったということで、クレオスのメッキシルバーNEXTを試しました。エアブラシ用に希釈してあるので、非常に
使い易く、仕上がりも上々な印象です。昔のクレオス(グンゼ)の水性H8番など粒子が粗過ぎてとても使える代物では無かったのに比べ、時代の進化を実感し
た今回の製作になりました。
キットの方は普通に良く出来ているのではないでしょうか?セオリー通り個々のパーツを切り出してそれぞれを綺麗に塗装
すればほぼ問題なく形にはなるでしょう。まあタンクとシートに隙間が出来ますが、この程度はご愛敬。変にこだわらなければ実質1週間くらいあれ
ば出来てしまうと思います。こりゃヨンフォアも期待大ですな。
アオシマさんのバイクプラモ、これで2個攻略です。
2015年10月10日完成。
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