Skyline GT-R R34type fujimi
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フジミの1/24R34GT-Rです。カーモデルEAZYシリーズ。先日アオシマのプリペインドモデルのR34を作ったら、こちらはどうなんだろ?という事で急遽手配を掛けて、この正月に作ってみましたョ。
フジミさんもアオシマさんと同様、カーモデルを屋台骨とするメーカーで、モーターライズの時代からクルマは手慣れた感じ。たとえ他社と重複す
るようなアイテムでも自社で必要と判断したらモデル化しますよねぇ。モノによってはタミヤさんよりもプロポーションが良かったりもします。一昔前は低迷して
「フジミ暗黒期」だなんてのも有ったようでようですが・・・。
近年は無塗装素組のスナップキットに注力しているようで、個人的にこれは良い試みだと思います。アオシマのGT-Rでも述べましたが、ス
ケールプラモは「塗装ありき」の考えに凝り固まっているから、ガンプラみたいに「塗りたくない人は塗らなくてもいいよ」ってキットは国産のスケール物では珍しいでしょうか。
低迷するスケールプラモ市場を尻目にガンプラが絶好調なのは、「上級者向けです」「塗装が必要です」などと従来のスケールキットメーカーが切り捨てていた
顧客層にコツコツまじめに向き合っていたからなんだと思います。そこに着目した?フジミさんの狙いは見事に当たり艦EAZYの戦艦大和などは大
ヒットしています。
今回のR34は、アオシマさん同様既存のキットを流用したもので、ただしアプローチの仕方は異なっていて、ボディの金型をピカピカに磨き上げて、
塗らなくても良いように工夫されています。リアランプ等はマジックで彩色する指示なのでこれもオールフリーではありませんが、専用設計で作れば将来的には解決できそうです。いや、ひょっとするとこれがカーモデルの未来像に一番近いのかもしれません。
でわでわ、フジミさんの提案する新しい?カーモデル、どんなものか試してみましょう。
〜製作開始〜
今
回製作するキット(個体)です。 カーモデルEAZYシリーズNo.1。絵師によるイラストではなく、完成品写真によるもので、なかなか親しみ易そうな雰囲気のボックスです。商品のイメージが良く伝わってきますね。
パーツ構成です。ベースになったキットは恐らくはインチアップシリーズNo.64でしょうか?前述のようにパチ組み専用設計キットではありません。Aパーツ(シャシー)は白と黒の成型色で2枚は入っており、パーツ毎に応じて白、あるいは黒を使い分けるようになっています。
と思ったら、Aパーツ(白)で使う部品は9、10、11、12の4個(赤丸部分)のみで、後は不要・・・。うーん、コストの兼ね合いでAパーツ2枚入れると
判断したのでしょうが、ここら辺はフジミさんの苦肉の策というか、専用設計キットでない悲しい部分です。まぁオマケだと思えば良いか・・・。
このシリーズの特徴の一つが、成型色ピカピカのボディです。しかも 「白」で来るとはフジミさん、なかなかやりますね。白塗装って、一本のホコリでも付着するとすごく目立つから大変なんですよねぇ。この質感なら無塗装でも十分です。これがプラスチッキー(安っぽい)という意見もありますが、プラモデルはプラスチックで出来ているのだから当たり前の話で、気に入らなきゃ自前で塗れば良いのだ。
リアウイングもピカピカに成型されていますね。あ、でもR34のウイングってボディ色じゃなかったけかな・・・??出来れば白で成型して欲しかったけど、ランナー配置の都合上、無理か・・・。うーん、ここはカスタムパーツってことにしておこう。
本キットもう一つの特
徴がこの粘着シールです。デカールでは有りません。エンブ
レムやナンバープレートだけでなく、窓枠やフロントのグリル、ブレーキディスクなど、通常なら面倒なマスキングで塗装する部分をシールでお手軽再現という
事でしょう。”コペルニクス的発想の転換”とまでは言いませんが、これは良いアイデア。こういうのは一般キットでも選択式で取り入れて欲しいところです。
窓枠の内側はマスキングシートが入っており、一般の油性マジック(黒)で塗りたくって再現するようになってます。ここも将来的にはシールでお手軽再現出来ると良いですねぇ。まあ今回はエアブラシで塗ることにしました。
では工作です。始めにブレーキディスクにシールを貼ります。ちゃんとキャリパーの形に沿って切り抜き済みなのが嬉しいですね。シールがほんの僅かにズレますが、タイヤをはめてしまえば判りません。
と、サスとタイヤ、マフラーを取り付ければシャシーは完了です。ちなみにスナップタイトなので接着剤不用です。パチパチと15分位。色を塗ったらこうはいきません。
フロア―を組みました。ここも無塗装でパチパチと。メーターやフットペダルにはシールを貼り込みます。ここも大して時間掛かりません。
で、フロアーをシャシーにマウント。ここまでで小一時間・・・ひょえぇぇ・・・なんちゅうお手軽さでしょうか。
テールランプは無色のクリアパーツで、マジックで色を塗る指定です。ここも惜しいですね。アオシマさんみたいに別パーツにすれば色プラ成型で無塗装化が出来たと思うんだよねぇ。ここと窓の内側は今回エアブラシで塗装しました。
お次はボディですョ。テールランプ内側にはお手軽にアルミテープを貼ってみました。
グリル部にペタペタとシールを貼り込んで、窓枠もシールで仕上げます。窓枠にシールって最初は違和感有ったのですが、結構密着性は良
いみたいです。使用感はアルミテープに似ていますかねぇ。デカールより丈夫で良い感じ。ほう、ほう、と、感心しながら貼り込んでいきました。うん、これは良いかもしれません。ボンネットのダクト部はちょっと塗りました。
最後にボディをシャシーにはめれば完成です。おおう、これも良いですね。
〜完成〜
完成したフジミのR34GT-R。無塗装素組ながら上品な感じに仕上がりました。いや、これなら塗るよりかはずっとキレイな完成品が得られるかもしれません。ハメ合いは接着剤不用のスナップで、接着剤使用よりも格段に楽ちんでした。
製作時間は、テールランプと窓内側をエアブラシで塗ったので2日掛かりましたが、油性マジックで済ませばたぶん正味3〜4時間で完成してしまうんじゃないでしょうか。アメプラのスナップほどではないにしろ、このお手軽さ。カーモデルEAZY恐るべし・・・
さて、年末年始にかけて2台のR34GT-Rを作りました。両
者を比較してプロポーションとかディティールとかはどちらが正確かは判りません。まあ何となくですが、再現度はアオシマさん、組み易さではフジミさんといったところでしょうか。
ですが当KOZY商店としては、今回はフジミさんを押したいと思います。
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いや、アオシマさんのプリペインドモデルも悪くはないんだけ
ど・・・、あれもあれで良いキットなのだけど、EAZYさではフジミさんに軍配が上がります。特に面倒な塗り分け箇所をシールでお手軽再現してしまうあたりは、昔のビッグワンガムみたいでユニークです。いや、そもそもアオシマさんの手法(外注頼み)がQCD面で将来的にちょっと不利な気がします。
このGT-Rはまだ従来品の転用だから十分に洗練されていないけど、実のところカーモデルは、無塗装素組(パチ組み)がし易い分野だと思っています。ゴミやホコリに気
を遣って塗装したり、必死こいて研ぎ出しなんて皆めんどくさいはずです。そんな事しなくても気軽に楽しめればそれが一番で、ある意味パチ組みキットこそ「プラモデルの理想形」なのかも知れません。
10年後の車プラモってどうなってんでしょう???
でわでわ。
2017年1月5日完成。
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