Zero
Fighter Type21 Fujimi 1/48
私:こんちわ〜す。KOZY商店でーす。センセーいますか〜?。ごめんなさいましーごめんなさいマシー!!
先輩:
あっ!このヌケヌケと・・・!よくも先日はたばかってくれましたね!
私:ああ、先日はお世話になりまし
た〜。おや?今日もお子様番組を観賞で。ウプププ!
先輩:これは忍者活劇です!間違えるんじゃあ
りません!今いい所なのに邪魔をして!
私:「世界忍者戦ジライヤ」ぢゃねえすか・・・。メタルヒーローシリーズの。懐かしいなぁ。ジ〜ライヤ、ジライヤッ♪
先輩:あ
〜、殴りたいですねぇ!とても君を殴りたい気分です!!・・・どうせまた、ろくでもない事で来たんでしょうが。
私:まあそう言わずに。今日はゼロ戦をやりに来ました。ゼロ戦! ヒョホウッ!! 子供の頃
は誰しも一度は作ったことがある、ゼロ戦のプラモですよぉ。しかもフジミのよんぱち。珍しいっしょ?
先輩:フジミの零戦と来ましたか。たしか20年ほど前のMA誌にレビューがあり
ましたね。しみったれな君の事です。おおかた低価格に釣られたのでしょう。気の毒な話です。僕も昔作りましたョ。スワローモデルのBigな1/32を。
私:うう〜、だって最近のプラモってやたらと高いんすよ(´・ω・`)。新作はともかく旧作まで超インフレだし。オレみたいにナウでヤングでビンボーなモ
デラーにとっては世知辛ぇ世知辛ぇ。この混迷は、革命前夜を彷彿とさせませんかぁ?
先
輩:何が「ナウでヤ
ング」です。そんな言い方からして昭和時代です。
私:それにフジミの48って、古すぎて商業誌でも出てこないだけに、今の時代に逆に新鮮ぢゃねえっすか。有るのは知っているけど実際には完成品を見たことない、伝
説上の存在・・・最後のフロンティアなのだぁ。
先輩:単に他人と同じ土俵で勝負したくないだけではない
ですか。・・・しかしまあ良いでしょう、やってごらんなさい。ただし、途中で投げ出したものを「製作中」などとうそぶいて世間様にアップロードしたら八ツ裂きですからね!
私:じょーだんキツいっすよ
〜(´・ω・
`)
注)この製作記にはフィクションが含まれています。
〜製作開始〜
私:今回のキットです。タミヤ21型より少し早い、1972年の金型だそうっすよ。新パッ
ケージⒸ2013だってのに定価¥1080。 チョーお買い得ぢゃねえっすか!フジミの公式ブログでも「コスパの良さで現在でも通用するキット」と紹介(2017年6月5日)されてました!
先
輩:2013年といえば零戦がブームになった年ですね。プラモ高騰の昨今、この価格は「フジミの良心」と言える存在です。しかしこのキットを「安かろう悪かろう」と見るのは誤りです。なぜならかつてはタミヤの
21型と同じ価格帯で勝負していたからです。むしろ原料高騰とブランド力を背景に値上げしたタミヤの方が僕には不可解ですねぇ。
私:パーツ構成
は・・・ずいぶんとシンプルですね。72
と同じ位かな・・・。これで¥2000とかだったらマジ泣くわ〜。
先
輩:レシプロ単発機はどれも似たようなパーツ割りです。基本はLS彗星からちょっとモールドが細かく
なった程度で大して進化していません。君の精神年齢と似たようなものです。
私:そういや子供の頃は隼も紫電改も疾
風も全部ゼロ戦だと思っていましたョ。素人に機種の区別なんてつきませんって。
先輩:良い指摘です。基本形やパーツ割りはほ
ぼ一緒ということは、3個も作れば工作のコツが大体見えてくるのです。飲み込みの悪い君でも安心でしょう?
私:おっ、デカー
ルはずいぶんと豪勢ぢゃねえっすか!しかも8パターン♪これは嬉しいぞお〜っ。軍用機とは思えないほど派手派手っすね〜♪ ふぅううう〜! 燃えてきたぜ・・・・うおォン!!!
先
輩:何が「うおォン」です。そういうセリフは焼肉屋さんで叫びなさい。唾がデカールについたらどうするのです。
私:ひょ〜!見てくださいよ。この胴体。ゼロ戦といえば沈頭鋲だって
のに、ゴツゴツの凸リベット・・・まるでヘリ。均しちまおうかなぁ・・・。
先
輩:なんてこと言うのです、このバチ当りがッ!当時の金型職人さんがタガネで一粒一粒刻印したリベットですよ?
先
輩:主翼上面をごらんなさい。どうです、この表現豊かなモールド。ツルツルのサラ地からここまで出来ますか?今の機械加工でここまでやると大変ですよ?空
気抵抗云々なんて屁理屈いうんならハセかタミヤにしなさいよ。
私:うを〜、モノ
グラムばりの武骨ディティールぢゃねえすか。昭和くせぇ匂いがプンプン漂ってくるモールドっすねぇ。
私:キャノピーは
一体式で開状態は出来ないッスね。第2、第3風防の段差がもうちょいほしかったかな・・・。
先
輩:良いではないですか。どうせ閉じて作るのでしょう?
私:よぉ〜し、作るぜぇ〜。ふんふんふんっ!! ゼロ戦ゼロ戦ゼロ戦
〜♪ Hot!Hot!! Hot!Hot!!
先輩:
黙って作りなさい!20年も前に藤井隆が出演したポケベルのCMなんて、いまどき誰も覚えていませんよ!
私:よ〜し、まず
は主要パーツの切り出しだぜぇ。よし、終わり。オッ!フッ!フォ〜〜ッ!!
先輩:わけのわからない気勢あげてる暇があるなら、仮組みし
てキットの調子をチェックしてみたらどうです?
私:これですね。
うーん・・・おっ?かなり「パチピタ」。こりゃたまげた・・・。70年代フジミ恐るべし・・・。
私:じゃ早速コク
ピットから塗っちゃうぜぇ?・・・ってうげげげげ・・・・クレオスC126「コクピット色」切らしていた(´・ω・`)あの色って、近所のおもちゃ屋には常時置いてないんだよなァ。こまったこまったこまどり姉妹・・・。
先輩:つ
くづく準備の悪い男ですね、君も。ほら、僕のを貸してあげます。使いなさい。
私:ひょー、あり
がとうございまーす!!(*´ω`) 助かった〜。
先輩:だいたいにして、C126が発売される以前は零戦のコクピットなどはみな青竹色の指定だったのですよ?今ならタミヤカラーXF71もありますが。最悪カーキグリーンなど近似色で塗ってしまいなさい。
私:セコいブロガーならこの行にア〇ゾンのアフェリエイト広告を載せる処ですね!!
私:コクピット組み終わりました〜(´・ω・`)
先輩:シートベルト
は?シートの肉抜き穴はどうしたのです?
私:そーいうの気
にしないんで、端折りました。けど、このフジミゼロ戦のシートのカタチ、ハセやタミヤのと全然似てませんね。「フジミ暗黒時代」って、カーモデルだけじゃなく空モデルにもあったんスね!
先輩:いや、デタラメというわけでもなさそうですよ?実機の仮取扱説明書に載っているシートの図がこれとそっくりです。
私:よぉ〜し、コクピット挟んで、胴体左右と主翼上下をそれぞれ貼り合わせるかァ。
先輩:接着剤で汚すと
モールド損失は必至です。流し込み接着剤
を使いながら少しずつ、慎重にですよ。あ、それと段差はツライチに。ここはヤマ場です。注意なさい。あと着艦フックを忘れないように、ですよ。
私:
接着剤が乾いたぜ〜。継ぎ目を均すか〜。あれ?ヘッドレスト後端の「輪っか」のパーツが無ぇ・・・。ミスかな?
先輩:「ク式無線帰投方位測定器用枠型空中線」のことですね?付けない機体もあったようで、ミスではありませんよ。
私: な・・・長げぇ名前(゚д゚lll)・・・。
先輩:継ぎ目処理は凸モールドのダメージを最小限にするよ
う、周辺はマスキングテープで保護すると良いでしょう。
私:ふ〜、継ぎ目処理が終わったぜ〜。さーて、胴体Assyと主翼
Assyを合体だぜ。いでよ!超人合体ロボ!!
先輩:お待ちなさい。接着する前にいまいちど合
いを確認するのです。せっかちですねぇ。
私:うげげげげ・・・・、主翼付
け根と胴体にスキマがある・・・。この辺はやっぱり古くせーキットだぁ・・・。
先輩:なに、大したことはありません。大戦機
では良く有ることです。軽微なスキマならエポキシ接着剤か溶きパテを
パパッと擦り込めばOKですよ。セメダインハイスーパー5を使うといいですよ。
私:ところで胴体側のフィレットなんかと高さ方向で段差が出たらどうしま
しょ?
先輩:厚み方向の段差が出た場合は、適当な端材で主翼上下の間にシム(赤
矢印)をかませて胴体と高さを合わせるのです。このキットの場合は無用ですが、タミヤの1/48零戦32型などでは有効です。
私:んじゃ、胴体下面(腹)の部分で主翼下面と段差が出たらどうですんです?
先輩:同様にランナーでつかえ棒(青矢印)をかませて胴体下面と主翼下面
をツライチにするのです。ペーパー掛けなど面倒でしょ?ただし胴体が割れないよう、プラ板で当てもの補強するのですよ。
私:ひょ〜。あっちゅう間に組み立てが終わってしまいましたョ。横着テクのお陰でソッコー形になりました!
先輩:横着テクとかいうんじゃありません!だいたい、「シム入れ」など昔の少年向けプラモ読本にも出て
いたような、基本かつ古典的な技ではないですか。少しくらいの段差やスキマでパテ盛り成型なんてするものではありませんよ。
先輩:ところでキャノピーのマスキングはどう
したのです?塗装前に済ませましたか?
私:・・・パトラッシュ・・・疲れたろう?・・・僕も疲れたんだ。な
んだかとっても眠いんだ・・・(˘ω˘)。。。
先輩:寝
るんぢゃありませ〜ん(# ゚Д゚)!!
私:いよいよ塗装だぜ〜。ここはC35明灰白色を吹くか〜。
先輩:ところで君、零戦の「飴色」説は知って
いますか?
私:あの「J3ノ稍飴色ガカリタルモノナルモ光沢ヲ
〜」ってやつですね。イメージ的にしっくり
こないけど・・・。
先
輩:あれはですね、その元になった「飴」というのは、実はノド薬の「浅田飴」だったというのは知っていますか?
私:ええっ?そうだったんですか?
先
輩:僕のつくり話です。しかし一瞬、だまされましたね? クククク
ク・・・。
私:・・・考証研究家とかマニアの方から怒
られますよ?
私:細部塗装が終わったぜ〜。これは楽ちんだぜ〜。
先輩:スミ入れくらいしなさいよ。
私:めんどくさいし、トーンが落ちるからパスします。
先輩:横着ですねぇ。
私:デカールはここはイッパツ景気良く、「AI-101」にするかぁ!ひょ〜、かっちょええなぁ。
先輩:デカールの考証が少し怪しいですが・・・まあ良いでしょう。表面がデコボコしてるから蒸しタオルで慣らすのですよ。
私:よ〜し、なんとか半ツヤクリアーで全体を整えたぜぇ。
先輩:ふむ。なかなか順調のようですね。
私:小物類も仕上げが終わった!いよいよ最終変形合体!チャララッチャラ〜♪。
先輩:とりあえず落ち着きなさいよ、君はいつも最終局面でドジをこくのだから。笑いますよ?
私:小物類を取り付けて・・・と、出来た〜。
〜完成〜
私:ふぅ〜、久々のゼロ戦だぜ〜。
先輩:
(シャカシャカシャカ・・・)できたようですね。ご苦労様です。まあ一服して落ち付きなさい。
私:頂きま〜す
(ゴクゴク)。・・・ブッ!!まず〜い!これ青汁ぢゃねえすか・・・もう一杯(´・ω・`)!
先輩:自家製ブレンドです。どれ、見せない・・・ほう、こんなんでしたか。しかしドストレートとは面白みに欠けます。
私:いいんですよ。ゴテゴテに手を入れると素の状態が判んないでしょ?
先輩:竹ヤリマフラーと三段シートくらい入れたらどうなんです。
私:・・・それ族車ぢゃねえすか(# ゚Д゚)。
私:ところで巷のキット評だとプロペラ・ブレードの形状とカウルの開口部がイマイチって話ですけどねぇ。どう思います?
先輩:まあ、気にする人は気にするでしょうね。けど僕はプロペラが4枚有るとか、扇風機のような羽根でなければ特に気にしませんョ。T-6テキサン改造機に見えなければ少しくらい怪しくても許容範囲です。
私:なるほど、こういう少し怪しげなキットも逆に面白いッスね!
先輩:たまに青臭い野菜が食べたくなるのと一緒で、精密で良いキットが出揃った現在だからこそ、
そう言えるのかもしれませんねぇ。たとえば君が子供の頃、零戦のキットってどのような物がメジャーでしたか?
私:うーん、48ならタミヤかアリイ、72ならハセ(旧)とLS位だったかな・・・あとたまにニチモとか・・・。
先輩:そうでしょう。意外かもしれませんが零
戦はプラモ創成期に星の数ほどの多くキット化されたものの、それ以降は停滞していた時期があったのです。リバイバルされだしたのが90年代中期以降、それほど大昔の話ではあり
ません。
私:プラモ界の鉄板王者であるゼロ戦にも、「日陰の身」だった時代があったなんて意外ですよね。
先
輩:単純に、ブームの上下があったというだけです。このような古キットを「味わい」と言って楽しめるのも贅沢な話なのですよ。少し前なら考証的に怪しげなキットを褒めようものなら一部の自称ベテランだの自称正統派
などから「実機への愛が足りない」「エセ零戦マニア」「非国民」などと、蔑まれた受難の時代があったのです。
私:作った本人が楽しけりゃどうでも良いのにね。
先輩:では最後に君をねぎらい、僕がこの零戦を引き立てる特製ウェポンを作ってあげましょう。
私:・・・どうせヘンなものでしょ?A-1スカイレーダーの便器爆弾とか。
先輩:なんで判ったのですか!君は超能力者ですか?
私:とりあえず遠慮します。お邪魔しました〜。
先輩:こら待ちなさい!ウェポンを吊るすのです。待ちなさい!こら〜(# ゚Д゚)!!!
注)この製作記にはフィクションが含まれています。
2017年6月29日完成。
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