F-16A
Fighting Falcon Hasegawa 1/48
ハセガワ 1/48 F-16A PLUS (初版発売1983年)
ハセガワの1/48
F-16Aプラスです。最
近、身の回りで不可解な事象や大雨など天変地異が続きまして、馴染みの風水師に相談したところ鬼門の方角に放置されていた作りかけの本キットから「負の
マイクロ波」が発生しているとのこと。自分が過去にしでかした過ちを悔い改めると共にただちに製作を再開し成仏させることに・・・というのはウソです。
冗談はさておき、次々と新しいキットに手をつけては製作放棄する、という行為を
繰り返していると周りの顰蹙や憐憫を買うだけで本人にとってもロクなことが無い、というのはどうやら本当のようです。程度にもよりまするが再生可能
であるならば完成させちまうのが良。モデラーは陶芸家ではないのだから変なこだ
わりは捨てて、一つでも多くのキットを上げたいものです。
さてキットについては説明不用、「飛行
機のハセガワ」が1983に発売した超傑作キットです。「F-16のプラモ」を語る上で無視できない存在でしょう。さすがに決定
版の座はタミヤに譲りましたが、総合評価ではまだ高いレベルを維持していて、シリーズ累計で”ハセガワで一番売れたキット”と言われるほどです。ウソだと思ったら試しに一つ作ってみたら良いでしょう。売れた訳が良く判ります。
キット個体は金型修正前の80年代中期のお品。このキット、ずーっと前に地元の模型店で大量に売れ残っていて、何個か買いこ
んだ記憶があります。で、その内の一個を模型誌を参考にディテールアップを試みて断念し、長いこと「部品取り用」としてそのまま放置してきま
した。私も昔は、下手気に手を入れて反って収拾つかなくなる、なんて事をよくやらかしたもんです。
今回改めて見たら、機首の細かいアンテナ類に一部欠損が確認されたものの、おお
むね作る分には支障はなかろうという事で17年ぶりに再開させ、成仏
と相成りました。んで、この際だからちょうど手元にあったマイクロスケールデカール(現・スーパースケールデカール)48-297を使ってみました。いつ
もキット付属のデカールだから別売りデカールなんてワクワクしますョ。
製作前のちょい余談
超傑作と名高いハセの48ファルコンですが、実機進化に合わせて2度ほど金型改修されたことが手持ちのストックにより確認されています。バルカン砲口の
モールドが見分けるポイントです。近年ヤフオク等中古市場の発達によりこうした当時モノにお目にかかる機会も増えてきました。
A型仕様(1983)
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C型仕様(1987)
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A型/C型コンパチ仕様
(1988)
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結局は、シリーズV4のF-
16Cブロック30発売時にA型/C型のコンパチ仕様に落ち着いて、これが以降のキットのベースになったようです。現行品番Pt32のF-16CJ等もV4のキットに追加パーツで対応したものです。昔のハセガワさんはこうし
た地道な努力をしていたんですよねぇ・・・。
〜製作開始〜
今
回製作するキット(個体)です。86年頃のお品です。ガンスモーク’85のサービスデカール付き。80年代は定番商品にオマケのデカールを付けたスポット
生産品が流通していました。これでお値段据え置きの当時定価¥1000だからかなりお買い得商品で、95年頃に地元の模型店で沢山売れ残っていたのを何個
か買い込みました。これはそのうちの一つになります。
パー
ツ構成です。概ねほぼそろっています。当時、機首回りのディテールアップを試みたようで、ブレードアンテナを削り落としている他、RHAWアンテナのパー
ツ(D48、D49)が紛失欠損しています。これらの欠損部分については別のキット個体よりシリコン型を取って複製し、補修します。
キット付属のデカールです。8TFWの飛行隊2種とオランダ空軍の3種類に加え、8TFWガンスモーク’85のサービスデカールの計4種類。サービスデ
カールの機体は派手で本当に「作りたい!」と思ってしまいます。販売促進のちょっとしたオマケだけれども、当時はある意
味良心的でした。付属デカールは別途使い道を考えてあるので今回は使わずストックします。
今回使用する別売りデカールです。かつて一世風靡したマイクロスケール(現・スーパースケール)より48
-297。このシートでは”NA”79-0365号機(ブロック10)”HR”
81-0759号機(ブロック15)、”HL”81-0739(ブロック15)がセレクトされています。有名な模型店では、クリアファイルに入っていていますね。ネットなど無い時代はペラペラ捲ってお目当ての
マークを探すのが楽しかったですねぇ。
デカール付属の貼り付け指示図です。結構大雑把でというか、す
げーいい加減なので、キットのインストを参考にすることにします。コーション
データは3機分ありますが、ウォークウエィラインは入っていないので塗装で仕上げます。マイクロスケールは考証にミスが良くあるのと絵柄のプリントの質が
あまり良くないですが、ここは気にせず使うことにします。
ウォークウエィ・ラインの塗装色は模型誌のライター氏によって諸説まちまちで、調べるほどに困惑します。今回はマイクロデカールの国籍マークに近い色の
FS36270(クレオスC306)で塗装することにしました。
コ
クピットです。以前製作したF-16Cと同様に塗装組み立てすればOK。良く出来たコクピットで本キットの楽しい箇所の一つですので、多少時間は掛
けて仕上げたいところです。ただ、ACESUはやや腰高でそのままではキャノピーにぶつかる様?なので底を1o位カットしました。一応、仮組で確認した方
が良いです。
フロアと主脚庫前後の隔壁を取り付けてから胴体上下を接着します。ここの合いは素晴らしいです。胴体上下パーツはバリ除去など”下ごしらえ”をしっかりし
ておくと後で主翼取り付けた際の隙間を最小限にできます。
レドームと主翼を取り付けます。主翼の上面はピシャっと行くけど下面は少し隙間が出来ますので軽く溶きパテを擦り込んでおきます。この後、各パーツを擦り
合わせます。合いが良いからすぐ終わります。主翼にウェルドラインがあるのでこれも軽く均すと良いです。
ス
モーク整形のキャノピーにはスライド金型のパーティングラインがあります。余計な部分はマスキングして細目のスポンジヤスリで均せばすぐ消えます。この
後、綿棒にコンパウンドを少量取って磨けばOK。クリアパーツはデリケートだからナイフでカンナ掛けなどしない方が良いです。
エアインテークASSYです。模型誌などでは内部の継ぎ目処理を「地獄の苦しみ」とか書いてありますが、コクピットや脚庫と一緒で自己満足の世界なので、
気になる人だけ処理すれば良いと思います。というわけでパス。
欠損した機首回りの小物類は、シリコンとポリパテで複製し、取り付けます。これで復元はOK。世の中には欠品だらけのキットでもパーツを自作するなどして
無理くり完成させてくる人もいるから、この程度は大したことないでしょう・・・。
あとはいつも通りの迷彩塗装で
す。ただし今回はウォークウエィを塗装仕上げなのでそこだけ先にC306を塗ってから細切りのマスピングテープを貼り込み、C305を塗りました。
塗装後、スミ入れを施しました。別にしなくても良いのだけど、ちょいと汚してみました。スミ入れやウェザリングは好みの問題で、してもしなくても良いもの
だと思います。
デカールは派手な”HR”
81-0759をチョイス。このデカールのプリントは、垂直尾翼上端の文字フォントにミスがあります。気にしない。むしろ脱力したのは、よぉ〜っく見
るとコーションデータ類にも抜けやらミスプリが多いです。
最後にいつも通り半ツヤのクリアーを吹き付けて小物類を取り付ければ完成となります。
アクセサリー類は今回はパス。パイロンとサイドワインダーだけ取り付けました。
〜完成〜
完成したハセガワの1/48F-16プラス。着工から17年近く、お手付きジャンク品として打ち捨てられる運命から一転、本懐を遂げた姿を見てやって
ください。正直仕上がり具合に不満な点も多々あります。それでもこうして完成し
てしまえばナカナカの雰囲気になってしまうあたり、さすが傑作キットと称されることだけはあります。
初めて試したマイクロデカールは、抜けが多いのにはやられまし
た。昔
から考証面ではあまり評判良くなかったようですが。。。やはり基本はキット付属のデカールを使い、補助用として使うってのが良いかもしれません。結局、
一部端折ってしまった・・・。しかし貼り心地としては良い感じ。フィルムも薄くて、いつもの国産デカールとは一味違うようです。
今回の製作でしばらく続いたファルコンの製作はいったんお休み
です。ある程度ノウハウは蓄積したし。将来的には今回キットに付属した”WP”のマークも含めハセ48だけでもブロック15〜ブロック50あたりまで総ナ
メに
したいのだけど、別の未成仏キットが出てきてしまったもので・・・これはちょっと手強そうです。
これをもって本キットの製作を完了です。合掌。
2015年9月19日完成
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