A-10A
ThunderboltU Hasegawa 1/72
ハ
セガワの1/72A-10Aです。実機は東西冷戦時、戦車の数の上においてワルシャワ条約機構軍より劣勢だったNATO軍の切り札として登場したタ
ンク・キラーです。初飛行は1972年。特異な運用思想が上層部に理解されず80年代はリザーブに回されたものの、湾岸戦争で再評価されたことは有名な話
です。結果的に、2028年まで運用予定だとか。軍用機としては大変に成功した機体と言えましょう。日本でもたまに基地
祭に顔を見せに来ますね。横田基地友好祭で実機を見た時はスゲーッて感動しましたョ。
ユニークで個性的な機体はプラモ界でも人気で、日本では昔からハセガワの1/72とタミヤの1/48が有名。舶来物ではモノグラムの1/48、イタレリの
1/72&1/48がありま
す。イタレリ製は比較的新しいとあって1/72の決定版といわれていますね。タミヤ向けOEMのウォーバードシリーズで入手し易いのが嬉しいです。
ハセガワ1/72は恐らく70年代後半?に金型が起こされたキットです。当時のハセガワ・スタンダードらしく繊細な凸モールドが施されています。この凸
モールドは接合面処理の際に消えてしまうのだけれども、ハセガワの場合、繊細なので消えてもあまり気にならないんですよね。こだわる人は彫り直したらよい
かと思います。
〜製作開始〜
今
回製作するキット(個体)です。実はこれ、私がガキの頃に地元の模型店で購入したもの。買ってからゆうに20年以上は経ってます。当時、スジボリにチャレ
ンジし
て失敗し、半ばジャンク品として押し入れにしまったままでした。今回改めて見ると、失敗箇所は翼下面のごく一部なので、サラ地にした上でキットを完成させ
ることにしま
した。どうせパイロンだらけで目立たんしね。
パーツは1/72にしては結構多め。複雑な機体形状ならびに豊富な爆弾類のせいでしょうか。まあ、オーソドックスなパーツ割だと思います。
デ
カールはアラスカの18TFWと予備役の47TFSの2種。湾岸戦争前なので、リザーブ部隊のマークも入っているあたり当時をしのばせます。今回のデカー
ルもずいぶんと・・・黄ばんでいま
す。ただし塗装自体がヨーロピアン・ワン迷彩なので、この程度の黄変はまず問題無いでしょう。貼れればOKです。
ちなみに初期版の箱絵はこれ。1/72キングサイズシリーズで定価¥1000。当時としてはちと高価な部類に入るキットでした。これに増槽やバゲージポッ
ドなどを追加したものが現行版です。
さて、まずはコクピットです。この機体もACESU射出座席です。エアクラフトグレーとカーキグリーンで塗り分け、酸素ボンベをデイトナグリーンで塗れば
OKです。
コクピットを挟みこんで胴体左右を組みます。ここの合いはとても良いです。機首にオモリを忘れないように。釣り具箱よりガン玉オモリをトレードしてきまし
た。接合面を軽くペーパー掛けしておきます。
主翼上下です。ここの合いはイマイチ。寸法的にはOKなのですが、何だか反っているみたいで主脚庫部分(矢印箇所)がピッタリ合いません。ここは強引に瞬
間接着剤で位置決めをし、流し込み接着剤で本接着です。接着したら接合面を軽くペーパー掛け。
胴体と主翼、尾翼を接着。スキマが少しだけでますが、溶きパテを流し込んで綿棒でふき取ればOK。目立たなくなります。エンジンポッド部は接着してしまう
と塗装がめんどくさくなるので、仮固定。
機体の塗装は、ヨーロピアン・ワンとよばれるグリーン系の迷彩で、クレオスから「チャコールリザード迷彩色」の名で出ています。最近のA-10は制空グ
レーが多いですね。迷彩パターンの型紙は説明書を1/72大にコピーしたものをそのまま使用。本機のように複雑な迷彩パターンの場合、トレーシングペー
パーに転写するよりもこの方法の方がより塗装図に忠実に彩色できます。
始めに、クレオスの303番グリーンを大雑把に吹きます。吹き残しの無いよう、出来るだけ全面に塗った方が良いかも知れません。
型紙を貼り付けてして302番のグリーンを吹きます。迷彩パターンが複雑なのでマスキングは結構時間かかります。ラジオでも聴きながらのんびり貼り付ける
と良いと思います。両面テープは低粘着のものが良いでしょう。
同じ要領で301番グレーをマスキングして吹き付けます。この色は使用面積が小さいので比較的楽ちんです。
型紙をはがします。この後、マスキングにミスした個所を部分的に修正したり、その他細かい部分を塗装して完了です。案外いい感じに仕上がったようです。
その他の小物類を塗装します。脚扉やパイロンは迷彩パターンに合わせて塗装。結構めんどくさいです・・・。
デカールは塗装例1の18TFW「ブルーフォックス」にしました。デカール乾燥後、半ツヤのクリアーを吹いてから小物類を取り付けて完成。今回小物類は瞬
間接着剤で取り付けました。
〜完成〜
完成したA-10A。ジャンク品として放置され20数年、ようやく本懐を遂げた雄姿をご覧ください。
今回組んでみた感想としては、主翼の合いが悪い以外は特に問題無く、普通に作り易いキットだったと思います。それと、機体中央部にドロップタンクは
Mk82爆弾と干渉してしまい取り付けられなかったので、もしタンクを付けたい場合には内側のMk82を付けない方がよろしいかと思います。
めんどうだった点は、機体の迷彩で、説明書の拡大図を型紙にしたにも関わらず、上下面図と横面図の整合性が合わなかったこと。2次元図面と3次元立体物の
ギャップではなく、塗装図自体が変みたいですね。でもカッコいいからまあいいかぁ。
ヨーロピアン・ワン迷彩は1980年代の米空軍機に多く見られた塗装で、最近のクールな制空迷彩とはまた違った迫力があって私は好きですね。めんどくさい
けど(^^;)
今回の反省点。
@主翼脇のピトー管・・・どこかに紛失したので、伸ばしランナーで自作。
なにはともあれ完成して良かった良かった。
2012年9月11日完成。
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