F-15D
Eagle Hasegawa
1/72(Old Ver.)
これが、作れます。
ハセガワの1/72F-15Dです。複座型です。これも旧版(凸モー
ルド版)です。ビギナーさんや細かい事にこだわらない人、気軽にジェット戦闘機プラモを
楽しみたい人には最適のキットです。神経質な人、心の狭い人、スケール至上主義、自称プラモ名人、自称ベテラン、自称マニア、実機が好き過ぎて少し偏った考えの人、に
はあまり用は無いかもしれません。
ハセの旧版イーグルはこのHPで取り上げるのはこれで4機目です。いや、HP開設以前も何機も完成させたことがあって、恐らく私のプラモ歴では一番多いと
思います。このキット、今の目で見て決して出来が良いという訳ではないのですが、昔から慣れ親しんでいるもんで、たまにお茶漬け風にサラサラッと作りたく
なるんですね。今風に言うとソウルフードならぬ「ソウルプラモ」ですな。
やらなかった工作は以下の通り。
@スジ彫りの彫り直し
A主翼、垂直尾翼の継ぎ目消し
B水平尾翼の平坦化、ノズルなど各部の外形、ディティール修正
Cスミ入れ、シャド
ウなど、巷で流行りの汚し塗装
Dアフターパーツ投入
要するに「どストレート」です。いや私のようなライトユーザー
にはこれで十分なんです。模型誌などのハウツー本やネットで、「ジェット戦闘機
プラモを作りたいけど初心者にはどれがおススメですか?」という質問を良く見かけます。
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「カスタム虎の穴」より
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当KOZY商店では、このハセ旧版F-15イーグルをダントツで推します。というか、この旧版イーグル
すら途中で放り出して「完成できません」では、新版やプラッツどころか他のキットなどまず手に負えないと思います。
こ
のキット、大元の金型が起こされたのは1975年頃だそうなので、細かい事を言いだしたらキリがありません。ここは開き直って凸モールドもそのまま作って
しまうのが精神衛生上良いですね。それでも完成すると立派なイーグルになるんだから、やっぱり基本設計は良いキットなんだと思うんです。
実際のところ、かつて凹モールドの新版でも複座のイー
グルは定番の旧版と併売されていたのですが、なぜか新版の方は定番落ちしています。新旧交代どころか、新版が補欠入りってどうなのよ・・・。やはり旧版の
方が良いというコアな支持者が居たからに違いありません。
さて、そんな当KOZY商店イチオシのハセ旧版イーグ
ル、今回は複座型で楽しみますかね。
〜製作開始〜
今回製作するキット(個体)で
す。品番D5、定価¥1000時代のお品です。ボーイングの版権ロゴが有りませんねぇ。昔はマグダネル・ダグラスだったんですけどね。現在2017年では
定価¥1200です。小池絵師の描く箱絵も旧箱(F-15B/D)時代のものとほぼ一緒だ
から、かれこれもう35年以上でしょうか。考えてみると、模型ファンは間接的にアメリカ製品をたくさん買って貿易摩擦の解消に貢献しているよね。
パーツ構成は基本、単座型と同じです。違いは複座型用の胴体上面パー
ツとキャノピー。しかし見てくださいよ〜このパーツ割り。イーグルは戦闘機とし
ては大型の部類なのにこのシンプルさ。昨今のキットは、再現度を追うあまりパーツを増やして、ランナー枠(ひいては箱のサイズ)がデカくなってる。どっち
が良いんでしょうねぇ。
デカールは18th
TFWと空自204飛行隊の2種。ステンシル類はほとんど英語のみ。従って厳密には米軍機のしか入っていないんだけど、注意書きの文字なんてルーペで見な
けりゃ判らんから空自機で
も大して問題なさそうです。
はじめに機体パーツをバツバツ
と切り出します。ここは紛失するほど細かくはないからのっけから切り出してOKです。ただし水平尾翼は左右混同しやすいので、どっちか判りやすいように
テープで目印を付けておきます。
翼下パイロン用の穴をドリルで開口します。ここは忘れやすい箇所なのではじめの段階でやってしまいます。もう一つの注意点、機首オモリは入れなくてもシリ
モチつかないから無視してOKです。
このキットは基本的には合いは良い方です。しかし金型の疲れからエッ
ジのバリが多い
のでそのままですと隙間ガタガタになります。そこで主翼と胴体の取り付け部などは面取りしながら合いを確認します。
具体的には、黒マジックで塗っ
た部分(※)を軽くナイフでカンナ掛けして「逃げ」をつくります。主翼側も同様に。
これで主翼と胴体はピシャっと合います。
各パーツの下ごしらえが終わったら仮組みで各部の合いを確認しておき
ます。
水平尾翼にはウェルドラインがあるので、綿棒で軽くコンパウンド掛け
して均しておきました。ま、この程度は塗装で隠れるから無理にやらんでも良いのですが。
次にコクピットです。フロアを
C73エアクラフトグレーで塗って、前面パネルとサイドパネルにデカールをペタッと貼ります。
フロアを挟んで胴体上下を貼り合わせます。接着剤が乾いたら機首や胴体後部の継ぎ目をスポンジヤスリで均しておきます。
エアインテークと主翼を貼り合わせます。ここも継ぎ目をザっと処理しておきます。まあ適当に。
胴体Assyと主翼Assyを
確度に注意して接着します。そのままだと継ぎ目がモロに目立つので溶きパテでも擦り込んでおきます。
機体塗装します。はじめに大雑把にC307とC308のいわゆるTACゴーストグレースキムで塗装してからエアインテークを接着します(隙間はエポキシ接
着
剤で目止めしてからタッチアップ)。その後、ノズル部やら脚庫やら翼端灯などマスキングを繰り返して塗っていきます。この辺の手間は凹版でも凸版でもあま
り変わらないと思います。
デカールを貼ります。これも初期塗装なのでステンシル類が多くて大変
です。貼り終えたら半日ほど乾かし、半艶のクリアーを吹いて全体のツヤを整えます。今回は思いっきりシルバリングして、クリアー吹きでも消えませんでし
た。それとステンシルが一部すっ飛んでしまいました(涙)。
小物類も機体塗装と並行してチ
マチマと塗っておきます。このキットは小物類が少ないので助かりますね。脚庫の扉は、牛乳パックの厚紙に両面テープ(低粘着)で固定してから纏めて塗りま
す。これらの一部も機体と同様に半艶クリアーで最後整えます。
最後に小物類を機体に接着してホイ、完成っ。
〜完成〜
完成した旧版のF-15D。どうでしょう?どこかおかしいでしょうか?間近で見れば素人工作ですが、10mも離れて見ればプラモ名人の作と区別が気付きせん。どこから見ても複座の
イーグル。
MIG-29やSu-27には見えません。ヒトの視覚なんてそんなもんです。だからこのキットはこれで十分に合格点、作ってスカっとしました。
単座型のスマートなスタイルも良いですが、複座型の「少し肥えた」感も親分肌、ボスキャラ的でなかなか貫禄あるぢゃねえすか。複座型など若い頃は全然カッ
コ良いとは思いませんでしたが、最近はレガホのDとか複座型のキットもボチボチ買い足しているんですよねぇ。
「プラモデルは作るのが楽しいのだ」と大抵のモデラー
は答えます。否定はしません。しかし本当
にそうでしょうか?ではなぜガンプラが絶好調なのにスケールモデルは低迷しているのでしょうか? ”そのうち”作りたいけど今はめんどくさいが本音のキッ
トが大半ではないでしょうか?数ある趣味の中から選んだプラモなのに、じつに不可思議な話と思うんです。
質問を変えましょう。今すぐ作りたいキットは何でしょう?”何時か作りたい”ではありません。今すぐです。このキットにはその「今すぐ作りたい」成分があ
るような気がします。商業模型誌のような凝った工作など無視してサラッと作って
一週間ほどで出来てしまう。こういう「気軽に向き合えるキット」って最近はあまり見ません。
色については・・・沖縄ZZっていったら、90年の湾岸戦争直前の頃からMODイーグルスキムだから、そろそろあの色もクレオスさんに出して欲しいっス。
今回の反省点は以下の通り
@デカールのシルバリング・・・いつもならクリアー吹きすると溶剤が
沁みて消えてくれるのですが・・・なぜか今回はダメでした(涙)。
Aステンシル一部欠損・・・クリアー吹きしてたらエアブラシの圧で一枚スッ飛んでしまいました。これもシルバリングによるもの。
おまけコーナー それにつけても「おやっ?」なインスト
@水平尾翼・・・これのパーツNo.は26Aと26Bが
ありますが、インストでは単に26とのみ記載。はっきりしてくれ〜。
Aコックピット内部・・・水性ホビーカラー「H63青竹色」。あれ・・・?ここはエアクラフトグレーじゃないの?
B空中給油口・・・水性ホビーカラー「H57エアクラフトグレー」。あ
れ・・・?ここは逆に青竹色じゃないの?
AとBは私のリサーチ不足かもしれないんですが・・・もしかしてハセガワさん、Mrカラーと水性ホビーカラーの番号を混同しちゃった???ちなみにエアク
ラフトグレーは水性ホ
ビーカラーH57、Mr.カラーC73。青竹色は水性ホビーカラーH63、Mr.カラーC57。うーん、こりゃ混乱するかも・・・。今回の製作
では「ハセガワさん混乱説」で作りました。
なにはともあれ祝着至極です。うん、また作ろう。
2017年2月18日完成。
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