F-15E Strike Eagle Hasegawa (凸) 1/72
ハセガワの1/72
F-15Eです。これも湾岸戦争で有名な機体。これはそのストライクイーグルの試作型。F-15Bの原型2号機(シリアル71-0291)を改造してF-15Eの原型としたものです。実機の71-0291号機は、こんな風に改造される前はサンダーバーズみたいな塗装を施してF-15売り込みの
デモ機を務めていて、1976年の入間基地での航空宇宙ショーの際に来日してい
るから、71-0291号機を実際に目にした人も多いと思います。
この71
-0291号機は、正確には試作F-15Bを改造したE型デモ機なので正しい意味でのF-15Eではないです。けど1980年ファーンボロ航空ショーでデ
ビューしたこの機体は見る物に相当なインパクトを与え、今でもストライクイーグルといえばガンシップグレイではなく、このグリーン迷彩の機体を思い浮かべ
る人
が多いのではないでしょうか。通常の制空迷彩とはまた違った凄みがあります。
プラモの世界でもこの機体は人気があって、ハセガワの1/72(凸)と1/48、旧モノグラムとエッシーの1/72、旧レベル1/32、それとメーカー忘
れたけど何処ぞの1/100があった。ハセガワの72と48は今でも現行商品だから結構人気あると思います。近年はF-15Eが何故かブームらしく、スケール間違いやらかしたフジミを皮切りにタミヤWBとハセガワ
のリニューアル版(凹)がリリースされました。
私個人的にはあまり試作機や試験機の類は好きではないのですが、これだけは別腹。グリーン迷彩のイーグル、いやーかっこ良いねすね。だから量産型がガンシップグレーだった時も??な感じでした。実は15年ほど前に一度製作したことあって、私のお気に入りのキットの一つです。
なお、模型誌だとレプリカ誌85年10月号で作例の紹
介があります。
一応、うるさ型資料派モデラーのために補足しておくと、実機71-0291はF-15Bの
試作機ベースだから、修正するとしたら
@エアブレーキは小型化。
A垂直尾翼上端は双方とも太いタイプに加工。
といったところ。この2点の修正、一見簡単に見えて実は結構面倒です。もっとも古いキットはアラ探しをしだすときりがないし、今回の主旨は「ハセガワのストライクイーグル」のご紹介だからそれがどうした、判っちゃいるけど気にしない。とトボケることにします。この辺の修正は自己満足の世界だから各自ご自由に。
ではひとつまいりましょうか。
〜製作開始〜
今
でもストライクイーグルといえばコレ!という人も多いはずの、小池絵師の箱絵。腹いっぱいクラスター爆弾を抱え込んだ本機のパンチ力が十二分に伝わってき
ます。確か実機写真に似たようなのがあったからそれを元に描かれたのかもしれな
いです。この箱絵は数ある中でも傑作の部類に入ると思います。なお本
キットはキングサイズシリーズに位置し、通常のイーグルより高級品でした。
パーツ構成です。制空型F-15D/DJ(凸)のキッ
トに、最近では何かと評判悪いクラスター爆弾を22発ならびにパイロン。それとコンフォーマルタンク(CFT)を追加してお手軽にE型を再現してます。ラ
ンターンポッドやCFTのパイロンは無いけど、それは量産型の話。
デカールです。71-0291号機のみの指定で、箱絵のグリーン系(ヨーロピアン・ワン迷彩)と制空迷彩の2種。塗る分には制空迷彩の方が圧倒的に作業し
やすいけど、イメージ的にそぐわないのでこれは無し。ここは面倒でもヨーロピアン・
ワンしかないでしょう!ご丁寧にクラスター爆弾の帯も入っています。
イ
ンストです。ハセガワ社は大多数の商品を80年代中後期以降に現在のイラスト中心のシンプルなインストにリニューアルしたに変更したのに対し、この商品は
80年代初頭のインスト体裁から変更なく、保護者への注意書きや補助書きなどがあります。この体裁のまま30年近く続くんだから息の長いインストです。
ペイントガイドです。製作意欲を実に掻き立ててくれますねぇ。1/72でこれが入っているのはキングサイズシリーズならでは。これ一枚入ると妙に高級感あるから不思議で、非常にうれしい特典。製作後も捨てるのがもったいないです。最近のハセガワキットには入っていないのが残
念なところ。
コクピットです。複座型ってだけで以前製作した旧版F-15Cとそんなに変わりません。旧版キットのシートはエスカパックIC-7になっています。間
違って他所からACESUを引っ張ってこないように。
コクピットを挟んで胴体上下を貼り合わせました。機首部分の段差に注意して接着。右と左で別々に接着すると良いです。それぞれをツライチに調整した上でス
キマにデザインナイフを使って瞬間接着剤をスーッと流し込んでやります。
翼
を取りつけました。バリの処理をキチンと行えば、胴体と翼との接合面は上面はピシャッと合います。凸モールドをなるべく潰したくないので今回も主翼の継ぎ
目は処理
しません。もちろん実機には無いラインですが彫り直しするのも面倒だし、個人的には気になりません。あと、主翼上下を貼り合わせる前にパイロンの取りつけ
穴を開口しておきます。
エアインテークを組みます。グリーン系迷彩の場合はバルカン砲口は無
いです。インストでもそのように指示が有ります。ここはポリパテで埋めます。
エアインテークの内側や機体とのスキマ等、奥まった部分は組立後に塗装しづらいので、そういう箇所は先に部分塗装しておきます。こういう場所って毎度組立
て手順に悩まされます。
エアインテークを機体に接着します。接着後はスキマが
目立つので、エポキシ接着剤を流し込みます。はみ出したエポキシは拭き取ってしまいます。
胴体側面にコンフォーマルタンクを付けました。実機でも脱着式だから
接合面を消す必要はないです。だからと言って塗装後の後付けではスキマがみっともないので、接着
後にエポキシ接着剤を擦り込んでおきます。ここはあまり合いが良くないので擦り合わせを十分にした方が良いです。今回は強引に接着してしまいましたが(反省)。
組み立てはこれで大体完了です。各パーツの継ぎ目をスポンジヤスリ等で均しておきます。
圧巻のウェポンとパイロン、ラック類です。ここは全てC302グリーンなのでランナーに付いたまま塗装です。
機体の塗装です。めんどくさいヨーロピアン・ワン迷彩。フリーハンドに自信がないので今回も型紙を使いま
す。以前製作したA-10Aと同じ方法です。始めにクレオスのC303グリーンを全体的に吹きつけます。
インストを1/72に拡大したコピーを型紙に使い、マスキングしてC302グリーン→C301グレーの順に塗装します。超めんどくさいです。
迷彩塗装が終わりました。細部をチェックし、マスキングのミスや吹きこぼれを修正します。
細部や小物類を塗装してしまいます。その後デカールを貼ります。デ
カールが乾いたらクリアーを軽くコートします。
最後に小物類を取り付けて完成です。ウェポン類が多いので慎重に取りつけます。
〜完成〜
完
成したハセガワの1/72F-15E。ヨーロピアン・ワン迷彩のス
トライクイーグル、やっぱり迫力あって良いですね〜。通常のイーグルと比べて塗装はめんどくさいし、ウェポン類も沢山有るからやや手間なのだけど、その
分、完成時の満足感はヒトシオといったところ。キングサイズシリーズの名にふさわしい、ナカナカ作り甲斐のあるキットだと思いますョ。これ見てたら手持ちストックのRevell1/32もなんだ
か製作したくなってきました。
キット自体は制空型と同様に容易に組めてしまいました。ただ、ちょっとコンフォーマルタンクだけ合いを注意した方がよいかもしれません。あと爆弾は数が多いので、パイロンやラックを先に機体に取り付けてから、最後に一個一個取りつけた方が作業しやすい思います。小物類の取りつけは最後の最後なのでより慎重に行いたいです。
今回は最終工程のクリアーコートで失敗しました。本当はツヤ消し仕上げにするつもりでフラットクリアー吹いたところ、迷彩塗装時に型紙を抑えてい
た両面テープの跡が白く浮かび上がってきてしまい、慌ててツヤ有りクリアーでリペアする始末でした。若干は目立たなくなりましたが、完全に消すのは無理で
した。最終工程の方でこれは痛かった(涙)。以前製作したA-10Aでは同様のトラブルが無かったので、たぶんカブりによるものと思われます。雨天恐るべ
し、です。
今回の反省点。
@貼りたてデカールを知らずに指で押さえてしまい、一枚貼り損ね。(ジャンクデカールで似たようなのがあったのでそれで対応)。
Aつや消しクリアーコートのカブり。
今回は(今回も?)少し残念な仕上がりでしたが、まあ完成できたから良しとしましょう。
2013年6月20日完成。
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