F-16C
Fighting Falcon Italeri 1/48
イタレリの1/48
F-16Cです。前回ハセガワの1/48F-16Cを作ったら違うメーカーのキットも手掛けてみたくなりました。通常新しいキットを作ろうとするとプラカ
ラーをいったん整理しないといけないのですが、今回はその手間は省けそうです??
イタレリというメーカー、皆さんどんなイメージでしょうか?私なんか
のイメージではベコベコのキャラメル箱をシュリンクパックされ、模型店でホコリを被っ
ているイメージですかね。出来はとても大雑把で、パネルラインは太めの凸。タミヤが断続的に輸入していて、舶来物にしては価格も手頃だったので結構買った
覚えがあります。でもまともに完成させたことは一度くらいしかないなぁ・・・。
イタレリの1/48F-16Cは比較的に新しい方で、1994年の発
売。姉妹商品としてF-16Aがありました。ハセガワのF-16よりも10年近く後発
だし、90年代に相応しい仕上がりかと思いきや・・・MA誌などの評価ではあまり芳しくなかったような気がします。当時の定価は¥1900。同時期に出来
の良いハセガワが¥1500だったから本キットを買うのはよほど好事家だったかもしれません。
そんな理由からでしょうか、本キットはあまり市場では流通してないみ
たいで、たまに大手量販店やヤフオクで見かける程度。今となっては商業模型誌ではまず
取り上げないし、第一これの完成品はネットでも殆ど見たことない・・・。どんな具合のキットか気になったので今回、製作してみましたョ。
※最近、イタレリ社から新金型?で1/48F-16がでたようです
が、中身はどうやらキネティックのOEMらしいです・・・。今回のキットはイタレリ社製のものでそれとは異なります。
〜製作開始〜
今回のキットです。ヤフオクで購入。昔からそうですが、イタレリの
キットの箱絵は躍動感があってとてもカッコいい。イタレリの箱絵にヤラれて、箱の中身に何度涙を飲んだこと
か・・・。イタレリ商品は全体的にボックスアートのレベルは高いと思います(たとえ中身がアレでも)。さすがに1/48ともなるとキャラメル箱(B式)で
は無く、上下(C式)箱です。でもベコベコの箱紙は相変わらず。
キット中身です。パーツ割は胴体に主翼と水平尾翼が一体で、案外早く
形になりそう?パーツを見る限り、複座型やA型などのバリエーション展開が予想されま
す。垂直尾翼はC型、ドラッグシュートも有るのと無いので別パーツ。エンジンノズルもF100とF110の2種類入っている。エアインテイクは拡大型
(MCID)ではなく従来型(NSI)、なのでブロック30C(86-0261が最終)まで作れるというわけですな。モールドは太めの凹彫りです。
デ
カールはイタレリキットのスタンダードな艶消し。カルトグラフ製。米空軍とイスラエル空軍、ギリシャ空軍の3種。各仕様に応じてプラパーツもフォローされ
ているのでこれは有りがたいです。イスラエルとギリシャのマークは珍しいので、このデカール目当てで買い人もいるかもしれませんね。幸いなことに今回は黄
ばみ無
し。
今回は最もスタンダード?な、米空軍機をチョイス。イスラエル空軍と
ギリシャ空軍のマークはストックに回します。ここで気付いたのですが、箱絵の米空軍機のシリアルが84-145なのに対し、デカールでは83-145になっていること。http://www.f-16.netのデータベースで調べたところ84-145と
いう機体は存在せず、箱絵が間違ってます。のっけからやってくれますのぅ(笑)。
インストは英語メインでかなり大雑把。舶来プラモはこんなもんでしょ
う。塗装指示はモデルマスター塗料。欧米ではこれが主流のようです。今回はハセガワ
1/48のインストを参考にクレオスのカラ―をメインに使います。なお、83-145機はブロック25(F100エンジン搭載)です。インストでは
F110エンジン指定になっており、これも間違いです。
まずは中性洗剤を溶いた水でパーツ洗浄です。国産キットはともかく、
舶来キットは必須の作業です。容器に入るよう、余計なランナーはこの時点でカットしておきます。2時間〜3時間漬け置きして、水で濯いでから乾かします。
コクピットはまあまあの出来。インパネ計器配置はC型というよりA
型っぽい??キャノピーを閉じれば判らんでしょう・・・。ACESUもハセガワとほぼ同じような出来なので丁寧に塗り分ける程度でOKだと思います。
フロアにACESUを差し込もうとした所で問題発生。フロア下の妙な
突起(赤矢印)が邪魔で入りません。なのでここは削ってしまいます。なんでこんなモールドあるんでしょ??
舶来キットなだけに合いをチェックします。とりあえず大雑把に仮組み
してみます。胴体上下はOK。ただしパーツ割の関係で翼やストレーキ、エアブレーキがとても分厚くなります。気になる人は薄く削り込んだほうが良いと思い
ます。
事
前情報で、本キット最大の難点は「キャノピーの合いの悪さ」とのこと。確かに、後部キャノピーで後端部にでっかいスキマが生じます(赤丸部分)。しかも形
からして全然あってない。。。ここの処理方法は人それぞれで、キャノピー開状態で作りすっトボケるか、スキマを無理やりパテ埋めするか、後端の突起を削っ
て自作する、かのいずれかになります。
最初は無理やりパテ埋めでゴマ化そうとしましたが、イビツな形になり
そうなので後端部を削った上で自作することにしました。削る前に、一応シリコンで型取りします。シリコンでなくても安価な「おゆまる」でも良いと思いま
す。
突起の型が取れました。後は元の突起を削り取り、ポリパテで複製しま
す。この複製をキャノピー後部に合う位置で接着し、ヤスリで形を整えればOKです。複製を削り込んでキャノピーにフィットさせます。これで本キット最大の
難点?はクリアです。
胴体背部パーツは、そのままはめると少し沈みます。なのでわずかに底
上げします。やり方は簡単で、背部パーツ裏側に伸ばしランナー(φ0.5mm×
5mmL)を張り付け、これをゲタにします。後はゲタを少しずつ削って調整し、なだらかに繋がるようにします。スキマはゲタの有る無しに関わらず生じるの
で、ここはパ
テ埋めて処理すればOK。
垂直尾翼の基部は、ブロック25なのでブレードアンテナの後ろのエア
スクープを削り取ります。垂直尾翼基部の後部は別パーツになっていて段差が激しいので、ペーパーでならします。
エアインテーク上部と胴体は、何故か右側に大きなスキマが出来ます。
ポリパテで埋めても良いのですが、もっと良い方法があります。φ0.5mm程度の伸ばしランナー(黒マジックで着色してます)をフチに接着し、現物合わせ
で削って調整。ここは簡単ですね。
その他には大きなスキマ等、修正が必要な所は無いようですので、継ぎ
目を溶きパテで処理して下準備は完了です。なんだかんだで結構手間かかりますね。
その他、本キットの欠点としては、胴体下面にあるエアスクープ類の省
略。A型とコンパチなせいでしょうか?とりあえず今回は主脚前方にあるECSカバーをシリコンとポリパテで複製してみました。まあハセガワキットのJパー
ツをトレードしてくる
のがてっとり早いです。他にも右ストレーキ下面の小さなエアスクープが省略されていてるので、ハセガワL4パーツからもってくるのも良いでしょう。
今回の塗装は標準的な米空軍の制空迷彩にしました。イタレリの説明書
は案外いい加減なので、ハセガワの塗装図を参考にしています。なおレドームとRWRセンサーはFS36231ダークガルグレイにしました。
アクセサリー類です。ランターン(AN/AAQ-13航法ポッド)と
思しき部品もあります。ランターン・ポッドは湾岸戦争当時不足していて、F-15Eに優先的に回されてい
たと聞き及んでいますが・・・しかも装備可能なのはF-16Cブロック40以降なので?ブロック25の本機に付けるのはとても怪しいです。いわゆるオー
パーツでしょうか??一応説明書を信じて取りつけます(ただし両面テープで)。
マーキングは”SW”。説明書にUAE1991と書かれてるから湾岸
戦争の時のマークですかね。細かい注意書きの類がなく、結構アッサリ目です。ただしこ
のデカール、厚くて硬く、ついでにクレ
オスのマークソフターもまるで効かないので白浮きは必至です。糊も弱く木工ボン
ドの補助が必要。今回のでカルトグラフ神話が崩
れました(涙)。最後に半ツヤクリアーで保護します。
〜完成〜
完成したF-16C。まあ、イタレリのキットにしては普通に出来てい
ると思います。残念なのは旧来のハセガワよりもパーツの合いとディティール面で今二つほど及ばないこと。まあ、ダメキットではないにしろ2個、3個と作りたくなるようなキットでは無いですかね。皮肉なことにハセガワのF-16の出来の良さを改めて確認する結果になりました・・・。
日本国内ではハセガワやタミヤのF-16が多く流通しており、本キッ
トはあまり見かけないのでコレクター・アイテムとしては価値があるのかも知れません
が、作るのは一個で十分ですかね。欧米ではハセガワの約半額で買えるようなので、このキットもそれなりにメジャーなのかも知れません。
何はともわれ、久々の舶来キット無事に完成できて良かったです。
今回の反省点は、特になし。
2012年10月21日完成。
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