艦船プラモ温故知新

何でも先日、戦艦武蔵が海底で見つかったとのこと。今月発売の模型誌でも特集を組むなど
今、旬なアイテムとして武蔵が注目されています。今年はちょうど終戦70周年だか らWWU物がブームになるんですかね?

そういえば今から20年位前の1990年代中ごろにも終戦50周年に因んで「大戦機ブーム」というのがありまして、1/72や 1/48でそれまで抜けていたラインナップが続々と埋まりだしたのもこの頃でした。知名度がイマイチなマイナー機までタミヤが出したんだから、大戦機ファ ンにとっては喜ばしき?時代でした。

ここ近年(10年位)で言いますと、プラモ界では艦船モデル がやたらとホットで、ど真ん中アイテムである大和型はもとより他の艦船についても急速にラインナップの穴が埋まりつつあります。中でも先日発売されたフジミ特NEXTの大和などはスマッシュヒットを飛ばしているとか。私もつられて一 個買った次第です。

たしか艦船模型って、ブームが来る以前は30年位「氷河期」があって、1/700WLシリーズ以外のいわゆるフルハルモデルでは各社スケールがまちま ちだったし、種類も大和・武蔵+その他を出してお終いでした。

大和・武蔵はまだ良い。知名度があってそれなりに昔からキット化されているから。それ以外の艦のフルハルモデルは古いニチモがある位 で、結構「空白地帯」だったんですよね。だから各メーカーが350フルハルを「出したもの勝ち」とば かりに殺到している現状、本当に良い時代になったもんだと思います。



さて前置きが長くなりましたが、昨今のブームにあやかりまして、私がガキの時分(二〜三昔位前)の大和型のキットを紹介したいと思います。ほとんどが絶版 あるいは生産休止品のためか商業模型誌様では取り上げられませんが、この時代のプラモもナカナカ良いもんですよ。

※アリイ(マイクロエース)製品は現行品になります。

@タミヤ 1/350 大和・武蔵(旧版)
これは昔からある有名なキットですね。ただし2000年代にパーツ追加とモーターライズ機構廃止されているから、この旧版はある意味貴重かもしれません。 つい15年ほど前は模型店やらディスカウントストアでゴロゴロ見かけたキットなんですけどねぇ。このボリュームで定 価¥5000と大変お求め易く、お買い得商品でした。


かつての艦船プラモは、WLシリーズ以外のいわゆるフルハルモデルでは各社ともスケールが乱立していて統一感がありませんでした。1/350 スケールをメジャーに推し立てた?タミヤさんの功績は大きいと思います。



今では廃されているモーターライズのインスト。ポンチ絵のあんちゃんがジェームズ・ディーンみたいでシュール(笑)です。なんか目が物憂げだぞ・・・大丈夫かね?キミ?しっかり作ってくれたまえョ?

こんなでかい船のプラモを池や川で遊ぶ〇〇は居ないと判断したのでしょうねぇ。


Aアリイ(マイクロエース) 1/600 大和・武蔵


旧オオタキのキットです。
戦艦空母シリーズ。こ れも昔からの定番キットで、2015年6月現在もれっきとした現行商品です。ちなみにガキの頃はアリイのとニチモが模型店の船コーナーの大勢を占 めていました。このシリーズはボックスアートがカッコ良くて、1/800米空母なんかも良く買いました。

ニチモが活動休止した現在では「モーターライズ航行可能」な唯一の存在?になってしまいました。気になる人は早めに抑えたほうが良いでしょう。




Bニチモ 1/700 大和・武蔵


これも結構有名なキット。1970年代末発売?と思われます。先日のMG誌でも 取り上げていましたね。タミヤWL(旧)とニコイチ用とか艦底流用とかで買った 人も多いのではないでしょうか?一軸モーター駆動ながら出来もナカナカだそうですよ。砲塔を回転させることにより、モーターをON/OFFします。

そういえばWLシリーズって、なぜ別売り「艦底パーツ」って出さないんでしょうねぇ?(いや、レジンであったかもしれんが)





Cニチモ 1/800 大和・武蔵



たぶん、1/700の後に出たキット。
考証面はともかくモー ルドは1/700よりはキッチリして、出来は良さげな印象があります。大きさ的に同社30cmシリーズと混同されがちですが、別のキット。これもモーター一軸駆 動です。

甲板にモールドされた機銃はオモチャっぽいけど、個人的には全然OKです。












それにしてもニチモは大和・武蔵を出しも出したり、右図の通り。プラモメーカーにとって今も昔も、ドル箱アイテムなんでしょうね。




Dニチモ 30cm 大和・武蔵
は い。かつての「少年夏の友」といえばこれ。花火やカブトムシと同じ位親しまれた?ニチモ30センチシリーズです。風呂を汚したり、池や川で轟沈したり と数多くの伝説?を残したことでも有名。種類も多くて、このシリーズから艦船模型に入ったモデラーも多いはず。つい最近まで最も入手しやすい大和・武蔵の プラモだったのに、ニチモが活動休止したとたんプレミア化してしまい、かつての「鯨肉」のような存在です。

工作技術が未熟だった(今も?)少年時代、接着剤でベタ ベタになりながらも何とか完成させて進水させ、水上走行させた時の感動は今でもはっきり覚えている。ただし水漏れも多くて何隻ものフネを敬礼で見送ったこ とか・・・。不謹慎な話ですが、ブクブク沈没する様も妙にリアル?でした。







2008年頃に無塗装素組で製作した武蔵。震災で小破しました。









甲板からピョコッと飛び出たスイッチ。気になる人はプラ板で塞いでしまえば良いです。戦艦によっては、スイッチが艦橋のシルエットに紛れて目立ちません。

 このシリーズは長門がお気に入りでした。


E東京マルイ スーパーサンマルシリーズ 大和・武蔵

ニチモ30cmシリーズ
を語るのであれば、競合商品である東京マルイの「スーパーサンマルシリーズ」を語らない訳にはい きません。これはニチモ30の「類似品」なのだけど、ただのパチ物と違うのが東京マ ルイの凄いところで、スイッチを巧みに隠す工夫など質の面ではニチモを上回っており、スーパー(超)サンマルのシリーズ名は伊達ではあり ません。

個人的には今現在でも市場価値のある商品だと思っています。まあ、マルイのプラモは傑作キットが多いですが。。。

(再販してくださ いマルイさん)。



付属品はモーターの他、飾り台、接着剤とグリスのチューブ、艦載機(ゼロ観)を飛行状態に出来る極 細の針金、さらには接着剤を付けるための爪楊枝までセット。スイッチは舵を上下することでON/OFFするなどニチモ30と明確な差異が図られています。

残念ながら市場ではニチモ30cmシ リーズの牙城を崩すこと成らず、早々に姿を消しました。。。









「甲板上にみにくいスイッチがないので、ディスプレイもOK」

ニチモにケンカ売っているとしか思えない
ボックス横のコメント。この訴求力。これほどストレートにグッと来るコメントは今の今まで見たことない。
マルイさん、やるなぁ。




「組み立てが簡単なモーターマウントセット使用で本物のように走ります」

フジミ艦NEXTの大和、あるいはタカラトミー技MIX大和でも真似の出来ない芸 当がこの水上走行。いやいや、
無理に沈める物ではないにし ろ、ドジするとフネは沈むもんですよタカラトミーさん。


        俺の大和は水上を走る!


番外編
 バンダイ 1/2000 大和 (箱のみ保管してました)


ネービーコレクションシリーズ。小粒ながら出来は秀逸で有名なシリーズ。80年代に¥100で売らていたけど当時は不人気だったらしく、早々に姿を消しま した。噂では金型を外国に売っぱらってしまい、再販出来ないらしい。。。

このシリーズの外国艦の一部は、現在アオシマからワールドネイビーシリーズとして 再販されているようです。


ちなみに1998年頃、神田美倉橋の某ショップで¥2000〜¥3000位で売られていましたっけ。。。





組み立て説明図は箱の裏に記載されています。くぅ〜、懐かしい。菱形セメダイン付属していたかもしれません。

金型回収して再販してくんないかなぁ・・・宇宙戦艦〇マトとかガミラ〇艦なんて今更要らんからさぁ・・・。





2015.6.28

                         コラム


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