伝説の超絶テクニック 今回はプラモとは関係のないお話です。先日、家の掃除していたら雑誌類に紛れ込んで昔買った釣りのハウツー本が出てきたんで す。いや私、昔コイ釣りをかじっていたことがあって、シカケやエサも自作してました・・・。釣りって自分でシカケを作るのも楽しいんですよね。すいません、釣りのコーナーが企画倒れ中なのでこちらのコー ナーで暫定的に紹介です。
コイ釣りって、河川やダム湖で一人で何本も竿を出している、あれの事です。鯉の中でも野生種( 野鯉)を専門に狙ってる人で、山田勲氏と小西茂木氏の名前を知らない人は居ないでしょう。両名とも既に故人ですが、現在でもベテラン鯉師のほとんどがこのお二方の影響を受けていると思います。今回はその小西氏のお話です。 ※遺伝子的には”真の野ゴイ”は琵琶湖固有種のみ 小西茂木氏の本業は作家で、文筆業の傍ら、野鯉やレンギョなど淡水系大物釣りの大家として 知られています。市販練りエサの開発にも大変な功績のあった方で、小西氏の名前は知らない人でも、マルキューの「大ごい」を通じ間接的にお世話になった人はむちゃくちゃ多いハズです。あれは誰が何と言おうとダントツの実績。私も 大変お世話になりました。「鯉エサの系統図byマルキュー www.marukyu.com/marukyu/book/tansui/koi/vol6_2.pdf」 氏はその辺のチャラチャラした「プロ釣り師」などとは指数的にレベルの異なる伝説の名人だけど、他人から「小西名人」と呼ばれることや、自らそう名乗ることは嫌がったと思います。「名人」という言葉じたいを嫌っていたからだ。「鯉は一日一寸、10日で一尺」なーんて旧来の常識的な考え方に異を唱えたのもこの方なんですね。編み出した釣技をこっそり自分だけの「秘法」として留めておくこともできたのにも関わらず、です。 一日一寸の時代はもう終わり。エサやシカケを秘密にするもの古臭い。そうではなく 鯉釣りがレジャーとして一般の素人でも楽しめるモノ、これからはそういう時代なんだ。と考えていたでしょう。だから小西氏は 自分の研究成果をもったいぶらず、自身のノウハウを本にして、世の鯉釣りファンに広く提供したんだな。そしてその釣技 に「音響誘魚法」と命名した。 「音響誘魚法」というのは、かいついまんでいうと、エサを投入した際の着水音で魚の好奇心を刺激し、寄せて釣ってしまおうという考え方。確かに音が水 中を伝わるスピードと範囲を考えれば、これは画期的なアイディア。これが50年以上前に開発されたとはオドロキです。今読み返しても、今だからこそ小西氏の凄さを再確認しました。 と・・・概要を説明しておきながらは私これ、実践したことありません(m(__)m)。いや・・・何度かは検討はしたのですが・・・自分の技量をはるかに超えていたので実行出来なかったのです。ネックは投射技術で、100発100中の命中精度が必 要っぽい。音響誘魚法が「超難解高等釣技」と言われる所以はたぶんそこで、小西氏以外でモノに出来た人は・・・・どれほ ど居るのでしょうか??
例えば「投餌音の水中伝搬効果で半径500mの魚はぜんぶ寄せるのだから、エサの投入ポイントはすこしテキトーでもかまわない。中にはまぬけで不運な魚が1ぴきくらいはいるだろう」と書かれてたら、ちょっとやってみようかという気になるのですが・・・。もしかしたら音響誘魚法は、十分に熟成された技術ではないのかもしれませんねぇ。 小西氏は作家で釣り師で はだったけど、アマゾンやアラスカで大物を仕留め た釣行記を「週刊プ〇〇ボーイ」で連載などしなかったし、いわゆる怪魚ハンターでもなかった。そういう一発的派手さはなかったけど、知る人ぞ知る昭和の偉人だよなぁ・・・。その精神が崇高なだけに、音響誘魚法の難解さ、間口の狭さがちょっと残念なんですが。。。 最後の本書で個人的に大好きな一節を紹介します。
う〜ん、シビれますねぇ。 ※「経験とカン」という言葉がありますが、”経験”の方は否定していないのがポイントです。”カン”についてもよく解明されていないように見えるだけで、実はちゃんとした訳があるのでしょう。 それからひとつご注意事項: サナギ粉などオリジナルブレンドのイモヨウカン(エサ)を冷蔵庫で保管する際は、家族の了承をえましょう。 2017年5月24日
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