大戦機ブームってさぁ・・・
さて本題にもどりまして、私は大戦機プラモというやつがどうにも苦手です。いや、大戦機自体に非は有りません。好きな機種もたくさんあります。ただ若かりし頃 (90年代中後期)に”大戦機ブーム”というのがありまして、あの時の「これでもかこれでもか 」の業界あげてのゴリ押しに少し嫌気がさしてしまい、以降、大戦機のプラモとは少し距離を置いています。 〜大戦機ブームとは何じゃらほい〜 大戦機ブーム?なんだそりゃ?って方。無理もありません。不思議なことにこのキーワードは、2020年7月現在、YahooやGoogleで検索して もまるでヒットしません。まあ今から20年以上前のお話ですからねぇ。でも実際にそういうものが有ったのです。90年代中盤以前よりに活動していた空モデラーの方ならご存知の方も多いでしょう。 たしかあの頃、ちょうど終戦50周年を記念?して、日本のプラモメーカーから大戦機キットの新金型ラッシュが続いたんです。代表作でいうならタミヤのデカ い一式陸攻とか、ハセガワ1/48二式戦とか。プラモだけでなくマルシン工業の金属製半完成品なんてものありましたねぇ。あれも一式陸攻出たなぁ。 実はそれまでは大戦機のジャンルというのは、現用ジェットのプラモに比べていささか冷遇されていたようなところがありました。正確に 言うと、キット自体はあるにはあったけどそのほとんどが古いものばかりで、要するに今風のキットというのはすごく少なかったんですね。これを見直そうとハ セガワが零戦をリメイクしたり、タミヤがワイルドキャット出したのがきっかけだったような。 これに当時のおじさんモデラーたちは飛 びついた。ちょうど昔の戦記モノ少年漫画で育った方々ですし、何しろ資金力が子供や学生の比ではありません。プラモメーカー各社はここに目を付け、「こりゃええ鉱脈を発見した」とばかりに次々と大戦機を キット化し、しまいにはマニアしか知らんような外国のマイナー機(失礼!)まで天下のタミヤ様がキット化するまでに至ったわけです。まあ一言でいうと「バブル」みたいなもんでしょう。 あの頃は私も学生の分際で、学業そっちのけで商業模型誌なんてモノをずいぶん読んでいたから、業界あげての狂乱ぶりはよく覚えているんすョ。でも一方で少し違和感のようなものもありました。模型誌を飾るメーカーの新 製品広告は大戦機ばっかし・・・いや、マイナー機でも需要があればキット化するのは良いのだけれども・・・一方の現ジェットのキットが手薄というか、すごく偏っていたようなそんな記憶があるんです。 これには現用機がメインのモデラーさんも結 構不満だったようで、「F-16のBlock50はまだ?」とか「マイナー大戦機などキットする位なら48のF-4C/Dリメイクしてくれ」とか「ドラケ ンもいいけど本命はやっぱヴィゲンだよなぁ」なんて意見が有ったのは事実で、そういう意見をすっとばして無理矢理進空した大戦機キットのほとんどが、わずか数年後にはカタログ落ちってザマだからまったく世話の無えってもんですわ。 現用ジェットプラモの分野もそろそろ更新されても良い頃合いだと思いますし、人気や知名度の割りに不思議と良いキットに恵まれていないア イテムも多く、案外穴だらけの状況なのですが、メーカーさんの方向性に違和感を覚えたのがあの大戦 機ブームの頃からで、それが20年以上、ずーッと続いているのです。 ※)ロクすっぽ製造も活躍もしていないマイナー大戦機がキット化されている一方で、ミラージュVやサーブヴィゲンといった名機の国産新作キットが出てこないのが不思議で仕方ありません。 うーん、メーカーさんもどういう顧客層を想定して商品企画してんだか・・・良く判りません。「プラモデルはもはやオッサンやGさんにしか売れない」とお嘆きメーカーさんにおかれましては、一度自社のラインナップを見直されては如何でしょうか? 2020 年7月4日
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