デカールって・・・ 先日、ハセガワのA-7Eを製作していた時のことです。塗装も大体終えて終盤デカール貼りの段階になって、肝心のデ カールがバラバラになってしまい、一時製作中断。ハセガワから取り寄せる羽目になりました。見積りを見てビックリ。当時価格の4倍近くしました。デ カールって元々そんな高いものでしたっけ???新聞がカラー化されたのが20年以上前、今やコンビニですらカラーコピーが¥100そこそこで出来るデフレ時代に、こりゃかなりのインフレですよ。 デカールはプラモには無くてはならない物です。歴史は古く国産プラモ黎明期から存在し、これなくしてプラモの普及は無かったと言われています。それ 以前の木製模型の時代はというと、何とマーク類は全て手書きだったんだそうです。今でもモデラーの中には手書きマークにこだわる人がいるとか。恐ろしい話 です。 それほど大昔からあっただけに、構造は単純で、水溶性の糊を塗布した厚紙にインクで印刷し、その上から透明な液状フィルムをオーバーコートしただ け。これを水に浸せば台紙からは剥がれるって仕組みです。私が子供のころは「水シール」なんて呼んでましたっけ。最近ではドライデカールやハイテクデカー ルなんてものもあったけど、一般にはこの古典的な水転写式 が主流なようです。 さてこのデカール、困ったことに「賞味期限」のようなものがあって、あまり古いと使えなくなったりします。だからヤフオクなどで懐かしのキットを安いから、など と安易な理由で落札すると、案外このデカールが傷んでいて、メーカー在庫も欠品だったりすると最悪の場合、製作不可になったりするわけです。 次 善の策として別売りデカールってのもありますが、いかんせん少量他品種の世界。お足が速いもんだから一度売り切れると滅多に再販しないし、そもそも取り 扱っている模型店は限られていて、かなり入手性が悪いですね。大抵は海外製で、下手するとキットより高価なのもイマイチ。見方を変えれば「たかだかオモ チャのシール」なのにね。 でも原料費な んて知れている(と思う)し、印刷技術も向上しているハズなんですけどねぇ。版権とか面倒な「大人の事情」でもあるんでしょうか?日本はプラモデ ルの整型技術は世界一なのに、ことアフターパーツは後進国で、この辺は20年前と状況はまったく変わっていないようです。 一応、PCの普及した90年代後半頃より、透明デカールに印刷して自作する方式が提案され、そのための透明デカールとかも売っていて、一部熱心なファンは 自作デカールで作品を仕上げています。この方式の難点としてはベタデカール上に印刷するのでトリミングやオーバーコートが必須で、これはこれで色々とめん どくさいみたいです。 個人的な希望としては、かつてハセガワが展開していた「ハセガワデカール」なんてのが理想的なのですが、同社はデカールと抱き合 わせの「限定キット」に舵を切り替えてしまったので、ここは是非国内の他メーカーさんか、サードパーティーさんに頑張って欲しいところではありま す・・・。
最後に、個人的にしている古いデカールのトラブルシューティング?を紹介したいと思います。 1)黄変・・・黄変は日干しすれば大体改善するようです。ただしやり過ぎると 台紙との熱膨張差でフィルムがひび割れする可能性はあります。 2)ひび割れ・・・マイクロスケールのリキッドデカールのオーバーコートが一般的。軽度なら、クリアーカラーのオーバーコートでも 補修できたりします。 3)フィルムと台紙の固着・・・検討中?です。。。
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