タミヤのウォーバードシリーズ 昨年暮れ(2012年12月)に、タミヤウォーバードシリーズのラインナップにF-15EとF-14Aが加わりまし た。オールド・ファンならご存知の通り、2つともイタレリ製で1980年代後半にリリースされたもの。これまでイタレリパッケージ版が細々ながら流通して ましたので、特段珍しい物では無いのですが・・・これが案外売れているようです。
タミヤのウォーバードシリーズは1993年頃に始まったシリーズですね。1/72航空機はハセガワが多くのシェアを占めていて、これに対抗したとい うわけです。パッケージや説明書はタミヤ、キットとデカールはイタレリOEMという形で徐々にラインナップを増やし、近年はタミヤ自社製のキットも加わる など着々と増えています。箱絵は使わず、完成品写真をBOXに使うなど、ライトユーザーを意識した独特の箱が特徴です。 もちろん、タミヤにしてみたら自社ラインナップに欠けていた1/72航空機モデルを揃えるにはイタレリからのOEMが手っ取り早かったのだ、と思います。 ユーザー側からしてみたら、かつては大手模型店でなければ入手困難だったイタレリの舶来プラモが、タミヤブランドで入手しやすくなったのは有難いことで す。 実際、この企画は結構「当たった」らしく、今や模型店だけでなく町の玩具店やスーパーのおもちゃ売り場などでも売られていて、普通に見かける存在になりまし た。ハセガワも対抗して類似商品SUPER2(スーパー・スーパー)シリーズを90年代中盤に出しますが、こちらはあまりヒットせず早々に姿を消しました。
中身のキットについては玉石混合の評判で、概ねイタレリOEMキットはやや出来が甘く、タミヤオリジナルは高評価を得ているようです。OEM品はイタレリ オリジナルより少し安価で、お求め易い。一部では「イタレリキットの単なる焼き直し」みたいな意見もあるのだけど、国内仕様ならではの利点もかなりあるよ うです。というのも、従来のイタレリオリジナル版の場合、多くの舶来キットがそうであるように、 @塗装指示を始めとして説明書が大雑把。しかも日本語表記はごくわずか。 A塗料はモデルマスターで指定。この塗料は日本ではメジャーではない。 B破損パーツの供給は困難。 C売ってるお店が専門店などに限られてくる。 わけで、これを日本市場向けに判り易い説明書と破損パーツ供給が可能で、それでいて価格も安いとなればユーザーとしてはとっつき易い、ということになります。 このシリーズ、何か不思議な親しみやすさというかお手軽感があって、つい手にとってしまうんですよねぇ。最近では1/72の零戦も出た事ですし、個人的に はタミヤオリジナルのF-16や一式陸攻あたりが見たいですね。またイタレリOEMも国内メーカーで出しそうにないアイテムなどがありますので、今後さらに期待が出来そうです。 追記:2014年4月にタミヤより新金型で1/72 F-16CJリリースされました。
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