タミヤ 1/12  カップヌードル NSR250

CUP NOODLE  NSR250  Tamiya  1/12


タ ミヤのカップヌードルNSR250です。通称カップヌードル号。1992年の全日本選手権ロードレース250tクラスの競技車両です。っていっても、これ 覚えている人いるかなぁ。私もあんまり記憶ありません(笑)。つい先日3/20にモトGPが開幕しまして、その地上波放送で解説をしている青木宣篤氏が現 役だった頃の車両です。ついでに言っておくと、あの番組のMCはその道の重鎮を 起用して下さい。日テレさん。バラエティー番組じゃあるまいし芸人使うなんてどういう神経してんの?視聴率落ちるよ。

と・・・のっけから話が横道にそれました。さて、この車両はパッ見で判る通り、このカップ麺がこのチームのメインスポンサーになっており、当時何かと話 題になったようです。ライダーは純情ハルナ乗り・青木宣篤選手と火の玉バンク・青木拓磨選手。ち なみに
この年の全日本250は原田選手(ヤマハ)がチャンピオン獲っています。

んで、プラモはそのカップヌードル号をキット化しもの で、ファンや関係者には大変恐縮ながらWGP500 チャンプマシンならい ざしらず国内戦250のマシンが模型化された理由が良く判んない。いやもちろん出すのは異論無いけど、これって結構マニアックな商品だし、その一方で同時 期に実車の 世界では今でも88と人気を二分するMC21(通称4型ガルアーム)はなぜかキット化されていないんですよね。

この点、個人的にはバイクのプラモ(およびミニカー)って
昔から不思議で、アイテムが競技車両に偏っていて、逆に市販車両って穴だらけなんですよねぇ。バイク =悪の象徴であり、そのプラモですら青少年の健全な育成に悪影響を及ぼす、などというトンチンカンなクレームを付ける人でも居たのでしょうか・・・?私と しては競技車両より身近な 市販車両の方が好みなので、ちょっと残念な気がします。

こういってしまうとバイクに興味無い人は変に思うかも しれませんが、実車趣味の世界でも、「レプリカ好きなライダーでもレース車両に は興味無い」って人は意外と多いのです。逆 にプロのレース選手って市販車にはあまり興味無い人って多いとか。ルックスや基本メカは一緒でもレーサーとレーサーレプリカは別モノで、これは上手く言葉や文章で説明できませんが、判る人は何となく判るハズ・・・。

ちなみにこの時代って、大型2輪免許(限定解除)の取得が難しい代わ りに250や400のラインナップが豊富で、限られた排気量で限界性能を追及したミドル級は怪物だらけでした。特に2スト250は市販車でも競技車両に迫 る性能をもってい て、例えば3XVのTZR250SPだとキット装着で70馬力、240q/hオーバーのポテンシャル。そんなのがウジャウジャ公道走っていました。
はい。「昔は良かった・・・」などとは言いたくない が、正直羨ましいです。

そんな前置きはさておき、キットです。これはタミヤさんの1/12オートバイシリーズNo.61として1992 年に発売されました。同シリーズNo.59にはレプソルのNSR250があるから、このカップヌードル号はそのバリエーション、デカール変え商品なのかも 知れません。このキット、親切にして頂いている知人から譲り受けたんですね。これは是非とも完成せしめ、義理を果たしたいところです。

キット自体はパーツ点数も少なくて見た目に簡単そうだったし、ネットをググると完成作例も数件ヒットするのであんがい作っている人も多いようです。なので こりゃ楽勝楽勝♪、とばかりに手を付けてみたのですが・・・これが大変荒れた展開になりました(涙)。


ではカップヌードル号製作記、シグナル・ブルーと行きましょう。


一服コーナー

右写真は1991年のヤングマシン誌の広告。「爆風ブラザーズから」だそうです・・・。某ロックバンドとは関係ありません。
青木選手かどうか忘れたけど、どうらやテレビCM(カップヌードルRED ZONE)も有ったらしい・・・。
「あっちっちー。カップヌードル」
ってフレーズ覚えている人いるかな〜?居ね〜だろ〜なぁ〜??

ちなみに広告キャンペーンではこのカラーリングのNSR250RSPとNS-1のゴールドとシルバー各1台ずつプレゼ ント、とあります。実車のSP仕様をプレゼントとは ずいぶん豪勢ですねぇ。ライバルのキリンメッツはTZR250を10台とTZR50を20台ずつプレゼント。
さすがバブル期、QUOカード プレゼントなどとはケタが違います。





〜製作〜




今回製 作するキット(個体)です。前述のように知人からの頂きものです。タミヤさんの Webカタログでは2016年3月現在、一応載ってはおりますが、生産停止されており店頭での新品は入手困難なようです。それならそうと生産休止品である旨 を記載しないと誤解されちゃいますよタミヤさん?(現に誤解しました)。ヤフオクでもたまに出品されていてそれなりに人気が有る ようです。

パーツです。透明カウルとプラパーツ2枠。これ見て始めエンジンレス・キットかと思いました・・・。まあNSRは2スト250だからエンジンは非常に小ぶ りなんですよねぇ。これだけ見ると、楽勝に思えてしまいますが・・・それは罠です。

デカールです。
競技車両らしく、派手なカラーリングをデカールで再現していま す。ゼッケン3青木宣篤選手ゴールドとゼッケン13青木拓磨選手シルバーのマシンが選べるようになってます。おや?ゼッケン13はNSRではなく市販レーサーRSです ね。まぁいいか・・・。それよりも外装類を曲面に馴染ませるのが難しそうです。今回、この悪い予感が当たってしまいました・・・。




まずはいつも通り、パーツを切り出してしまってから塗装する色ごとに 整理しておきますブレーキディスクの小穴はドリルで開口します。競技車両だけにやたらと数が多くて大変(汗)です。タンク&シートカウルは左右接着し、継ぎ目をスポンジヤスリで処理しておきます。その後、カウルと共に黒で下塗りしてからにゴールドで塗装すれば外装の塗りは完了です。ここまでは順調な展開です。

カウル塗装後、デカール貼りに入ります。ここで
痛恨のスリップダウン。ぬるま湯に漬けたらデ カールが北斗神拳にやられた悪役キャラみないな感じになっちゃいまし て、修正むなしく破けてしまったのです。
痛ってってー!!カップヌードル!(断末魔)
ぬるま湯の温度が少し高かったのかも。液体デカールで補強しときゃ良かった・・・。思いもよらぬ失敗に、しばし放心状態でした。

ということでタミヤさんに部品請求問い合わせたところ、「在庫終了につき提供はできない」とのこと(涙)。そりゃぁ無しだよタミヤさん・・・と、リタイヤしかけていたところ、シュンコー(
SHUNKO)モデルズさんというところから本キット用のリプレイスデカールが発売されている事を知り、これも店頭在 庫限りみたいだったので急いで取寄せました。よっしゃよっしゃ、ゼッケン3番コース上に復帰しました。



リプレイスデカールを貼る下準 備です。純正デカールとの違いは、パターンの一部(ガンメタの部分) を塗装で仕上げなければなりません。確かに外装は凹凸や曲面が多いからデカールより塗装の方が理には適っています。ですが位置サ イズをきっちりとデカールに合うよう塗り分ける必要があり、これ、すごく難しい(めんどくさい)です・・・。しかしブーたれていても問題は 解決しません。今回はデカールのコピーから型紙を起こし、それを元にマスキングしました。

うにかこうにかガンメタ部分の塗り分けが終わりました。こういうのは出来れば パーツに塗り分けガイドとなるようなケガキ線があると有難いのですが、他の塗 装パターンとの兼ね合いでそうもいかないようです。飛行機モデルのマーキングなどは写真やデカールからトレースして自前塗装する技法が大昔からあるのです が、何ともアナログなやり方です。

無事に塗り分けを終えたところで、えっちらおっちらデカールを貼り込みます。シュンコーモデルズさんのデカールは純正デカールに比べて分厚く?丈夫で、簡 単に破れると いうことはありません。が、丈夫過ぎて曲面に馴染み難く、クレオスのマークセッターも効きにくい感じです。なので曲面の多い部分では純正デカールと の併用になりました・・・。それとタミヤさんのインストにしろシュンコーモデルズさんの説明図にしろ貼り付け指示が側面図のみでちょっと困りますが、この辺はまあ適当に目測で。





貼 り付け後、乾燥させてからラッカーのクリアーとウレタンクリアーを吹き付けました。ここまで来たら一安心、あとは車体やエンジン、足回りなどの細かいパー ツをどんどん塗ってしまいます。マスキングがめんどくさいけどその辺は市販車とそう大して変わりません。どうせカウルを装着すればエンジンなどほとんど見 えなくなるので筆塗りでザっとでも良いかもしれませんね。今回はエアブラシですが。

パーツを一通り塗り終えました。ここで恒例のパーツコレクションを一枚パチリ。うーん、組み立てるのがもったいない気がしてきました。 パーツパネルコレクション、他のキットでやってみようかな・・・。


あとはインストに従ってパッパと組んでいくのみです。接着剤はボンドGクリアーを使うと汚さずに組み立てられます。2スト250だけあってエンジンのまあ 小さい事、これで大型バイク並みの馬力を出すんだからなぁ・・・。





車体を一通り組みました。さす がは競技車両、非常に簡素な構成をしております。これだと・・・実車の乾燥重量も100sそこそこなんじゃないでしょうか?ここら辺までの組み立ては問題 なくスイスイ行きます。

最後の最後、アッパーカウルの取り付けはちょっと難儀しました。というのもカウルの取り付けは
市販車のキットだとビスや太いダボで確実に位置固定きるのですが、このキットは赤丸に示した細っこい左右のステー(パーツA3)と正面の実質3点のみで実に華奢です。実車はともかくプラモでこれ はやや強度不足で、またドジこいてステーが折れ、少しカウルが斜めって付いてしまいました。

カウルの位置決めはあれこれ調整したのですが、これ以 上いじると別の個所が壊れそうだったので、深追いせずに止めておき、これにてチェッカーフラッグ。完走とします。



〜完成〜













完成したカップヌードル号。他所様のサイトやブログでは、このプラモは完成したらにカップ麺と共に記念撮影するのが恒例のようです。ああ、ブランド間違え ましたね。これはウッカリ!またやっちまった・・・(笑)。う〜ん、正面から見ると少しカウルが斜めっているなぁ・・・まあいいか。

さて、今回の製作は当初の甘い見通しが外れ、デカール作業で思わぬ苦戦を強いられました。純正デカールはすぐ破け、社外デカールは曲面に馴染みにくいと、 泣きっ面に蜂状態でした。今にして思えば純正デカールをマイクロ液体デカールで補強しておけばと、悔やまれます。ま、最近のカルトグラフは貼り易いようで すが、カルトではない少し昔のバイクプラモは要注意かもしれません。

デカール貼りは最終的な見てくれや仕上がりを左右し、しかも一発勝負的なところが有るから、ある意味でプラモ作りで最も神経を使う重要な工程なのでしょ う。にも拘らずプラモ進化の歴史からは取り残された感があり、途中でハイテクデカールやドライデカールなんてのもあったけど、基本的には50年前から素材や技 法の面で革新的進化はしてないような気がします。


他にもドライヤーで塗料を強制乾燥させようとしたらカウルがちょっと変形してしまったり等、100点満点中50点位の出来。ナカナカ思い通りに行かず、 正直2度くらいブン投げてやろうかとしたのです。しかし将来的にバッチリ綺麗に仕上げたいバイクのプラモが有りまして、「たとえ今回は不満 だらけ仕上がりだとしても、放棄せず最後完成までもっていった方が良い」と判断し、コツコツ工程を進めました。

工程初期段階での失敗だけに、その後作っていて色々モヤモヤ感が有ったのですが、こうして出来てしまえばソコソコには見えて来るから不思議なもんで、
途中でブン投げ ないで正解だったようです。「製作意欲が萎えて封印するに至りました」などというみっともない顛末記をネット上にアップしなかっただけ 良しとしましょう(笑)。うん。今回はこれでOKです。

では。


2016年3月25日完成。
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