タミヤ 1/12  OW01 (FZR750R)

FZR750R OW01 Tamiya 1/12


 熱き漢のスーパーバイク!伝説のTT-F1ベース車両入荷! 一見されたし!
年式:1989年
車検:検無し
色:赤/白
製造国:日本 社外品:なし。フ ルノーマル
走行距離:不明
排気量:750 t?
修復歴:不明、レ ストア済
スケール: 1/12 価格:ASK👍

タミヤの1/12 OW01(FZR750R)です。実車は89年に ヤマハが「打倒RC30」を目標に放ったスーパーバイクです。”モデラー”ではなく”ライダー”の立場からいうならばこのバイクを「レーサーレプリカ」と 呼ぶべきかは人により解釈が分かれるところで、なぜならば他の市販スポーツバイクとは出自が逆で、「公道走行可能なレーシングマシン」というキャラクター だから。

80年代はいわゆる「レーサーレプリカ」と呼ばれるスポーツバイクが飛ぶように売れた時代でした。各メーカーとも競技車両に近いルックスと性能をもつ新型 マシンを毎年の様に市場投入し、中でもスーパーバイク世界選手権規格の車両として開発され、その要件「市販車であること」を満たすためだけに限定生産され たRC30やOW01は当時バイク・ファンの間で大きな話題になりました。




※ YM誌2011年6月号(OW01とは直接関係ありません。)

もちろん他社でもス ズキはGSX-750RK、カワサキはZXR750Rを限定生産しましたが、公道Verを併売していたためかカリスマ性では及びませんでした。 (実車オーナーさんごめんなさい)。もしRC30やOW01に2シーターの廉価版モデルがあったら、強烈な印象は残さなかったも知れません。そのカリスマ 性はいまだ健在で、オーナーさんはツーリングの先々で注目度No1のハズです。

それほどの名車であれば模 型界が放っておくハズもな く、90年頃にタミヤからRC30と共にキット化されています。プラモメーカーにとって、オートバイ特に市販車のレプリカ系はコロコロとモデルチェンジす るからアイテムとしては不安定要素が高いのだけど、この2台は「他と格が違う」ってのをタミヤは判っていたみたいです。

キット内容は、スケルトン仕様でも作れるようにカウルをクリアー成型にした他、極小ビスとマイクロドライバーを同梱。今では普通に見かけるこのマイクロドライバー も当時は高級感を演出するもので、実際このキットは同時期のタミヤ1/12バイクシリーズの中でも最高位の存在である ことが線画カタログから確認できます。

それで、11年前にこのOWのキットに挑戦したんです ね。具体的な作業手順を練 らないまま無謀にも3個同時製作、あえなく作業中断し、そのまま押入れに突っ込んだままでした。なぜあのような無謀なチャレンジをしたのだろう・・・。こ の3個は製作中のまま長きに渡り封印されていたものです が、先日ハセ48のF-16Aを再生させたのを機に思い立ち、再登頂を目指すことにしました。

今回、製作中断した3セットを仔細に見分したところ、手を付けた範囲 は小さく、最低でも2セット分は完成させるのに問題無し、のようでした(1セットはカ ウル変形によりパーツ取寄せが必要と見られます)。ただし複数同時製作は慣れないキットではハイリスクなので、まず1セットのみ製作し、そのノウハウを後 のキットに活かすことにしました。


〜製作開始〜




今 回製作するキット個体です。10年位前に近所の模型店で買いました。この頃は今みたいにプラモの値段も高騰せず普通に¥1500位で買えたと思います。現 在ではスポット生産品のようですが・・・。しっかしこの箱絵は見事です。カッコええな〜。たぶんこのバイクは、ミニカー(ミニチャンプス等)でも模型化さ れていないと記憶しています。そう考えると実車同様、貴重なのかな・・・・?

パーツです。まだ下ごしらえ中といったところですね。シートカウルとマフラー、スタンドは接着しています。この程度ならOKOK。
カウリングがクリアーパーツです。各部は小さいビスで 止める箇所があり、小ドライバーが入っています。このドライバー、90年当時は まだ珍しく、高級感に華を 添えています。実車も実車ならプラモもプラ モ、オーラが滲み出ています。なおメッキパーツは無しです。

デカールです。これは当時のヤ マハスポーツバイクのイメージカラーの赤/白。ここ10年くらいはR1などで青 をイメージカラーに押し出して来ているけ ど、個人的には青はスズキってイメージがあってどうもヤマハ車にはしっくり来ませんねぇ。いけね、話が逸れた。タイヤのアウトガスによる変色を防ぐ目的?で、デカールは薄紙で保護されています。タミヤさんの細やかな 気遣い、大変に有難いです。





インストです。タミヤのキットは塗装指示は仔細な分、とても複雑に見 えます。また同じ色でも缶スプレーと瓶入りが有るので、余計ややこしく見えてき ます。ここは落ち着いて、一旦じっくり整理することにします。インストを良〜く見て、パーツの塗装色を確認します。すると外装を除く車体関係 は、ほとんど黒系か銀系で塗れば良いことが判りました。

お手付きパーツです
。 カウル類とD部品のパーツを切り出したようです。カウルはともかくなぜD部品を切り出したかというと、このキットはフロントフォーク(D6,D7)やスイ ングアーム(D10)にヒケ防止の肉抜き穴が有って、これをエポキシパテで埋めて整形するのがめんどくさくなったようです。なので一旦埋めたエポキシパテ はカルコで突いてほじくり出し、改めてエポキシ接着剤で埋めました。

ブレーキディスクの穴は開口されておらず、凹モールド で表現されています。金型技術的というよりコス ト的に抜かなかったのでしょう。ここは0.5o径ドリルで開口してみました。手抜きするならスミ入れでもOK。ディスクの厚みはスケール換算で少し分厚い ですが、あえて薄肉化はしません。




ちなみにバイクプラモの定番ディティールアップ工作で、「ブレーキディスクの薄肉化」というのがありま す。これを極端に薄くするモデラーはたぶん「バイク乗り」ではないですね。

SS系の実車などはスポーツ走行時のハー ド・ブレーキングでもびくともしないだけの厚みを確保しています。まして8耐でならしたOW01です。足回りパーツが薄っぺらいは ずがありません。

なお、プラモならまだしも、1/1でそれをやるのは
大変危険な行為です。
「カ スタム虎の穴」の虎オヤジが大激怒すると思います。










この道のベテランモデラーさんのサイトを拝見するに、バイクプラモと いうのは各パーツを塗装してから積み木のように組み上げていく、というのがセオリーの ようです(たぶん)。切り出したパーツは塗装色ごとに区分けして纏めておくと後でいっぺんに塗装できて便利です。もちろん、リアカウルやマフラーなどは組 んでから塗装するものもあるけど、それはごく一部です。

さ て、インストの@です。のっけからフレームの細かい塗り分け指示です。うげげげ・・・最初からして面倒くせぇ・・・。「この程度の塗り分けを難なく出来なければ諦めるんだな」とでも言いたげなキット設計者の意図が伝わってくるようです。フフフ・・・タミヤさん・・・、粋な事してくれるじゃねぇの・・・・。エンジンステーとか液タンは別 パーツにしても良かったんたんぢゃねえのヶ?

焼肉塗装は順序だ、頼む塗る順番で勝敗が決まる(某深夜グルメ番組風)」
さ て、どうやって攻めようか。よ〜し・・・、ここは黒&白→銀→フラットアルミ→銀+金→金の順で仕上げようかぁ〜。ほぉ・・・いいぞいいぞぉ〜、いい感 じに仕上がってきたじゃないかぁ〜♪ てな具合に筆を使わず結局、全部エアブラシで仕上げました。こういう時は筆塗りで綺麗に仕上げるモデラーさん を心底尊敬します。







フレームが塗り終わったら、そ の他のパーツも次々と塗装してしまいます。銀系や黒系のパーツは纏めて塗装しておくとある程度は効率的に進みます。塗り分けが必要なパーツは適宜マスキン グして塗装。各部の塗装工程が本キットの一番手間の掛る部分で、面倒ですが少しずつ進めます。

マフラーです。何だかんだで銀系を計4色。”焼け”表 現のウェザリングとか凝った塗装はしませんでしたが、まあいい感じに仕上がったようです。銀はマスキングテープの糊を十分に殺してから使います。4−1の 結合部はタミヤらしくバッチリ角度が決まってくれます。アオシマのZ400FXは4本チグハグになって苦労しました。

塗装が済んでしまえば後は組み立てるのみ。一気に工程が進みます。ここからがバイクプラモの楽しい時間帯です。苦労して塗装したかいがありました。まずエ ンジンとフレームを組んでしまいます。パーツ継ぎ目はうまい具合に隠れているので目立ちません。






エンジンをフレームに載せます。ビス止めでしっかり固定出来ます。

後輪ASSYとオーリンズです。サスは塗装がめんどくさいですが、見えにくい部分だから塗装は適当でも良いかもしれません。

後輪ASSYをフレームに取りつけます。軸には20oLの長ビスを使い、
ここも 問題なく止まります。車体の組み立ては安心安全のタミヤクオリティです。これといった問題はなく確実に組みあがっていきます。これがバイクプラモの真骨頂、作っていて非常に楽し いです。




前輪ASSYです。ここもガタ 付きなくバッチリ組みあがります。流石はタミヤさんです。なお、フロントフェンダーは赤いデカールが用意されていますが、正直この曲面に合わせるには無理 があるので、モンザレッドで塗装しました。この後フレームに合体しますがここも長ビスで止めるのでしっかり固定できます(フロントと車体の合体写真は撮り忘れました・・・)

最終工程部の難関、デカール貼りです。ここも曲面にデカールを馴染ませるのが難しいので、少しずつえっちらおっちら貼り込んでいきます。マークセッターを 使って強引に貼り込みましたが、それでもところどころ皺になったり破ける部分が発生してしまいました。タンクやカウル継ぎ目部分、ゼッケンベースは塗装の 方がたぶん上手くいくと思います・・・。貼ったあと乾燥したらクリアーを吹いておきます。

最後に、外装小物類とカウルを取り付けて細部塗装やタッチアップをすれば完成となります。ミラーにはハセガワのミラーフィニッシュを貼りました。



〜完成〜











完成したOW01。うーん、やっぱカッコええ・・・。 シンプルでソツのないスタイルでありながらもレーシングマシンとしての力強さが感じられます。バイク乗りの間では「デザインとハンドリングのヤマハ」評されていて、89年〜90年代初頭のヤマハ車はFZRシリーズやTZRシリーズ等、皆イケてい ましたねぇ。いや最近のR1とかR6も勿論良いけどね。

実車が活躍していた 80年代は空前絶後のバイクブーム、メーカーもユーザーも色んな意 味で「ぶっ飛んで」いました。スズキのガンマを皮切りに数多くの凶暴な名車(あ るいは迷車)が現れては消え、若者たちの心をアツくしていた時代です。日本の モータースポーツ文化の絶頂期に出現した本車両は、間違いなくこの時代を象徴する マシンといえるでしょう。

キット自身の難易度については特に問題となるような箇 所は無く、インスト通りに進めれば確実に形になります。ただし塗り分けが細かくて面倒です。始めにインストを見た瞬間、これまで本 キットを無事完成せしめた者が何人いただろうか。恐らく幾多ものモデラーの挑戦を退け、血祭りに上げてき たであろうことは想像に難くあるまい。」と思ってしまったほど。実際にはそんなことはありませんでしたが。

もっともカウルを付けてしまえばほとんどは見えなくなるので適当でも良いかもしれません。塗装が面倒な分、組み立ては容易というのが本キットの感想でしょ うか。もちろんエキパイの焼けだとかボディの研ぎ出しとかワンランク上の仕上がりを望むのであれば、各部の処理をもっと丁寧にする必要があると思います が、素人製作にはこれで十分。さすが
タミヤさんの製品といったところですね。一 個完成させてもう一個作りたくなるような、非常に楽しいキットでした。


今回の反省点
@アッパーカウルのパーティングライン消し忘れ・・・彫りの深いラインが入っています。白塗装なら目立たんだろうと惚けました。
Aカウル、タンク類の下色処理・・・白塗装は一度サフで下地色を統一した方が良いと思います。今回は強引に厚塗りしました。
Bデカール・・・一部曲面に馴染まない部分があるので、無理に貼り込むより塗装と併用した方が良さそうです。

初歩的なミスになりましたが、次に活かせば良しとしましょう。

2015年10月4日完
成。

プラモコーナーへ戻る



TOP


               Copyright  2012 KOZY-Syouten ALL Rights Reserved