タミヤ 1/12  RG250ガンマ

RG250γ  Tamiya
1/12

熱血R列伝#1 狂犬病の 狼1型ガンマ! 元祖レーサーレプリカ!
年式:1983年
車検:N/A
色:ブルー/ホワ イト
製造国:日本 社外品:無し
走行距離:不明
排気量:250t
修復歴:なし
スケール: 1/12 価格:応談

好景気に沸く1980年代、わが国では未曾有の「バイ クブーム」が巻き起こりまし た。その牽引の主役となったのが「レーサーレプリカ」と呼ばれる高性能スポーツバイクの一群です。カラフルな外装と高い走行性能を売りに毎年の様にモデル チェンジし、当時の若者たちを狂喜せしめました。40代〜50代の方々の中には1/1スケールに熱中された方も多かったことでしょう。

レーサーレプリカのほとんどは、その名に”R”の一文字が含まれています。ここしばらくは不定期シリーズ「熱血R列伝」と題しまして(※)、
R印のバイク達を模型の世界で 辿ってみたいと思います。なたの心にセル一発、熱い時代を駆け抜けたレーサー レプリカ達の息吹をお楽しみください。シリーズ第1回はスズキの名車、1型ガン マです。
※YM誌 2011年6月号より拝借しました。

さて、レーサーレプリカなる単語は誰が最初に使ったの か?私も勉強不足で良く知りません(汗)。意味合いとしては1980年代に勃興したフルカウル系スポーツバイクの総称で、明確な定義づけはされていないよ うです。しかしその祖が何であるかはおおよそ見当がつきます。2輪ファンにより解釈も様々(RZという意見もある)ですが、一般的にはガンマであるという のが最有力ではないでしょ うか。

このガンマ、レーサーそっくりな外観と過激な出力特性 を身上としておりまして、当時の車両保安基準からするとまさに 前代未聞のトンデモ野郎。しかしその凶暴なキャラクターが若者たちにむしろ好評 を得て、初年度3万台(!)売れたと言われています。以降、競合他社も追従し、「動力性 能一辺倒、速さこそが絶対正義!」という風潮へと突き進みます。

実車の人気を受け、プラモではタミヤからは1型のハーフカウル仕様とフルオプション仕様、5型のWWカ ラーの計3タイプが発売された他、アオシマからも2型がキット化されています。そ れとインターアライド(MODELER'Sさん)から年末にミニカーが出るようなんですが、発売したんですかね?GPZ400Rの発売は2月に延期したよ うですが・・・。


では、いっちょやってみましょう。


〜製作〜




今回製 作するキット(個体)です。ヤフオクで入手しました。フルオプション仕様。小鹿タミヤ物になります。このキットは現在カタログ落ちしており、スポット品と してたまに再生産されます。

パーツです。6枠のパーツで構成され、箱にこじんまり収まっています。フルオプション仕様では、アンダーカウルとシングルシートカウル、メンテナンス・ス タンドのパーツが一枠追加されているのがハーフカウル仕様との違いです。

デカールです。ひょえぇぇ・・・すっかり経年劣化して黄ばんでござんす(涙)。
さ すが小鹿タミヤ物。イチかバチかで、2日程天日干しして黄ばみを抜き、さらにマ イクロの液体デカールでオーバーコートしました。何とか台紙から剥がれてくれましたのでこれを使います。




インストです。さすがメカ物に強いタミヤさん。実車解説は下手げな2 輪 専門誌などよりよほど詳細に記述さてれいます。バイクに無関心な人が読むと意味不明な単語を羅列しただけの文章ですが、良く 良く読み込んでいくと、実車が公道市販車としては異例ずくめであることが良く判ります。キャブはフラットスライド式 (!)を標準装備かぁ。さりげなく羨ましい・・・。

いつも通りパーツをパチパチと切り出し、丁寧にデ ザインナイフで処理 します。私の場合、NEWキットに仕掛かる際には大抵デザインナイフの刃は新品に替えます。その上で、クリアーパーツ→外装パーツ→車体、エンジンの順 で切り出すようにしています。切れ味が落ちるとしくじりやすいので繊細なパーツから処理します。切り出したカウル類は左右接着して継ぎ目を処理 しておきます。

その他のパーツも次々と捌いて、塗装する色ごとに仕分けしておきます。ブレーキディスクの穴は開口されていないのでお好みで穴を開けても良いでしょう。た だし長円形なのでちょっとめんどくさいです。今回はお手軽にスミ入れで済ませることにしました。






フロントフォーク下半分のメッ キはキッチンブリーチで剥離します。上半分はマスキングゾルで保護してやればOK。サイレンサー部はボルトの凸モールドを潰した くなかったので、今回はメッキ剥離せずそのまま使うことにしました。なので継ぎ目処理は無し。キャブも剥離しておけばよかったかも。

各パーツをインストに従い、ていねいに塗装します。
カウルは塗装後にデカールを 貼ってラッカーのクリアーとウレタンクリアーで仕上げました。しかしこうして並 べると実に「絵」になりますねぇ。箱にレイアウトすればタミヤのパーツパネルコレクショ ン風のインテリアとか、ギフトになりそうです。なに、昆虫採集用の標本箱などは要りません。乾麺や瓶詰めの包装用紙器箱でも立派な額装になります。

各パーツの塗装さえ済めば9割方の作業は終了で、後は
立体パズルとおなじような ものです。ここはマスキングだとか塗装作業とか面倒な作業のことは全部忘れて、 パチ組みキットの感覚で一気に行きます。接着剤のはみ出しに要注意。この辺の工程は、無塗装素組でキレイに組み上げる術を心得た人の方が得意でしょうね。




だ んだん車体が組みあがってきました。バイクプラモでいつも難儀?するのが、組み立て途中にどのように保持するか、です。うっかり横倒しするとステップが取 れたりしてめんどくさいんですよね。このキットではメンテナンススタンドが付いているので、組み立て中もこれに架けておけば倒れる心配がありません。

車体を組んだらインストに従ってパイピングを施して、 外装小物類を取り付ければ、ハイ、完成です。ミラー面はハセガワのミラーフィニッシュを貼り込みました。




〜完成〜











完成したガンマ。2スト250らしく、スリムな車体をしていますね。乗車時の取り回しも良いのかも知れない。取って付けたような頭でっかちカウルがいかに もレーシーで、実車の凶暴性を物語っております。初期のレプリカは皆このようなノッペリしたスタイルで、時代が進むと
だんだんスラントしてハンドルもダウンして、前傾のキツイ乗車姿勢になります。

実車ガンマはその後、V型エンジンへと進化し、最 後のガンマVJ23型を持って歴史を閉じました。90年代中期はレプリカブーム も沈静化し、もはやVJ23は売れないことをたぶんスズキさんは判っていたと思 います。それでもあえて出してきました。すげぇ・・・。
スズキさん、もはやカサ ワキさんのお株を奪う「漢」っぷり、です。

ブームの終息と共に各メーカーは海外へと活路を求め、後の大排気量車「スーパースポーツ(通称SS)」へと進化していきます。


さて、プラモ自体は良く出来ています。製作途中に気付 いた点としては実車ではヘッドライトはカウルよりも一段凹んでいるのですが、 キットではややそれが強調され引っ込み過ぎているようです。リフレクターかカウルを削って少し前に出すとより近い雰囲気になるのではないでしょうか。他 は特に気になるところも無く、面倒な塗装さえ済んでしまえば後は楽ちんモデリング。タミヤさんらしいキットです。

いや〜満足満足。


2015年12月26日完
成。

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