フジミ 1/66(1/72?) F-15Eストライクイーグル

F-15E  Strike Eagle  Fujimi 1/66 (Referred to as 1/72)  



フジミ
の1/66 (自称1/72) F-15E ストライクイーグルです・・・。2011年12月に発売されたフジミの”お騒がせキット”ですな。

え、えーと・・・、ふだん飛行機プラモは作らないけど取りあえずカッコ良いジェット戦闘機を作ってみたいという人で、縮尺にあまり関心が無 くて、商品内容の表示が間違っていても気にしなくて、
道義的な事にもすご〜く寛容な人にとっては、このキットは選択肢の一つとなり得ます。一見、初心者向けに みえるけどインストに不親切な部分が多くてそうでも無いんだよねぇ・・・。

ご存知の方も多いと思いますが、本キットは1/72と明記しておきながら10%ほどオーバースケール気味で、実質1/65ってもっぱらの噂です。それゆえ 発売直後は
「けしからん」と、えらい騒ぎになったんですよね。予想通りというか結果的には市場の反応はNO!だったみたいで、それが証拠に現在ではライン ナップから姿を消しています。平たくいうとフジミの失敗作というわけです。

メーカーのフジミとしてみたら、間違いに気付いたものの手遅れで、初回分で少しでも投資を回収し後は知らんぷりを決め込もうという腹なの だと思いますが、たとえ実害を被る商品ではないにしろ、表記を偽った品物を売り利益を上げたのは事実なのだから何らかのケジメは付けるべきではないでしょ うか・・・。少なくてもだんまりを決 め込むのは老舗のする事では無いよなァ。


もう一つ首を傾げたくなったのは、発売直後の商業模型誌(2誌くらい)のレビューにおいて、サイズに関する詳細な記述が無かったような記憶があります。
まるでフジミと歩調を合わせるかのようにです。これは不可解。うーん、闇(病み)は深い。

たぶん広告収入など”大人の事情”でメーカーに配慮してあえて触れなかったんだろうけど、エンドユーザーや読者に
真実を伝えないという姿勢はいかがなものでしょうか・・・。

教 訓:マスコミは都合の悪い真実は伝えない。

もっとも商業誌に作例が載ったのはそれきりで、2015年の
MA飛行機模型スペ シャルNo.9のイーグル特集でも登場しなかったから、やはりこれを作りたがるライターさんはあまり居ないんでしょうね。        


という訳で何かと物議を醸したこのキット、ウチで一つ作りましょう。実は
リリー ス前に通販で予約を入れてしまったのです。2個も。だから発売後に騒ぎになってすごく後悔したんですよねぇ。何も問題なければあと3つは買ったんですが。前述の様に、こういう事は模型誌様の方で正確にレビューする のがその役割だと思うのですが、やむを得ません。

もっとも
スケールを無視すれば結構良い物という噂もあるし、真偽の ほどはやはり作ってみなければ判りません。うん、作ろう。
「商 業誌は黙らせたし、どうせ一般ユーザーなど積んどくだけでロクに作らねえから、判りゃしねぇ」と思ったら大間違いです。ここは当KOZYが完成せしめ、ハセガワのF- 15Eと比較といこうぢゃありませんか。ねぇ、 フジミさん。

がん ばるぞー、ふォー(棒読み)。

〜製作開始



パッ ケージです。フジミBSK(バトルスカイ)シリーズNo4。初回版を通販で予約して買いました。ってそのまま 廃版かよ・・・。アイテム選定としては良いんですよねぇ。箱絵もナカナカ上手く描けています。オカマっぽいノーズアート(メンフィスベルV)がなかなかイ カします。接着剤不要のス ナップオンキットだってさ。現実的にはパーツのはめ合いを確認したり合わせ目処理するので、接着剤の併用することになるでしょうが。意気込みだけは買いま すか。

パー ツ構成です。古いキットばかり作っているのでこれは新鮮です。金型は某国に外注したなんて噂もありまね。エンジンノズルなんて上下で割らずに筒状のまま横 で抜いていますよ。へぇ〜、やるもんだねぇ。パーツはアンダーゲートです。キャノピーは一体式で開状態のみ。ゲートが6か所も有って処理がめんどくさいで す。爆弾類の他、エンジンやドーリーも付属しています。

デカールです。4種類。例のオカマ?を描いた4FW”SJ”の他、3AF”LN”と58TTW”LA”のテールコードです。うーん、F-15Eって基本ガ ンシップグレー単色だから、模型的にはマーク変えなどの楽しみがあまり無いんだよねぇ。





ボックスサイドやインスト、デカールなど至るところに1/72と表記してあります。あくまでコレで押し 切ろうというのでしょうか?





パー ツの刻印にも1/72 F-15Eとモールドされています。ということは・・・これ単発で、単座型どころかS型やI型などバリエーション展開も全く考えて いなさそう?です。 うーん、将来的な発展性というか、一言でゆうとまるで融通が効かないキットですねぇ。この辺、飛行機に詳しくない人が金型作った感じがします。

水平尾翼中央のハニカムモールドもそう。ここは”NO STEP”の注意書きでモールドでは無かったと思います。今時こんな凡ミスやらかすなんて、「実機を良く知らない素人が図面だけ見て金型起こした」と言わ れても仕方ないですよねぇ。金型は外注したにしろ、修正指示くらいはしても良かったんじゃないスかぁ??

エアブレーキの真ん中にもハニカムのモールドが。あれ?ここに注意書きってあったっけかな??
他に気になる点は、エアインテークがダウン状態(エンジン始動)ですねぇ。それで無人って・・・まるで昔 のモーターライズ車プラモみたい。



はじめにコクピットです。計器盤やサイドコンソールはモールド表現で すが、デカールも用意されているので下手な手書き塗装よりもこちらが楽です。ペタッと貼りつけてマークソフターをサッとひと塗りすれば馴染んでくれます。ACESUも3パーツから成 りナカナカの出来。うん、ここは問題無し。

フロアと前脚庫を挟んで機首左右を貼りつけます。迎角プローブのピン はモールド再現で折れやすそうなので心配な人は虫ピンで換装でしょうか。レドーム内のレーダーも再現されていますが今回は閉じるのでパス。レーダー基部の パーツ (D10)のみ治具としてはめ込んでおきます。

エンジンです。タテマエ上は取り外すことが出来るよう謳っていますが、実際にはホルダー部品(C2)とのクリアランスがキツいので簡単にスポッと抜けてく れませ ん。無理に抜き差しすると塗装が剥がれるのでエンジンのギミックは諦めた方が良さそうです。というかどうせ中に納めてしまうのでエンジン外面塗装はパス。


胴 体下面にエアインテークと機首のホルダー(C1)、エンジンのホルダー(C2)を貼りつけます。C1とC2は前述のようにキツキツなので内側にグリスを 塗ったり削ったりして少し緩くおきます。なおエアインテーク内部の塗装指示が無かったので白で塗りました。っていうか塗装指示されてない箇所がやたら多い ぞ、このキット・・・。

C2にエンジンを差し込んでから胴体上下を貼りつけます。ここは各ダボ穴を緩くしておいた方が良いです。どうせ接着剤を使うのだし、はめ合いの微調整をす るにはその方が都合が良いのですね。実際、主翼の下面に段差が少し出て、何度か付けたり外したりしました。それとインストではここで水平尾翼も取り付ける よう指示されていますが、塗装の便を考えれば後付けの方が良いです。

他社キットも含め、ストライクイーグル組み立てのヤマ場の一つがコンフォーマルタンクの取り付けです。ここは左右3か所ずつ計6か所の取り付けガイド
(赤丸)を介してスナップで取 りつけになっています。しかしそれだけではピッタリ付かないので、ここは接着剤でしっかり留めます。従ってガイドは6か所も要りません。位置決め用として 真ん中の1か所ずつ(赤2重丸)だけでOKです。


コンフォーマルタンクの先端と後端はすこし浮きますので、輪ゴムでしっかり固定密着させ、MrセメントS をスーッと流し込んでやります。これでだいたいOKです。それでもちょっとスキマが出たらエポキシ接着剤でも擦り込んでおきます。

後は接合面の段差を軽く均せば機体の組み立ては終了、です。今回は機首と胴体は別々に塗装することにしました。

機体塗装です。
C305ガンシップグレーでぶあ〜と吹いて終了。こりゃあ楽ちんです。模型誌などではしばしばムラのある塗装でリアル感を演出した作例をよく見かけます が、素 人がうっかり真似ると小汚くなるのでちょっと注意が必要です。今回は汚し塗装はウオッシングで軽めに済ませます


塗装後に機首を胴体に差し込みます。別々に塗装したたためスキマが出 て、そのままだといかにも”取って付けた風”になります。そこでエポキシ接着剤を擦り込んで目止めしてやり、その上から軽くC305を吹いてやれば違和感がな くなります。エポキシ接着剤はプラ地や塗装面を痛めないのでパテ替わりに大変重宝します。

エンジン回りのメタル部や脚庫など細部を塗装します。その後エナメルの艶消し黒でスミ入れを兼ねて軽くウオッシングします。

その他小物のパーツを塗ってしまいます。だいたい作業のヤマは超えましたかね。


ミサイルです。アムラーム4発とサイドワインダー(LとX)が2発ず つ。後端は凹んでいるからドリルで掘る手間が省けます。これは良いですね。

ウェポン類を塗装しました。
インストにサイドワインダーの塗装指示がありませ ん。ど忘れこいたんでしょうか?。しょうがないからサイドワインダーはハセガワ のウェポンセットを参考に塗りました。

サイドワインダーのランチャーは4本あるのですが、F8とF9の表記(モールド)があるのにF27とF28が表記されてません。うげげげ・・・こういう キットって、はじ めて見た・・・。他のパーツがカッチリ出来ているだけに、これは余計に違和感があるんだよなぁ(笑)。


イーグルの見どころ、F100エンジンノズルです。一発成型としてはなかなか。ロッドが再現されていませんがスナップキットを謳う以上、省略するのも一つの見解といえるでしょうか。

付属のドーリーです。何色で塗って良いか指示があ りませんでしたの で、C27機体内部色で塗りました。結構はめ合いきつい・・・。左右の部品でインストの指示が逆なところが有るから、ちょっと混乱します。

デカール貼りです。
垂直尾翼上端の帯の長さが足りません。これは怒って良い。すごぉ〜く怒って良い。「じゃあ自前で塗れば?」って問題ではありません。まさかデカールだけちゃんと1/72ってことはあるまいね??ホビーショーの完成見本の画像ではちゃんと前まで繋がっていたけど、適当に誤魔化したんですかね?しょう がないから帯の無い機体をセレクトしたけど・・・ブン投げそうになりました。



細かいデカールをひたすらペタペタ貼り込んでいきます。数が多いから 2、3日くらいかけて少しずつです。これは、イーグルのキットはみなしょうがないです ね。データ類は思い切って省略するのも有りかもしれません。デカールが乾いたらシャブシャブに溶いたC181半ツヤクリアーを吹いてシルバリングを抜いて おきます。ここは半ツヤよりもツヤ消しクリアーの方が良かったかもしれません・・・反省。

ウェポン類やタンクはCリング状のパーツを介して取り付けれます。これは良いですね。既存のキットだとイモ付けで固定しにくいし、完成後もポロポロ取れて きますからねぇ。うん、これは良い。

その他細かいアンテナを付けて完成!です。ふー疲れた。


〜完成〜

さて、お楽しみコーナー、ハセガワとの比較です。以前製作したハセ凸版凹版にお出ましいただきました。うん、フジミさんのキット(左)は確かにデカいね
どうすんの?フジミさん?? これでもまだシラを切ろうってのヶ?デカい顔すんなよヾ(`Д´*)ノ〜?

念のため、実機データと各プラモの実測値を比較してみましょう。
実 機
1/72 換算値
フ ジミ
ハ セガワ(凸)
ハ セガワ(凹)
全 長:63.75ft.(19.43m) 269.9 o
296 o
269 o
269 o
全 幅:42.81ft.(13.05m) 181.2 o
199 o
180 o
180 o
※ 実機データはディテール&スケールvol.14を参照。

うん。うちの計測では1/66になるかな・・・。
10%の寸法誤差なんて聞いた事ねえわ。すごい公差オーバー。
「大は小を兼ねる」「デカさは何物にも勝る」という言葉はこういう時には使えません。

もう一度言います。フジミさ ん、デカいよ、これ。減点30。

作り易さでは、スナップのはめ合いが気になった程度で 一応カタチにはなったのでまあ良いです。特に小物類の取り付けが楽に確実に出来る点は良いと思います。ここは加点30はして良いでしょう。全体的にもう ちょっとスナップのはめ合いが気持ちよ ければ+40なんだけど。

ただし、
イ ンストのいい加減さは-40の大減点。何と言いますか・・・「投げやり感」と「バグ出しを怠った」がヒシヒ シと伝わってくるんですよねぇ。この雰囲気はすごく嫌。スケール間違いよりもむ しろこちらの方が問題だよねぇ。スケール間違いの失点を取り戻そうと他でフォローする姿勢が見えるのならばまだ大目に見ようという気になるのですが。開き 直ったことで印象が悪くなりました。

インストはキットの構成要素の一つだから、これ単体で も立派な「不良品」とも見なせるわけで、アフターサービスに問い合わせたら良品(訂正したインスト) と交換してくれるのでしょうか・・・? リコールは無理にしろ、せめて訂正用紙一枚入れるとか、HPに改訂版をアップするくらいのことはしてくれても良かったんじゃないスか? インスト不備は他社でも良く有るけど、本キットはちょっと多すぎ。

インスト不備の数々(他にもあります) 病んでいるよね。

インテイク内部は何色で塗るの??

ドーリーの塗装指示も無し

サイドワインダーはどこ?

他に変なハニカムのモールド、エアインテーク、プロポーション(機首が何となく変)で減点10。一方パネルライン
は今時のキットらしく繊細で彫りの深い凹で、上品です。ただしインスト図のパネルラインと異なっているの が惜しい。よって+10位かな あ。

という訳で、製作した上での総合点は計60。及第ギリギリですね。人によっては落第かもしれません。全体的な総括としては・・・良い部分と悪い部分が同居 した、不思議なキットでした。物好きな御仁は、無塗装素組だけでも一度製作されてみては如何でしょうか?


ではでは。アスタ・ラ・ビスタ、ベイベー。



2016年9月10日
完成

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