タミヤ 1/48 零戦52型丙

Zero Fighter Type52 hei Tamiya 1/48

 

タミヤの1/48 零戦52型丙です。
え、えーっと、上記写真、キャノ ピー前部にスキマが出ていますが、ちょっとこれ、アンテナ支柱に引っ張られたためであり、キャノピーそのものの精度不良ではありません(汗)。それで、 と・・・

タミヤさんのHPによると、1983年2月の発売だそ うです。任天堂ファミコンの発売前夜。この年代のプラモって、昭和レトロのビンテージを味わうってほど古くもないのだけれど、かといってバリバリ 凹線の近代キットってほどでもありません。・・・ でもタミヤさんの80’プラモ、特に80前半モノって、一般のしかも年少者でも手に取り易いよう気配りの効いた親切キットが多いのです。

正直言いますと、大戦機にはあまり深入りしていません。
このジャンルって集めだすととキリがないといいますか。90年代のブーム時もそれほど ハマならかったかな。あの頃はまるで椅子取りゲームみたいに大戦機のキット 化ラッシュで、対して現用機ジェットは動きがあまり無かったと思います。

でも逆に昭和末期って大戦機はかなり不遇なジャンルで、
ゼロ戦ですらその例外ではありませんでした。なにしろ「ハセガワ(凸)の機体+LSのカウリング」ってのが1/72ゼロ戦の王道!なんて時代がずっとだったん です。そんな中でこの52丙/32型は初売当初から評価も高く、たぶん昭和全期 を通じてリリースされたゼロ戦としてはこれがベストではないでしょうか。

実際、この52型丙は小学生向けの学習雑誌(たしか小学●年生あたり)か何かで、トム猫、イーグル、ファントムUに次いで第4位の人気だったと思います。 昔よく通った玩具店の店主も、ハセガワ(凹)よりも「タミヤの方が安いし、これで十分に良い物だよ」だと言ってましたっけ。私の駆け出し時代だと¥600とか¥800くらい で、ハセ新版の半額以下でした。
※初版¥800だったようです。

初版
か らだいぶ値上げしたとはいえ、35年後の2018年現在でも税抜定価¥1500なのも嬉しい点。93年にハセガワの22型が出たときも「ゲッ、高っけ〜」 だったのに、今のタミヤ22型とか52型に至っては値札みた瞬間、「たわば!」ですよ。いや、そりゃあまあキットは良いにはこしたことないしCAxやマシンニングセンタで起こしたんだろうけ ど・・・いきなり倍以上ってのも、ねぇ。

と、ここまでヨイショながら、 私、これは作ったこと有りませんでした(汗)。いや、ゼロ戦自体はそこそこ完成実績あるんです。1/48だけでもタミヤの21型と32型、フジミの21型 とハセガワ52型(凸版)と旧オオタキの52丙、ついでにマルシン工業の22型半完成品。
しかしタミヤ52丙は・・・無い・・・。まいったな・・・。日本国臣民としては、いや、ちょっと、うーん、アレかな?


とりあえずひとつくらいはやってみましょう・・・。



〜製作開始〜




今回のキットです。少し前に買ったものです。箱絵は「昔のタミヤ」風 の油絵タッチです。ん・・・?この絵のカウリングは何か変ですね。なんか前後にビョヨヨ〜ンな感じ。これが噂のタミヤディフォルメかぁ。一応キットの方は こんなではありませんのでご安心ください。

パーツです。 ゼロ戦(というかレシプロ単発大戦機)のプラモはどれも昔から似たような構成です。しかしどうですこのシンプルさ。実に制作意欲掻き立てられるぢゃねえすか。シンプルではありながらも「空モデルを作るうえでの基礎工作」は一通りこなしますので、ビギナーの練習用としてもすごく良さそうですね。

デ カールです。計7パターンと、 なかなか豪勢です。といってもほとんど同じカラーリングだから単調なのだけど・・・ まあこれはこのキットのせいではないか・・・。なおインストは1983年当時の考証で書かれており、例えばコクピット等はメタリックブルーで指定です。こ だわる人は最新キットのインストを参考にした方がベターかな。






大戦機はそれほど作らないので、手持ちの塗料在庫も大してありません。・・・と、ケースを漁っていたら20年以上前にハセガワの48紫電改(凸)を作った時に買った塗料の余りが出てきましたョ。何とか使えそうです。干からびているものは1週間ほ ど溶剤でうるかしときます。

水平尾翼にはウエルドラインがあります。本来は #1500ペーパー使いたいところですが、凸線がすっ飛んだら嫌なのでコンパウンドで擦って処理します。一体モノの尾翼ってこういうのが多いよねぇ。

コクピットです。手持ちのC126(ヤタロー系)を吹いてデカールをペタッと貼ればハイ、お終い。今回の機体塗り分けだと考証的にはC127(チンペー 系)が正しいようですが。

※ゼロ戦後期型の塗装はモデラーにとってはかなりややこしい話で、ただでさえ実機製造元が2社あるってのに、資料本、あるいは各モデラーさんでが
解 釈まちまちで、そこに模型メーカーや塗料メーカーが新旧 入り乱れているから、調べるほどに発散します。この辺は考証研究家でも諸説ある 程ですから、今回はあまり深く突っ込まないことにしました。






コ クピットを挟んで胴体左右を接着します。特に上面ツライチになるように、あと前後ズレに注意しながら慎重にMr.セメントSPで接着します。乾いたら凸 モールドをテープで保護し、#1500で継ぎ目を均します。ここは粗目でゴシゴシやるとモールドがすっ飛んだり変形するから注意です。合いが良いので、パテは溶きパテを垂直尾翼のズレ部に少し摺り込んだ程度です。

主翼上下をMr.セメントSPで慎重に貼り合わせます。ここも合いは良いですね。乾いたら継目を#1500で軽く均します。


胴体Assyと主翼Assyを貼り合わせます。ここの合いもパチピタで、これは嬉しいサプライズ。確か同 じタミヤの旧キットでも21型と32型は少しスキマとか段差が出たような・・・。






念 のため主翼上面の付け根(青丸部)には軽くエポキシ接着剤で目止めしておきました。ここはレシプロ大戦機攻略ポイントの一つで、古いキットだとここで段差 やスキマが出るものが多いようです。処理法は人それぞれですが、個人的にパテ盛りペーパー掛けは極力したくない派なので、簡易的に済ませてしまうことが多 いで す(やり方はコチラ)。

胴体下面(腹)の部分です(赤丸部)。ここもほぼツラ イチですので、エポキシ接着剤で目止めする程度にしました。思いっきり段差が出たらベロやケタを入れてツライチに調整してしまいましょう。

キャノピーのマスキングは「マスキング販売」さんの切り出し済みテープを使います。これも賛否両論あるんだろうけど・・・文明の利器は素直に使った方が精 神衛生上、良いですね。







機 体塗装です。基本塗装は下面C35明灰白色→上面C15暗緑色。塗り分けラインはチンペー系。インストの拡大コピーを型紙に使いました。(下面はC128 じゃないの?とかのツッコミは勘弁おくんなまし)基本塗装を終えたら主翼前縁部の黄橙色やフラップの歩行禁止線など細部を塗ります。カウリングとコク ピット内側前部はC92、コクピット内側後部はC126です。

デカールを貼ります。日の丸マークは、蒸しタオルも使ったものの凸ラインに良く馴染まず、ちょっとシルバリング&気泡が出ました。リペアにマークソフター使ったところ皺が出て、裏目に (涙)・・・ここは痛恨のミスです。うーん、日の丸はサークルカッター使って塗る人が多い理由が何となく判るかも・・・。

その他、小物パーツ類も塗っておきます。仕上げにC181クリアーを吹いて全体のツヤを整えておきました。



最後に各パーツをGクリアーで組み立てれば目出度く完成です。 ついにやったぜ。よーし・・・!



オッケィ♪
(by 赤いラナ●キュラス)


〜完成〜







完成したタミヤの52丙。個人 的には汚し塗装や剥げチョロはあまり好きではないので、うーん、こんなものかな・・・。ゼロ戦はみんな作っている超メジャーアイテムだけに、考証をどの程度突っ込んで調べ上げたとか、あるいは キャノピーのマスキングなどの基礎工作がきちんとできているか、といった、作り手の個性や地力がモロに出るんですよねぇ(汗)。誰も知らんようなマイナー 機の方がよほど気楽に作れる・・・かもしれません?

キットの方ですが、一部凸線が時代を感じさせるものの、合いも良く作 りやすくて、これは現在の目で見ても十分ではないでしょうか。特に脚柱がしっかり主翼に固定できるのが嬉しいです。飛行機プラモってここが一番壊れやすい んですよねぇ。タミヤさんの飛行機キットって、脚回りがしっかりしているものが多いですね。たぶんこういうのを「プラモデルのお手本」っていうんでしょうか。

ところで、昔作った紫電改と比べてみると、やはりゼロ 戦は華奢に見えますね。というか紫電改がやたらマッチョに見えます。この凸版紫電改、ハセガワさん再ラインナップしてくれないかなぁ。ついでにツバメ玩具 のソフトグライダーも作ってみました。製作時間は約1分。”作りやすさ”でいえばこれが最強かもしれません(笑)。

タミヤさんの52丙、すごくいいですねぇ、なんで今まで作らなかったんだろう?
30年以上ほったらかしで、ごめんごめんな気分なのです(タミヤ調語尾)。


2018年10月3日完成


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